実話編:不動産を買う時は奥さんを味方に
分譲マンションを販売していた時、一人のアジア系アメリカ人のおじいさんがお部屋を買いにやってきました。
混んでいたので、おじいさんには、
「申し訳ありません、今契約される方がたくさんいて混み合っていますので、2時間ほどお待ちいただかないといけません。2時間ほどしたらセールスオフィスにお戻りいただけますか?」
とお伝えしました。
するとおじいさんは、こう言いました。
「モデルルームで本読んでていい?」
どうぞどうぞ、ゆっくりしてくださいね、終わったらお迎えにいきますね、と言って数時間が経ちました。
モデルルームに行くと、おじいさんは大きないびきをかいてソファで寝ていました。
おじいさんは、このマンションの一部屋がとっても欲しかったので、ずっと待ってくれていたのです。
「おじいさん、お待たせして申し訳ありませんでした。どのお部屋が一番ご希望に合うか、一緒に検討させてくださいね。」
そこで長い時間いろいろ説明して、結局小さいけれど陽当たりの良いお部屋を選んだおじいさんは、ニコニコしながら契約書にサインをして帰って行きました。
その日の夜の11時。私の携帯が鳴りました。
「ちょっと!あんた!うちの主人にこんなもの売りつけて!一体どういうつもりなの!!すぐキャンセルしてちょうだい!!!」
と、すごい剣幕で奥さんから電話がありました。セールスオフィスにいらっしゃった時おじいさんはとてもハッピーだったので、訳がわからず、ご主人に電話をかわってください、とお願いすると、受話器を渡されたおじいさんは小さな声でこう言いました。
「。。。ごめんね、そういうことなんで。明日オフィスにキャンセルに行きます。。。」
翌日、うなだれた感じでおじいさんがやってきました。
よくよく話を聞くと、奥さんに相談なく勝手にセールスオフィスに行って、勝手に物件を決めて、勝手に契約書にサインをしたのが、奥さんの逆鱗に触れたそうです。
「事後報告など言語道断!」と奥さんにきつく叱られたそうな。
キャンセルの手続きをして、おじいさんを出口までお送りすると、おじいさんは悲しそうにこう言いました。
「ボクね、一人になれる自分だけの空間がね、欲しかったんだ。」
ああ。。。おじいさん。。。
日本でもそうだと思いますが、ハワイでは、住宅を選ぶ時、女性の意見が重要視されます。投資物件でも、住宅は人が生活をする場所なので、女性の意見は重要です。小ぶりでも不動産となると大きな投資になるので、奥さんにも最初にお話をしないといけません。
住宅不動産を購入するときは、投資物件だとしても、最初から奥さんにきちんと話に入ってもらわないと、どんでん返しになるケースが多いのです。
逆に、ご主人が渋っていても、奥さんがとっても気に入った、という場合は、大抵の場合、購入につながります。
不動産購入をスムーズに進めるには、まず奥さんの了解を。
これ、ポイントです。
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