ハワイ不動産の「びっくり」〜借地権編〜
日本でも見かける「借地権つき不動産」。
もともと王政だったハワイでは、
その名残でまだまだ「借地権つき不動産」が多く残っています。
アメリカで「借地権つき不動産」が残っているのは、
多分ハワイ州だけだと思います。
借地権の場合、借地期間が終了し、
土地所有者が「もう土地は貸さない」と決定したら、
ユニットを所有しているオーナーは、
そのユニットを全て土地所有者に返却しなければなりません。
その際、契約内容若干の費用を受け取ることができる可能性もありますが、
基本的に「買取」ではないので、金銭的な見返りを受け取ることなく、
そのまま返却して出ていかなければなりません。
借地期間が長く残っていて、
しばらく安泰、という場合でも、
借地料は大体10年ごとに見直しされ、
大概は値段が上がっていくため、経費がかさみます。
要するに、借地権付き物件はリスクが伴います。
なので、借地権付きの物件は、土地所有権付きの物件に比べ、
格段に安いのです。
借地権付きの不動産、というだけでも頭痛いのに、
ハワイには、わかりにくい「サンドイッチリース」という
借地形態もあります。
この「サンドイッチリース」は、
それこそハワイにしかなく、非常にユニークな形態です。
今回は、このわかりにくい「サンドイッチリース」が引き起こす、
「売りたいのに売れなくて、とっても困るケース」
をご紹介。
1970年から1980年にかけて開発されたコンドミニアムは、
土地所有者から土地を「借りて」開発を行なったケースが多く、
その際に土地を借りた開発業者や、
開発業者と土地所有者の間に入って開発手続きの手伝いをした第三者が、
「サンドイッチリース」という名前で、
土地所有者と各ユニットの購入者の間に入り、
両方とリース契約をしている場合があります。
土地所有者と、各ユニットのオーナーの間に入っている、
「サンドイッチ」みたいな形なので、
「サンドイッチリース」と呼ばれるわけですね。
こういったサンドイッチリース付き、借地権付きの物件を買うと、
ユニットのオーナーには、
借地料と、サンドイッチリース料の
2つの「料金」がかかってきます。
ワイキキには、数は多くありませんが、
こういった「サンドイッチリース」が付帯している
コンドミニアムが残っています。
完全土地所有権付きでも、
サンドイッチリースだけ残っている場合があり、
その場合、サンドイッチリース料を支払わなければなりません。
また、このサンドイッチリース契約の事実を
権利書(タイトル)に記載しなければなりません。
ですが、「完全土地所有権付き」なので、
このサンドイッチリースのリース契約が見落とされ、
前のオーナーと土地所有者とのリース契約が
記録上、そのまま残っている場合があります。
つまり。
権利書に「間違った記載」がされているということになります。
そうなると、売りたいと思っても
権利書に間違いがあるため、
売れないのです。
今、まさに売却したいけれど売却できないというケースを扱っています。
しかも10年経ってから発覚した、というケースです。
ハワイに住むアメリカ人でも、
物件購入後に、権利書の記載の詳細確認を行うことはまずありません。
ほとんどのオーナーは、
売却するときが来るまで、
もしくはオーナーが結婚したり、離婚したりして
名義が変わる場合以外は、
ほとんどの場合、詳細確認は行いません。
では、問題が発覚した場合、
どうしたらいいのでしょうか?
基本的には、
登記を担当したエスクロー会社にクレームを入れ、
タイトル保険を使って、
エスクロー会社に訂正してもらうことになります。
この手続きに、最低2、3ヶ月はかかります。
めんどくさ〜〜〜い!
本当につくづく思います。
ハワイで不動産を購入するときは、
できるだけ「完全土地所有権付き」の物件を選ぶのがベストです。