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【アルテミスS(G3)回顧~その先へ】血統篇

【アルテミスSの結果】
レースは、チェルヴィニア(1人気)がスタート良く先行3番手追走のまま直線に入るまで脚を溜め、反応よく追い出されると中団から馬群を捌いて伸び、中団後方から脚を伸ばしたサフィラ(2人気)に1.3/4馬身差をつけ優勝。さらに1/2馬身差の3着にスティールブルー(4人気)が入り、ほぼ本命決着!?

傾向面からみると、まずは「関西馬」が過去10年[6-5-7-37]複勝率32.7%は関西馬の約3頭に1頭が馬券に絡んでいるなか、今年は出走馬10頭中5頭内1頭(2着サフィラ)が馬券に絡んだ。次に「8枠」が5勝をマーク。6~8枠まで含めると8勝を挙げている中、2着7枠8番、3着8枠9番と2頭が馬券に絡んだ。最後に「前走上がり最速馬」に限定すると[4-1-0-0]連対率100%のなか、今年の有力候補チェルヴィニアが期待に応えて優勝した。

血統面で、芝中長距離的なスタミナの血が活きるなかで注目したのは「父か母父ノーザンダンサー系(大系統)」で、まず「父ノーザンダンサー系(大系統)」は、出走馬10頭中1頭内1頭(1着チェルヴィニア)が優勝。次に「母父ノーザンダンサー系(大系統)」は、出走馬10頭中3頭内1頭(2着サフィラ)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、芝は今週から内柵を3メートル外へ移動。傷んだ箇所はおおむねカバーされ、絶好のコンディション。Bコースに替わったが傾向はフラット。内も外も前も後ろも展開次第で上位争いできる。

【血 統 傾 向】
芝中長距離的なスタミナの血が活きる!?
父か母父ノーザンダンサー系(大系統)
ドイツ血統など重厚な血統。ディープ産駒も強い。

2023年
1着チェルヴィニア
父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父ミスプロ系/欧
2着サフィラ
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着スティールブルー
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2022年
1着ラヴェル
父キタサンブラック(サンデー系/日)×母父サンデー系/日
2着リバティアイランド
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父ロベルト系/欧
3着アリスヴェリテ
父キズナ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
2021年
1着サークルオブライフ
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2着ベルクレスタ
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父ミスプロ系/米
3着シゲルイワイザケ
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2020年
1着ソダシ
父クロフネ(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/欧
2着ククナ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着テンハッピーローズ
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父ロベルト系/欧
2019年
1着リアアメリア
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2着サンクテュエール
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着ビッククインバイオ
父キングズベスト(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日

【血 統 背 景】

チェルヴィニア(牝2、美浦・木村哲也)は、父ハービンジャー×母チェッキーノ(母父キングカメハメハ)。ノッキングポイントの半妹でサブライムアンセムのイトコ。母チェッキーノはコディーノの全妹でフローラS勝ち。母母ハッピーパスは京都牝馬S勝ち。ハービンジャー産駒の牝馬で母父キングカメハメハはモズカッチャンと同じで、牡馬ならブラストワンピースやローシャムパークなどが出る好配合。デビュー戦はボンドガールに惜敗し、次走は6馬身ちぎる圧勝。ハッピートレイルズ牝系らしい小脚機動力ではなく、ハービンジャー×キンカメらしいナスペリオン的ストライドで走る。身のこなしは柔らかいし、フットワークも豪快で大箱向き。

6月4日のメイクデビュー東京(芝1600㍍、2着)は、優勝馬ボンドガールが次走の重賞で2着。2着から6着馬がその後に勝ち上がり、3着馬、6着馬は既に2勝目も挙げている超ハイレベルレース。本馬も相当な能力を秘めており、主役の座は譲れないだけに期待したい!?

同馬は、スタートで出遅れたが、ジワッとスピードに任せて先団直後まで追い上げた。直線では外から被されていたが、追い出されると弾くくらいの勢いで加速して抜け出し快勝!! 初戦、2戦目とは違ったレースぶりでの完勝は、今後のクラシックを十分意識させるだけに要注目!?

サフィラ(牝2、栗東・池添学)は、父ハーツクライ×母サロミナ(母父Lomitas)。サリオスの全妹で、サラキア、サリエラの半妹。イトコにフェイトがいて、曾祖母からはセリエンホルデも出るので、シュネルマイスターも同牝系。全兄サリオスとは違いこちらは小柄で無駄肉少なめの牝馬という印象。ハーツ産駒らしくやはり中距離に適性。広いコースは歓迎で、マイルの追走に対応出来れば能力的には十分通用する存在!!

母はドイツのオークス馬。全兄に朝日杯フューチュリティS勝ちのサリオス、半姉にサラキアとサリエラ(ともに父ディープインパクト)がいる良血馬。本馬も非凡な素質を秘めており、先々まで目が離せない!!

同馬は、出脚は良かったが、外枠の分だけ少し下げて前に壁を作りながら、4角でジワッと外を追い上げて、直線で勝ち馬を被せるような形。結果的には勢いの違いで抜け出されてが、しっかり伸びて2着確保。今後、馬体など成長の余地がある中で、現時点では及第点か? 次走急坂がある阪神なら要注意!?

スティールブルー(牝2、美浦・宗像義忠)は、父ルーラーシップ×母レディバード(母父スマートファルコン)。ワンミリオンスやオールポッシブルの姪で、母レディバードはJRA2勝(芝ダ1200~1400)。牝祖ディフィカルトの産駒にテスタマッタがおりダートでの活躍が目立つ北米牝系。父ルーラーシップはエアグルーヴの息子でキセキ、メールドグラース、ドルチェモア、マスクトディーヴァなどを輩出。小柄なマイラー体型で、新潟マイルの上がりのケイバを楽々と抜け出した。機動力兼備の手堅いマイラーも、スケールや将来性では一歩譲るか??

初戦は、非凡な切れ味を発揮して快勝。東京は合うし、あの決め手さえあれば、重賞でも楽しみな存在!?

同馬は、スタート良く3番手の外で前に壁を作れない形。それでも、一旦は抜け出してきて最後まで2着争いまで踏ん張り、3着確保。現状、切れ味勝負は分が悪そうだが、数字以上に強い内容で、次走持続力勝負に期待!?


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