逆噴射小説大賞2020プラクティス ライナーノーツ
なんだ。
まだいたのか。
もう映画は終わった。なにやってる。停止ボタンを押し忘れてぼーっとしちまうタイプのボンクラか。
まあいい。気持ちはわかる。
ただ人生は短い。
大事な決断をする時は、そんな風にグズグズするな。惚れた女が居たら迷うな。いけ。後からその女がお前の告白を嘲笑うとしたら、それはお前に見る目がなかっただけだ。
本当にいい女は、断るにしてもお前の気持ちを一応受け止め、それから捨ててくれる。いい女は捨てたものは振り返らない。出し損なったゴミのことならまだしも、今朝出したゴミ袋のことを気にしてる女を見たことあるか?
大丈夫だ。安心して思いを誠実に、自分の言葉で伝えろ。万が一ってことも、たまたま女がスネ毛さえ生えてれば別に上半身なんてなくたっていいわって気分のこともあるかもしれない。
ああ、女の話じゃなかったな。
おれが期間中に書いたものをいくつかと、最低限の解説を置いておく。
くら寿司で酔っ払わずに帰ってこられたら、あるいはなんか感想とかが届いたらおれはこっちのライナーノーツも追加するだろう。
※くら寿司から酔っ払わずに帰ってきたので以下にすこし追記する。
『百合のスケバン、足立区地獄変』
これは足立区が滅びる、というダサいジョークをどうやったら面白くできるのかと思ってやった。時事ネタは怒られると聞いてプラクティス枠にした。足立区のジョークは特に面白くならなかった。
得体の知れない兄貴分、姉貴分、というものの内面が描かれる作品というのはどれも素晴らしいとおれは思う。
これについては足立区滅亡アンソロジー公式がポシャったので、当分は眠らせておく。いつか続きのようなものを書くかも知れない。崑崙山柊子という姐御は一言しか喋ってないのに強キャラ感があっていい。こいつがどんなやつなのかは判らないが、すでに好きだ。
これは同じモチーフ。意見を聞きながらディテールアップする過程を書いたら、書く方も、そして見る方もなんかの勉強になるかなと思ったのだが、群像的なやつは800字では難しいなと思って挫折した。もうちょい長く書ければまあまあ面白くなる気はする。テーマは「強い女」だった。
クソの役にも立たないゴミクズみたいな、憎悪するにも値しないアンポンタンを巡って、それぞれの思惑で争奪戦が始まるというのはたいへん面白いとは思う。
それぞれの思惑が全然違うのに奪い合うというのは、陣営ごとに他の陣営を出し抜くために一時協定とかその辺の入り乱れる何かが、既に面白い予感がする。
警察は、どんだけバカでも市民の保護が至上。エイリアンはメンツのために無礼したやつをぶっ殺すのが目的。どっかの企業はボスの内臓のバックアップ体なので無傷捕獲がミッション。ヤクザは無関係だけど婦警に弱みを握られてるので巻き込まれる(かわいそう)。殺し屋は仕事だけど末っ子は婦警に片思い中なのでやりたくないけどアニキが怖すぎる。たぶん機械生命体の目的が、なんかの鍵になるんだろうな。世界の危機的なやつ。ゲノム情報とか、タイムパラドクスとかそのへんだろ(適当)。
ただ、どうやったって800文字にはおさまらない。やめて正解だったとおれは思う。
空飛ぶギロチン部隊が出てくればパルプ、という裏情報を教わって書いた。アイドルとか相撲とか、その辺を混ぜたらいけんだろという。なるほどパルプ。考え方そのものがパルプ。
書いたあと、今さっき初めて読み返したけどこれは、その、ひどいな。たださすがはおれの書いたものだけある。関取が機外に吸い出されたのは、事故ではなく、ちゃんと出撃だったようにも読めるな。
ただ一つの難点は、空飛ぶギロチン部隊というのがなんなのかおれには全く判らんというところだ。完全なる想像で書いた。よく判らんが剣呑な部隊のマスコットキャラを務めるアイドルが、部隊のことを理解していこうと頑張る話であれば読んでみたいと思う。思わんか。なあ。
まあ、まだ夜まで少しある。お前もまだ、クーポンを使い尽くしてないのなら何か書いてみるといい。名指しで投げてくれればたぶんおれはそれを読むよ。たぶん感想も言う。
今度こそ、じゃあな。
寿司を食え。リボ払いも忘れるなよ。
*****
なんだ、まだ残っていたのか。
よくよく暇だな、君も。
んん、まあいい。暇なのはわたしもおんなじだ。暇だからひとつ、話をしようか。この作者が書いてる別の小説の話だ。
このわたし、メアリ・ハニカムウォーカーの活躍を描く小説さ。『ハニカムウォーカー、また夜を往く』というのがそのタイトルになる。
え?自分で活躍とかいってて恥ずかしくないのかって?
ンフフ。そりゃ恥ずかしいよ。野暮だな、君も。だけど大人の世界には色々あるんだ。
わたしは仕事の前にはきちんと準備をして、しっかり睡眠も取って、道具の手入れだってするが、小説を書くような人はその辺がてんでなってないんだな。いくら説教したって次の日にはケロリだ。
だから、ほら、よくあるだろ。登場人物と作者の掛け合い、最後声を合わせて『(せーの)ぜひ読んでください!』ってやつさ。
アレくらいの辱めを与えないと目が覚めないんじゃないかと思うんだよね。
まあそんなわけでこのnoteユニヴァースに来てみたんだけど、いるのは作者じゃなくてなんかソンブレロ被った髭のおっさんだし、なんか机に脚を乗っけて寝てるし、なんだかやる気がなくなってきてしまった。
まあともあれ、その、いまから紹介する小説の冒頭の第一章はこんな感じでわたしが喋っているのをひたすら聞いてもらうことになる。
とくべつ話芸に自信があるわけではないけれど、退屈しのぎにはなるはずさ。大抵わたしの話を聞いてくれる人は、他に娯楽のない状態のことが多いからね。リスナーはひとり、パーソナリティもひとり。まあまあ豪華なプログラムといえるかも知れない。
お望月さんが発明してくれたけど、iPhoneなんかに搭載されている、テキストの自動読み上げって手もある。試してみたけど案外面白かった。洗い物をしながらちょっと聞いてみたりしてほしい。
ああ、声優志望の方は、朗読をラジオドラマみたいに収録して公開してもらっても構わないよ。こういうのは早い者勝ちだ。映像化したときの声優にはわたしからも推薦状を書いておくよ。クレジットさえきちんと入れてくれればわたしは一向に構わない。
話がズレてしまったね。
なんの話だったっけか。そうそう。紹介したい小説の話だったね。『ハニカムウォーカー、また夜を往く』というのがその小説のタイトルだよ。
ほら、ここにリンクも置いておく。
普段は「小説家になろう」に連載しているんだけど、あれ、あんまりインターフェイスが良くないよね。
だからある程度貯まったらカクヨムに移植しているみたいだ。好きな方で読んでくれて構わないし、なんなら更にまとめてこの、noteユニヴァースに移植させてもいい。その辺りは要望次第みたいだね。よく知らないけどさ。
ああ、リンクを貼り忘れるところだった。
↑がなろう版、↓がカクヨム版だ。読んでもらえると作者が喜ぶみたいだよ。それではね。
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