【函館2歳S(G3)回顧~その先へ】血統篇 2 Haya 2023年7月19日 07:00 【函館2歳Sの結果】レースは、中団から脚を伸ばしたゼルトザーム(10人気)が、好位から脚を伸ばしたナナオ(6人気)を差し切って、1馬身差をつけ優勝。さらに3/4馬身差の3着に逃げたスカイキャンバス(4人気)が入り、大波乱決着!?傾向面からみると、「前走未勝利戦1着馬」から今年出走馬15頭中3頭内1頭ナナオが2着入線。次に、「キンシャサノキセキ産駒」は、今年出走15頭中1頭チークタイムは7着。最後に、「中竹厩舎」から今年出走ロータスワンドは15着。血統面で、「ダート1200㍍適性の高い米国血統が向く!?」から「父米国型」に注目すると、今年出走15頭中4頭内1頭ゼルトザームが1着。さらに、「父ミスプロ系/欧」に注目すると、今年出走15頭中5頭内2頭ナナオ2着、スカイキャンバス3着。トラックバイアスからみると、梅雨時の重賞らしく、渋った馬場で施行される事が多く、今年も前線の通過により馬場状態「重」で施行。【血 統 傾 向】ダート1200㍍適性の高い米国血統が向く!?父か母父 Pサンデー系。そのなかでも父か母父が米国型かミスプロ系(大系統)との組合せ。2023年1着ゼルトザーム父ヘニーヒューズ(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/欧2着ナナオ父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日3着スカイキャンバス父ファインニードル(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧2022年1着ブトンドール父ビッグアーサー(ナスルーラ系/欧)×母父サンデー系/日2着クリダーム父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧3着オマツリオトコ父ヴィットリオドーロ(ノーザンダンサー系/米)×母父ノーザンダンサー系/欧2021年1着ナムラリコリス父ジョーカプチーノ(サンデー系/日)×母父サンデー系/日2着カイカノキセキ父キンキャサノキセキ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米3着グランデ父ディスクリートキャット(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日2020年1着リンゴアメ父マツリダゴッホ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧2着ルーチェドーロ父マクフィ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米3着ラヴケリー父カレンブラックヒル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧2019年1着ビアンフェ父キズナ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧2着タイセイビジョン父タートルボウル(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日3着プリンスリターン父ストロングリターン(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日【血 統 背 景】ゼルトザーム(牡2、栗東・加用正)は、父ヘニーヒューズ×母ロザリウム(母父キングカメハメハ)。おなじみのバラ一族で、ローズキングダムの甥でスタニングローズのイトコにあたる。母母ローズバドは重賞2勝でエリザベス女王杯や秋華賞で2着。父ヘニーヒューズはモーニン、アジアエクスプレス、ワイドファラオなどを輩出するストームキャット系のダートの名種牡馬。ヘニーヒューズ×キングカメハメハはアドマイヤルプスやエクロジャイトなどと同じ。同馬は、ダート1000㍍の新馬戦を勝って臨む。出遅れたうえ追走に忙しい面もあったが、4コーナーでスムーズに外へ出すと好反応。勢いよく伸びての勝利だった。芝の適性は未知数だが、将来的にはもっと距離が伸びても、道中の位置取りが課題に!?同馬は、好位の外で流れに乗り、4コーナーで押し上げる勢いは、走りに集中しにくい馬場を味方に。母父キングカメハメハのヘニーヒューズ産駒は26勝すべてがダートで、芝の函館2歳Sで前走がダートだった馬の勝利は、グレード制導入後の1984年以降、初。今回はスピードに乗せて走りにくい馬場状態だけに、今後、時計を要する芝、ダートで注目!?ナナオ(牝2、栗東・小栗実)は、父ロードカナロア×母バイザディンプル(母父オルフェーヴル)。母のバイザディンプルはJRA(ダート1800㍍)2勝で、クリームソーダの姪。父は世界で活躍したスプリンターのロードカナロアでキングカメハメハの後継。母父オルフェーヴルはステイゴールド系3冠馬。母系の前向きさのある構成に、父のスピードも相まってスプリント適性はかなり高そう。小柄ながらバランスは取れているので将来性もあり、新馬の2着、2戦目で勝ち上がりの内容も悪くないのでここでも好勝負に。道悪はこなせると思うので雨が降っても問題は無い!?同馬の母バイザディンプルはダート中距離2勝のオルフェーヴル産駒で、兄弟はJRAダート3勝のクリームソーダなどダート色が強い。ロードカナロアとの配合によって、こちらも時計を要する函館の芝にフィットした。今後は、マイルへの距離延長などは慎重に考えたい!?スカイキャンバス(牝2、美浦・武井亮)は、父ファインニードル×母アポロフィオリーナ(母父スニッツェル)。アポロヴィクトリアの半妹、アポロアリーナやアポロオラクルの甥で、母アポロフィオリーナはJRA3勝(全て芝1200)。牝祖アサクサスケールはクイーンS勝ち、エリザベス女王杯2着馬。母父スニッツェルは豪州で大成功したデインヒル系。父ファインニードルはスプリンターズSと高松宮記念に勝った短距離王。母母父もウォーニングだから、パワーと粘りの短距離血統でまとめた配合。同馬は、美浦トレーニング・センターで年長馬と互角に動き、函館入りしてからも好調教。メイクデビュー函館(芝1000㍍)では単勝オッズ1倍台の1番人気にきっちりと応えて初陣を飾った。レースは出脚がついて逃げる形。調教通りのスピードを見せて最後は2着馬に0秒4差をつける圧倒的なものだった。小柄な牝馬ながらストライドも大きくしなやかな走りをする洋芝向きの血統だし、1000㍍を逃げ切ったがスピードより粘着力に長けるタイプ!?同馬は、重い馬場で逃げて前半600㍍34.7のハイペースを演出し、行き切ったのが大きく、結果的に後ろの自滅を招き、スタミナがあった1、2着馬以外は完封してみせた。スプリント能力と成長力は、晩成の快速血統だけに今後も期待!? ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #競馬 #JRA #血統 #G3 #日刊コンピ指数 #函館2歳S #ナナオ #ゼルトザーム #スカイキャンパス 2