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【サウジアラビアRC(G3)回顧~その先へ】血統篇
【今週のスケジュール】
08日(火)07:00頃 サウジアラビアRC、毎日王冠、京都大賞典
の回顧~日刊馬番コンピ篇
09日(水)07:00頃 サウジアラビアRC、毎日王冠、京都大賞典
の回顧~血統篇
10日(木)07:00頃 日記「術はあるⅡ~その先へ」
11日(金)07:00頃 府中牝馬S、秋華賞の「徹底的にデータ分析篇」
12日(土)07:00頃 飛翼特別の「予想篇」
12日(土)19:00頃 飛翼特別の「回顧篇」
13日(日)07:00頃 秋華賞の「予想篇」
13日(日)19:00頃 秋華賞の「回顧篇」
14日(月)07:00頃 府中牝馬Sの「予想篇」
14日(月)19:00頃 府中牝馬Sの「回顧篇」
15日(火)07:00頃 富士S、菊花賞の「日刊馬番コンピ指数分析予想篇」
個人的に何もなければ、上記通りに更新されます。
【サウジアラビアRCの結果】
レースは、好位から一旦後ろまで下げ、直線で外から一気に各馬を差し切ったアルテヴェローチェ(②人気)が、出遅れ最後方から追い上げたタイセイカレント(④人気)に1馬身差をつけ優勝。さらに1/2馬身差の3着にマイネルチケット(⑤人気)が入り、中波乱決着!?
傾向面からみると、2014年以降の1~3着馬30頭中26頭までが4番人気以内と、人気サイドで決着することの多いレース。今年の結果は、1着2人気→2着4人気→3着5人気。
血統面で注目したのは、「父または母の父がディープインパクト」。出走馬7頭中1頭(1着アルテヴェローチェ)が馬券に絡んだ。単純に「モーリス産駒」に注目。出走馬7頭中2頭内2頭(1着アルテヴェローチェ、2着タイセイカレント)が馬券に絡んだ。また、「ディープインパクトの血を引く馬」にも注目。出走馬7頭中2頭内2頭(1着アルテヴェローチェ、3着マイネルチケット)が馬券に絡んだ。
トラックバイアスからみると、東京芝1600㍍は2コーナー付近からスタート。3コーナーまでの直線距離が500㍍以上あるので、スピードに乗りやすい。その一方、最後の直線も長いうえに上り坂もあるため、相応のスタミナが問われる。
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【血 統 傾 向】
近年は「父または母の父がディープインパクト」となる馬の活躍が顕著
穴をあけるのは母系米国型の馬!?
父サンデー系(大系統)×母父米国型
父ミスプロ系(大系統)
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2024年
1着アルテヴェローチェ
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2着タイセイカレント
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着マイネルチケット
父ダノンバラード(サンデー系/日)×母父サンデー系/日
2023年
1着ゴンバデカーブース
父ブリックスアンドモルタル(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
2着ボンドガール
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父マッチェム系/米
3着シュトラウス
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2022年
1着ドルチェモア
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着グラニット
父ダノンバラード(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着シルヴァーデューク
父シルバーステート(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2021年
1着コマンドライン
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父マッチェム系/米
2着ステルナティーア
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着スタニングローズ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
2020年
1着ステラヴェローチェ
父バゴ(ナスルーラ系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
2着インフィナイト
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父ミスプロ系/米
3着シウンダイモス
父ローエングリーン(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
【サウジアラビアRC 血統背景】
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アルテヴェローチェ(牡2、栗東・須貝尚介)は、父モーリス×母クルミネイト(母父ディープインパクト)。クルミナルやピオネロの甥で、ククナやアライバルのイトコ。母母クルソラはアルゼンチンの3歳牝馬チャンピオン。父モーリスは1600~2000の大レースを勝ちまくった名馬で、モーリス×ディープインパクトはジェラルディーナ、ディヴィーナ、アルナシーム、ルークズネストなどと同じ。モーリス産駒らしいマイラーだが、母のリファール4×4から粘着力も受け継いで、ある程度前々で運ぶレースが合いそうだ。東京よりは中山向き。重より良向き。祖母クルソラはアルゼンチンのG1ウイナーで、伯母のクルミナルは桜花賞2着、オークス3着の活躍馬。本馬は2022年のセレクトセールにおいて9900万円(消費税込み)で取引された期待馬で、先々まで目が離せない。「母父ディープインパクト」は、20年ステラヴェローチェ、22年ドルチェモア、23年ゴンバデカーブースと出走した3頭がそろって勝利を収めて、目下2連勝中。本馬の近親には重賞好走馬も多く、従姉ククナは東京芝1600㍍の重賞でも良績を残した。一方で、日本の重賞では勝ち味に遅い一族でもあるので、対抗として狙いたい!?
同馬は、スタート良く出脚は一番くらい良かったが、抑え込んで集団の後ろまで下げ追走。直線は迷わずに大外へ出して、追い出されると一気に末脚を活かしてまとめて差し切りゴール!? 梢重とは思えない速い時計で、器の大きさを感じずにはいられない内容。モーリス産駒が得意とする東京の持続力勝負も、勝利を後押しした。今年のGⅠ朝日杯FSは京都開催なのが微妙で、例年通り(サウジアラビアRCを勝った馬は朝日杯FSでも好走する傾向)とはならないはずも、展開次第か??
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タイセイカレント(牡2、栗東・矢作芳人)は、父モーリス×母アイリッシュシー(母父Galileo)。3代母Beauty Is Truthは3頭のGⅠ馬を輩出した名繁殖牝馬で、母母Fire Lilyも2~3歳時に愛GⅢを3勝。母アイリッシュシーは未勝利馬も、Galileo×Dansili×Pivotalという欧州の主流血統で、繁殖牝馬としては地方交流重賞常連のキャリックアリード(父キズナはJRA4勝)などを排出。モーリス産駒の本馬はSadler's Wells≒Nureyevの4×3・6などを持つ底力に優れた配合形で、淀みない流れになりやすい中山芝1600㍍がベスト条件か?? 本馬は2022年のノーザンファームミックスセールにおいて7700万円(消費税込み)で取引された。重賞でも素質は引けを取らない。
同馬は、痛恨の出遅れで、少し離れた最後方追走。道中は無理せずに、直線勝負に賭ける競馬で、4角外には出さず間を割るように伸び、ゴール前でグイッと2着。収穫のある内容だった。ちょっと勝ち味に遅い点は、気がかりも現時点では合格点。スタートさえ改善すれば、持続力勝負なら??
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マイネルチケット(牡2、栗東・宮徹)は、父ダノンバラード×母エントリーチケット(母父マツリダゴッホ)。母エントリーチケットは芝1600㍍以下で6勝を挙げた堅実な活躍馬。ダノンバラード産駒の本馬はサンデーサイレンスの血を3×3でインブリードしており、1600㍍前後が主戦場となりそう。瞬発力勝負への対応力も高く、本当に良くなるのはまだまだ先か?? 本馬は気性面の幼さがあり、当日の気配は鍵になるが、母同様に完成度が高く、レースセンスの良さがセールスポイント。
同馬は、スタート良く先手を取りそうな形になったが、譲って3番手のイン追走。レースとしてはいい形になったが、直線での追い比べで最後は少し甘くな3着入線。少し時計のかかる馬場が良さそうだが、このメンバーで3着なら上々か。今後、ダノンバラード産駒が得意とする福島や京都といった直線平坦コースなら2勝目は近い!?