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【七夕賞(G3)回顧~その先へ】血統篇

【七夕賞の結果】
レースは、道中3番手から直線脚を伸ばしたセイウンハーデス(2人気)が、好位のインで脚を溜めたククナ(9人気)に1.1/4馬身差をつけ優勝。さらにクビ差の3着にホウオウエミーズ(13人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、「斤量増馬」に関して今年出走馬16頭中5頭内1頭(1着セイウンハーデス)が馬券に絡んだ。また、「上原博厩舎」管理馬(ガロアクリーク11着)は、惨敗。最後に「戸崎騎手」継続騎乗馬(グランオフィシエ13着)も惨敗でした。

血統面で、「母父サンデー系/日」に注目すると出走馬16頭中10頭内3頭(1着セイウンハーデス、2着ククナ、3着ホウオウエミーズ)すべて馬券に絡んだ。また、「近年はKingmamboの直系が上位を独占」から「父キングマンボ系」に絞ると出走馬16頭中5頭内2頭(2着ククナ、3着ホウオウエミーズ)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、2018年以降、七夕賞で先行した馬が5回のうち4回で優勝。また、4角5番手以内の馬が3着内に好走したのが9頭。基本的に先行馬が有利になりやすいレース。土曜に同コースで行われた特別3レース(芝12、芝20、芝18)の各優勝馬は、すべて4角5番手以内の馬。また、馬券に絡んだ9頭内8頭までが、4角5番手以内の馬。で、今年の七夕賞の馬券に絡んだ3頭内2頭までが、4角5番手以内の馬だった。

【血 統 傾 向】
福島競馬なら欧州スタミナ血統??
父がディープインパクト系、キングマンボ系!!

2023年
1着セイウンハーデス
父シルバーテースト(サンデー系/日)×母父サンデー系/日
2着ククナ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ホウオウエミーズ
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2022年
1着エヒト
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着ヒートオンビート
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着アンティシペイト
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2021年
1着トーラスジェミニ
父キングズベスト(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着ロザムール
父ローズキングダム(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ショウナンバルディ
父キングズベスト(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2020年
1着クレシェンドラヴ
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ブラヴァス
父キンカメ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ヴァンケドミンゴ
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2019年
1着ミッキースワロー
父トーセンホマレボシ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
2着クレシェンドラヴ
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ロードヴァンドール
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米

【血 統 背 景】

セイウンハーデス(牡4、栗東・橋口慎介)は、父シルバーテースト×母ハイノリッジ(母父マンハッタンカフェ)。ペイシャノリッジの半弟でヒルノマドリードやセイウンプラチナの甥。近親にデイリー杯2着ホッコータキオン。オースミハルカやオースミグラスワンも同牝系。父シルバーステートはロベルト内包のディープ産駒でウォーターナビレラやエエヤンやロンなどの父。母父マンハッタンカフェはスタミナ志向の強い種牡馬で、母系の欧州色に父のスピードで中距離に向きで、ニジンスキー5×5らしい伸びのある体躯とストライド。シルバーステート産駒なら福島より新潟外がベター??

3歳時は日本ダービー(11着)、菊花賞(17着)に駒を進めて素質の片りんを示していたが、4歳を迎えて本格化を遂げ、前走の新潟大賞典では2着に好走した。芝2000㍍は1着、1着、2着と抜群の実績を誇り、重賞初制覇へ機は熟した!?

好位にいた同馬は、思惑通りの展開をしっかりモノにした。G1菊花賞でのハイペースを経て、この春、確実に力をつけた。今後、極端に速い時計にならなければ、脚質的にも安定しそうだけに、要注意!?

ククナ(牝5、美浦・栗田徹)は、父キングカメハメハ×母クルミナル(母父ディープインパクト)。母のクルミナルは桜花賞2着で、祖母のクルソラは亜GI2勝馬。ピオネロの姪で、アライバルの半姉。キングカメハメハ×ディープインパクトの王道血統で、舞台は大きく問わず。斬れ勝負よりも長く脚を使う持続力勝負の方が合うので、待たずに自ら動いていく競馬が良い。距離短縮で2000mはいいし、自分のリズムを崩さず走れれば上位に来れてもいい1頭。

エヒトと同様に本馬も「父キングカメハメハ系×母の父ディープインパクト」となる興味深い配合。なお、キングカメハメハ直仔は20年2着ブラヴァス、22年2着ヒートオンビートが好走しており、前者とは母系5代以内でBlushing Groomを持つことにも共通点を見出せる。相手なりに走れることが強みの一族でもあるので、ハンデ戦を存分に活かしたい。

好位につける競馬で流れに乗った同馬は、スロー展開により上がり勝負になれば、ハンデ戦で斤量が軽い牝馬に利があった。

ホウオウエミーズ(牝6、美浦・池上昌和)は、父ロードカナロア×母エミーズスマイル(母父アグネスタキオン)。
母のエミーズスマイルはJRA2勝。クラウンプライドの叔母にあたる血統で、姉のエミーズパラダイスはエンプレス杯で2着というダート一族。父がロードカナロアのスピードとパワー、母系のトニービンやホワイトマズルで距離を伸ばすことに成功。前走マーメイドSは速い流れで前が崩れて後方から差し込んだ3着。上がりが掛かればここでも十分通用してもおかしくないが、雨が降ったら尚良さそうです。道悪は得意。

同じ母の父となる馬には20年3着ヴァンケドミンゴを挙げられるが、同馬とは父系祖父がキングカメハメハという共通点も持つ。また、キングカメハメハとトニービンを併せ持つ配合は、22年1着エヒトなどを出したルーラーシップを想起させるもの。本馬は全5勝が稍重~重の道悪巧者。馬場が痛みやすい福島とあれば、出番があっても不思議ない。

2着馬ククナ同様に、好位につける競馬で流れに乗った同馬は、道中徹底してインを狙っていた。人気薄に騎乗した際の丸田恭介騎手らしい作戦だった。


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