【ダービー卿CT(G3)回顧~その先へ】血統篇 1 Haya 2023年4月5日 07:00 【ダービー卿CTの結果】レースは、縦長馬群の中団を追走したインダストリア(3人気)が、直線で前の各馬を差し切り、その外に出されて追い込んだジャスティンカフェ(2人気)に3/4馬身差をつけ優勝。さらに1/2馬身差の3着にゾンニッヒ(5人気)が入り、ほぼ本命決着!?傾向面からみると、「1番人気馬には鬼門のレース」は今年1人気に推されたレッドモンレーヴは、痛恨の出遅れ!? もあって7着敗退。「差し・追い込み馬が有利」は、ワンツー(インダストリア、ジャスティンカフェ)が差し馬、4着マテンロウオリオンが追込み。「黄色帽(5枠)が激アツ!」は、4着に追い込んだマテンロウオリオンが5枠9番馬。血統面からみると、まずは「父が非サンデー系」に注目すると馬券に絡んだ3頭(1着インダストリア/キングマンボ系、2着ジャスティンカフェ/ロベルト系、3着ゾンニッヒ/キングマンボ系)が該当(出走馬16頭内11頭)。なかでも、母父も非サンデー系なのが2着ジャスティンカフェ(母父キングマンボ系)が該当(出走馬16頭内3頭)。【血 統 傾 向】昨年はロードカナロア産駒の11番人気タイムトゥヘヴンが勝ち、2着にはヴィクトワールピサ産駒の12番人気フォルコメンが入線する波乱の決着。なお、フォルコメンは21年の勝ち馬テルツェットの近親にあたるが、前者は2代母Myhrr、後者は3代母MonevassiaがKingmamboの全妹となる。つまり、20年1着クルーガー(父キングカメハメハ)、21年1着テルツェット(3代母Monevassia)、22年1着タイムトゥヘヴン(父ロードカナロア)とKingmamboの直系あるいは同牝系の馬で3連覇を果たしている。今年優勝したインダストリアの父系祖父がキングカメハメハ、母の父の配合が「サンデーサイレンス×トニービン」、母系にノーザンテースト、昨年の勝ち馬と共通する配合。さらに、3着馬ゾンニッヒの父系祖父がキングカメハメハ、母の父がサンデーサイレンス直仔となる配合は昨年の勝ち馬と同じだった。2023年1着父リオンディーズ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日2着父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父ミスプロ系/欧3着父ラブリーデイ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日2022年1着父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日2着父ヴィクトワールピサ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米3着父ニューアプローチ(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧2021年1着父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧2着父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧3着父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧2020年1着父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父マッチェム系/欧2着父ダイワメジャー (サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧3着父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父ロベルト系/欧2019年1着父ファスタネットロック(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米2着父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧3着父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米【血 統 背 景】インダストリア(牡4、美浦・宮田敬介)は、父リオンディーズ×母インダクティ(母父ハーツクライ)。ケイデンスコールの3/4弟で、バランスオブゲームやフェイムゲームの甥で、ステイゴールドやサッカーボーイなどが出るダイナサッシュの牝系。母インダクティはJRA2勝(芝1500と2000)。父リオンディーズは名牝シーザリオの息子でピンクカメハメハ、テーオーロイヤル、ジャスティンロックなどの父。リオンディーズ×ハーツクライだから血統は中距離で、東京新聞杯のようにマイルで高速決着になりすぎるとちょっと苦しい。ベストコースは大箱1800。約6か月半の休み明けとなった2走前の3勝クラス・カウントダウンS(中山・芝1600㍍)は、スッと控えて後方で折り合いに専念。3、4コーナーで馬群に包まれて窮屈な競馬になったが、直線で進路を確保する、豪快に突き抜けて1馬身差で快勝。前走の東京新聞杯は、勝ち馬から0秒5差の7着。中山・芝1600㍍は2戦2勝の成績を誇り、ここも上位争い!!同馬の母インダクティは、ホールオブフェームの仔できょうだいには重賞6勝フェイムゲーム、中山重賞4勝バランスオブゲームがいる。2頭共にクラシックで壁に弾かれ、その後さらに強くなった。同馬もNHKマイルC2番人気5着に敗れ出直す形になったが、そこから成長するのがこの血統の長所。スピードをバランスよくレースで発揮できるようになった同馬、今後に期待したい!?ジャスティンカフェ(牡5、栗東・安田翔伍)は、父エピファネイア×母カジノブギ(母父ワークフォース)。母カジノブギはJRA1勝。母母ギミーシェルターはJRA5勝でアネモネS2着。3代母オークツリーはガレオンの全妹でペインテドブラックの母。牝祖シャダイアイバーはオークス馬で子孫にエアジハードやプレシャスカフェなど。エピファネイア×ワークフォースでクロスがサドラーズウェルズ4×4。血統も馬体も走りも中距離っぽい。東京新聞杯は人気を裏切る形となったが、マイル戦だとマイルCSのような後傾ラップのほうが差しやすい馬。昨秋のマイルチャンピオンシップは、脚をためて後方待機策。直線は馬群のインを突いて鋭く伸びたが、ラスト200㍍付近で前が開かず、進路を確保してから再び脚を使っていただけに、勝ち馬から0秒4差の6着は力負けではない。約2か月半の休み明けだった前走の東京新聞杯は、スッと控えて後方のインで折り合いに専念。馬群が縦長になり、上位馬とは位置取りの差も出たが、メンバー中最速となる上がり3ハロン33秒3(推定)の末脚で勝ち馬にアタマ+クビ+クビ差の4着。同馬は、昨秋マイルCSで前が壁になり、抜け出せなかったように、勝負所で加速しきるまでにやや時間を要するタイプで、直線が短い中山はイメージとは遠い舞台。また、ちょっと流れが厳しくなりそうなG1安田記念なら、展開がハマる可能性が大きいだけに出走してきたら狙いたい??ゾンニッヒ(牡5、栗東・池江泰寿)は、父ラブリーデイ×母エンドレスノット(母父ディープインパクト)。父系祖父がキングカメハメハ、母の父がサンデーサイレンス直仔となる配合は昨年の勝ち馬と同じ。また、父ラブリーデイがノーザンテーストやRobertoを併せ持つ。その父は5歳にして本格化を果たした晩成型で、本馬も4歳秋にマイル路線に切り替えてからの充実ぶりが光る。2走前の3勝クラス・若潮S(中山・芝1600㍍)は、中団6番手を追走からメンバー中最速となる上がり3ハロン33秒8(以下推定)の末脚を繰り出し、ゴール寸前でハナ差捕らえて4勝目をマーク。前走の東風S(リステッド)は、馬群が縦長になり勝ち馬とは位置取りの差も出たが、メンバー中最速タイの末脚で2着に追い上げて、“負けてなお強し”。充実期を迎えている本馬に期待したい!?同馬の場合、1、2着馬の決め手に屈したように、重賞タイトル奪取にはもうワンパンチほしい!! 現状では崩れはしないが、あと一歩足りないというタイプ。父ラブリーデイの成長力を背景にもう一段ステップアップできるか注目したい!? ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #競馬 #JRA #血統 #G3 #ダービー卿CT #ジャスティンカフェ #インダストリア #ゾンニッヒ 1