「今年こそ」3年4組 繰返崎 ルイ
こう書くのはもう何度目だろうか。
何度目だろうと私は再び強く主張したい。素晴らしい高校生活だった、と。
特殊な体質である私は、初めはクラスに馴染めるか不安だったがそんな心配は杞憂だった。転校してきた初日、何度目だろうと、一度たりとも億劫がることなく話しかけてきてくれたクラスメイトの斬込山には感謝してもしきれない。
彼女が切り開いてくれた学園生活は本当に楽しかった。
何度か繰り返すうちに、古森ヒキをいつ頃、どう誘えば学校に再び来てくれるようになるのかのタイミングもわかってきた。
林間学校の大火災を止めるのも難しくはなかったが、これについては敢えて止めなかったほうが学園生活が充実することに気付いて以来、被害を軽減することに注力することにしている。これについても、身をもって示してくれた道半先生のご遺族にも万感の思いがある。
今回悔いが残るのは、やはり化学室でのウラヌスガスの汚染事故のことかと思う。大分安定して再現できるようになってきたが、3回のうち1回はどうしても失敗してしまう。今回はいつもより多大なご迷惑をおかけしてしまったが、私を庇ってくれた教職員の方々や犠牲になった地域の方々にはこの場を借りてお詫びと、そして感謝をお伝えしたい。
その心に報いるためにも、次回は私の通常の高校生としての充実を全て捨て、完全なガス開発のために3年間を捧げたいと思う。
色々なことがあったが、いつも、九割以上の確率で私は心から満足した高校生活を送ってきたと断言できる。勿論、今回もその例から漏れない。旧友、諸先生方、地域の皆様に最大限の感謝をもって今回も文集を締めたいと思う。
本当に、ありがとうございました。
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