ラクナ梗塞②
久しぶりの投稿になります。
今回は脳梗塞の中でもラクナ梗塞についてお話しします。
「ラクナ」はラテン語で「小さなくぼみ」という意味です。
その名の通り、脳の血管は太い主幹動脈から枝分かれした細い「穿通枝」という血管へ流れていきます。15ミリ以下の、この小さな穿通枝が詰まってしまうことにより、脳梗塞となってしまいます。
症状は軽度であることが多いです。
しかし時折 BAD type(Branch-Atheromatous-Disease)と診断されることもあります。
BADとはラクナ梗塞が血管末梢部の梗塞に対し、BADは血管起始部の梗塞となり、数日の間に症状の増悪を認めます。
好発部位として
①基底核~放線冠(レンズ核線条体動脈領域:LSA-BAD)
②橋(傍正中橋動脈領域:PPA-BAD)
挙げられますが、臨床的には①をよくみることが多い印象です。
また①の方が予後は不良であると先行研究では言われています。
画像所見では
①DWIにて上下方向へ伸展している
②基底核~放線冠レベルでの画像で3スライス以上
と明らかな病巣の拡大を認めます。
私の印象では、入院時は軽度運動麻痺(BRS:Ⅴ~Ⅵ、SIAS-M:4ぐらい)の人がBRSⅡやSIAS-M:2まで悪化を認めることも多いです。
BADまとめ
①急激な麻痺の進行
②臨床では放線冠に多くみられる
③LSA-BADの方が予後不良
明日からの臨床に生かせることが出来たら幸いです。