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【札幌2歳S(G3)回顧~その先へ】血統篇

【札幌2歳Sの結果】
レースは、逃げたセットアップ(3人気)が、2番手で運んでしぶとく伸びたパワーホール(4人気)に4馬身差をつけ優勝。さらに3.1/2馬身差の3着にギャンブルルーム(2人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、まず「上がり最速馬」が[5-2-3-1]複勝率90.9%を検証すると、今年「上がり最速馬」は優勝したセットアップ。次に「8枠」[2-5-3-8]複勝率55.6%を検証すると、今年は6・7着に8枠2頭が入線。最後に「須貝厩舎」[3-1-1-5]複勝率50%を検証すると、今年はガイアメンテ6着/ウールデュボヌール9着。

血統面で、「父非サンデー系、特に欧州型ノーザンダンサー系(大系統)」に注目すると、出走馬10頭中1頭のみ該当したセットアップが1着。また、「母父欧州型」に注目すると、出走馬10頭中4頭内2頭(2着パワーホール/3着ギャンブルルーム)が入線。

トラックバイアスからみると、札幌の芝は良に回復しそうだが、かなり悪化が進んでいるので、パワーを要する馬場になる。位置取りに関係なくスタミナを消耗するので、中距離を中心に前残りが目立つ。

【血 統 傾 向】
非根幹距離の小回りで反主流血統が走りやすい!!
父非サンデー系、特に欧州型ノーザンダンサー系(大系統)やロベルト系。
サンデー系なら母父米国型。ステイゴールドの血を持つ馬。

2023年
1着セットアップ
父デクラレーションオブウォー(ノーザンダンサー系/欧)×母父ミスプロ系/米
2着パワーホール
父スワーヴリチャード(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ギャンブルルーム
父キズナ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2022年
1着ドゥーラ
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ドゥアイズ
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ダイヤモンドハンズ
父サトノダイヤモンド(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2021年
1着ジオグリフ
父ドレフォン(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/欧
2着アスクワイルドモア
父キズナ(サンデー系/日)×母父サンデー系/日
3着トーセンヴァンノ
父ヴァンキッシュラン(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
1着ソダシ
父クロフネ(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/欧
2着ユーバーレーベン
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ヘイロー系/米
3着バスラットレオン
父キズナ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2019年
1着ブラッゥホール
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2着サトノゴールド
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着ダーリントンホール
父ニューアプローチ(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧

【血 統 背 景】

セットアップ(牡2、美浦・鹿戸雄一)は、父デクラレーションオブウォー×母スリーアロー(母父アルデバランⅡ)。母のスリーアローはJRA3勝。サトノパンサーやアーサーテソーロの甥で、父のデクラレーションオブウォーはウォーフロントの後継で、クイーンアンSや英国際Sを制した欧州の名馬。トップナイフやタマモブラックタイなどの父。母父アルデバランⅡはミスタープロスペクターの直仔で、ダンスディレクターの父。母系の奥はストームキャットを持ち、距離は2000m以下が適性。2戦目で勝ち上がり、使い詰めていいタイプ?? レース間隔だけが不安要素も、素質は十分通用するレベル!?

同じ父を持つトップナイフが今年の札幌記念で2着に好走。力の要るタフな馬場コンディションが合っている血統。開催最終週の札幌・芝1800㍍の条件も、今回も同型馬との兼ね合いは鍵だが、スタートが上手で、二の脚も利くタイプだけに期待したい!?

同馬は、出足が速く労せずハナへ。3コーナーから早めにスパートをかけ、差しにくい馬場を味方に後ろを離せるだけ離して一気に突き抜けて優勝。器用な立ち回りを身に着ければ、クラシック戦線の穴馬になりそうな1頭!?

パワーホール(牡2、栗東・昆貢)は、父スワーヴリチャード×母ストロベリーズ(母父コマンズ)。ミッドサマーフェア、ソフトフルート、フィアスプライドの甥。3代母ストームソングはBCJフィリーズに勝った北米2歳女王で、孫にオーダーオブセントジョージがいる。父スワーヴリチャードはハーツクライ産駒でジャパンCと大阪杯に勝った。初年度産駒が好調でJRA2歳リーディング首位を快走中。母父コマンズはデインヒルの後継の豪州トップサイヤー。母系はスピード志向が強く、距離的には中距離まで。本馬は母父がダンジグ系のスプリンターなので、後駆が強靭でスッと先行できるのが強み。デビュー戦は超スローの逃げ切りだけに過信はできないが、素材は確か!?

フローラSを制した伯母ミッドサマーフェアをはじめ、母系は全体的に芝中距離での活躍が多い。父も芝2000㍍の大阪杯でGⅠ初制覇。本馬にとって今回の条件は合っているだけに期待したい!?

同馬はセットアップについて行く形で粘り2着。初戦と違い、スムーズに立ち回れてセンスの高さを見せた。差しにくい馬場を味方につけ、スタミナは証明。今後の成長力に期待!?

ギャンブルルーム(牡2、栗東・大久保龍志)は、父キズナ×母シャンデリアハウス(母父ヴァーミリアン)。母シャンデリアハウスはJRA4勝(芝1200~1400)。母母カーリーエンジェルはオレハマッテルゼ、エガオヲミセテ、フラアンジェリコなどを産んだ名繁殖。牝祖ダイナカールはオークス馬で、名牝名繁殖エアグルーヴの母。父キズナはダービー馬でソングライン、アカイイト、ディープボンドなどを出して成功。母父ヴァーミリアンはエルコンドルパサーの後継種牡馬で、現役時代ダートで活躍。キズナの牡馬らしい身体付きですが、一瞬の脚もかなりいいモノがあり、機敏性にも長けたタイプ。父似の青鹿毛で見映えする馬だが、脚捌きは母がもつノーザンテースト4×3の影響を感じさせる。札幌洋芝もこなせるが、本質は大箱に向き。

メイクデビュー阪神(芝1800㍍)は、好スタートから控えて後方2番手を追走。4コーナーでは最後方の位置取りだったが、直線では各馬が避けた最内のスペースを突いて鋭く伸び、一気に先頭に立つと、後続を突き放して5馬身差(0.9秒)の快勝。メンバー中最速の上がり3ハロン33秒7(推定)をマーク。2着ブルーミンデザインは続く未勝利戦で勝利を挙げ、5着メイプルギャング、6着クイックバイオも2戦目でV。好メンバーの相手だったことを考えれば、この馬の強さがより際立つ。道中の運びや、直線での走りからまだ伸び代を感じだけに期待したい!?

好位で流れに乗った同馬が3着。3番手の外、ペースが遅く、初戦と違ってスムーズに追走。直線で追われ続けるも、右手前のまま、何とか3着確保。1、2着とは適性の差が出た印象で、舞台が変われば??


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