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【オールカマー(G2)回顧~その先へ】血統篇

【オールカマーの結果】
レースは、中団から脚を伸ばしたローシャムパーク(4人気)が、逃げたタイトルホルダー(1人気)に1.1/4馬身差をつけ優勝。さらにクビ差の3着にゼッフィーロ(7人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、まずは「前走宝塚記念組」の成績は、ジェラルディーナ(6着)。また「牝馬」の活躍が目立つのも特徴で成績は、ウインマリリン(9着)・マリアエレーナ(4着)。最後に「芝2200m巧者」の成績は、ガイアフォース(5着)・タイトルホルダー(2着)・ノースブリッジ(7着)。

血統面で、結果から検証すると「父、母父共に欧州型」に注目すると、出走馬15頭中3頭内2頭(1着ローシャムパーク、2着タイトルホルダー)のワンツー決着。「ディープインパクト産駒」に注目すると、出走馬15頭中1頭(3着ゼッフィーロ)が該当した。

トラックバイアスからみると、中山競馬場芝2200m戦は最後の直線部分こそ短いもののコーナーが緩く、ロングスパート型が有利にレースを運べる傾向が強い。土曜日の【中山芝Cコース初日】。重馬場でスタートしたが、9Rからは稍重へと変わった。直線は内が悪いということではなかったが、外が非常に伸びる馬場で、馬券内に入ったほとんどの差し馬は外を通った馬であった。よって基本は先行馬から入り、外からスムーズに差して来れそうな馬が狙い目!?

【血 統 傾 向】
スピード持続性の高い血が重要!!
ディープインパクト産駒、特に母父米国型。
父か母父が米国型ノーザンダンサー系。
ボールドルーラー系、プリンスリーギフト系の血を持つ馬。

2023年
1着ローシャムパーク
父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父ミスプロ系/欧
2着タイトルホルダー
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ゼッフィーロ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2022年
1着ジェラルディーナ
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2着ロバートソンキー
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ウインキートス
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米
2021年
1着ウインマリリン
父スクリーンヒーロー(ロベルト系/欧)×母父ミスプロ系/米
2着ウインキートス
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米
3着グローリーヴェイズ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2020年
1着センテリュオ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2着カレンブーケドール
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着ステイフーリッシュ
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2019年
1着スティッフェリオ
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父スターリング系/欧
2着ミッキースワロー
父トーセンホマレボシ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
3着グレイル
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米

【血統背景】

ローシャムパーク(牡4、美浦・田中博康)は、父ハービンジャー×母レネットグルーヴ(母父キングカメハメハ)。母はドゥラメンテと同血統にあたり、祖母はアドマイヤグルーヴと同血統。曾祖母エアグルーヴはオークスや天皇賞・秋勝ち馬の名牝。父のハービンジャーはデインヒルのラインのダンジグ系。前走の函館記念は適性外のなかでも力でねじ伏せた感のある勝利。本質は大箱に向きで、中山外回りなら悪くなく、ここでも好勝負期待!!

前走の函館記念は、勝負どころから馬群の大外を一気に進出して差し切る圧巻の競馬。距離ロスをものともせず、素質馬が開花の時期を迎えている。当コースはセントライト記念3着で経験済み。重賞連勝を狙う!?

同馬は、3角からゴールまで末脚を持続させねばならない展開をタイトルホルダーの2、3馬身後ろから動き、最後1馬身1/4差つけ優勝。成長がゆっくりな父ハービンジャーの影響もあり、次走はなんともいえないが、天皇賞(秋)なら十分狙える1頭!!

タイトルホルダー(牡5、美浦・栗田徹)は、父ドゥラメンテ×母メーヴェ(母父Motivator)。メロディーレーンの半弟で、母メーヴェはJRA5勝。3代母ローラズゲストの全姉に英1000ギニー馬オンザハウスがいる。母父モティヴェイターは英ダービー馬でソールオリエンス、ヴァンドギャルド、ステラリアなどの母父。母も姉も牝馬ながら長いところで活躍したが、本馬もハイペリオン的な持続力・粘着力・底力を強く感じさせる。日経賞のド圧勝を見てのとおり、持続力は現役ナンバーワン。冬場は馬が硬くなる傾向にあるが、秋の中山ならいきなり。

一昨年の菊花賞馬。昨年は天皇賞(春)と宝塚記念を連勝。その後は凱旋門賞(G1・フランス・芝2400㍍、11着)と有馬記念(9着)で敗れ、日経賞を連覇して臨んだ今年の天皇賞(春)は競走中止。復活を期すGⅠ3勝馬の秋初戦に注目したい??

同馬は、今回1000㍍通過こそ1:01.1とゆったりだったが、後半1000㍍は11.5-11.5-11.6-11.5-12.4とロングスパートを仕掛け、好位勢を振り払い2着入線。いい意味で伸びしろを感じる一戦で、順調なら次はもっと粘れるはずだけに次走も要注意!?

ゼッフィーロ(牡4、栗東・池江泰寿)は、父ディープインパクト×母ワイルドウインド(母父Danehill Dancer)。母は仏1000ギニー3着のワイルドウインド。曾祖母はラヴズオンリーミーを輩出しているので、リアルスティールやラヴズオンリーユーなどと同じファミリー。父ディープインパクトに母父がデインヒルダンサー。ディープ×欧州血統で奥のある血統構成。重心が低めのピッチ走法で、使える脚が短く道中のポジションがポイント。中山外回りのようなコースは悪くなく、道悪も熟すし、展開次第で差し込み十分!?

同馬は、後方から上がり最速34.7を記録。馬群を縫うようにソツなく走り、3着に入った。2月但馬Sからクラスをあげながら5戦連続で上がり最速を叩き出しており、充実してきた。ここ数戦は速い時計が出にくい舞台で戦っており、上がりが速く、高速決着になりそうな舞台で改めて狙ってみたい逸材??


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