公証手続きとハーグ条約
ハワイの不動産を売買するときに、名義を移すための「道具」となる書類、Deed(譲渡証書)をハワイ州の登記所に提出して登記をしなければなりません。
その譲渡証書には、売主と買主本人がサインをしなければなりませんが、本人確認が非常に重要ですので、「公証手続き」が必要になります。
この公証手続きはアメリカ国内だとエスクロー会社はもちろん、銀行やUPSストアなどに「公証人」がいるので、比較的簡単に手続きが行えます。
ですが、アメリカ国外で、アメリカの文書を「公証」する場合、なかなか厄介です。
アメリカ国外で公証手続きする場合、一番確実なのは、アメリカ大使館または領事館での公証手続きです。ですが、最近は在日本アメリカ大使館でアメリカ市民以外の方の公証手続きも再開したようですが、まだ予約するのに時間がかかるようです。
日本の場合は、実はハーグ条約により外国文書の認証が不要となり、アポスティーユという文書を添付することで、アメリカ大使館や領事館での認証がなくても、公証文書を提出することが認められています。
ですので、アポスティーユ発行が可能な「国際公証役場」であれば、ワンストップで(つまり日本の公証役場で公証してもらった書類を外務省に持ち込んで外務省にアポスティーユを発行してもらうという手間が省けます)譲渡証書の公証手続きをしてもらえます。
ではハーグ条約に則った公証手続きについてちょっと説明しましょう。
公証手続きに関する条約としてのハーグ条約とは、「外国公文書の認証を不要とする条約」です。アポスティーユという付箋文書を添付することで、日本にある大使館または領事館の領事認証があるものと同等のものとして、提出先国で使用することができるという条約なのです。
この外国文書の認証不要条約としてのハーグ条約、またハーグ条約に加盟している国の一覧については以下日本国外務省の公式ホームページをご覧ください。
注意事項として、このアポスティーユを発行できる、いわゆる「ワンストップ」で公証手続きを完了できる公証役場は、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪にしかありません。
その他のエリアの公証役場で公証手続きを行った場合は、その公証してもらった譲渡証書を外務省に郵送し、アポスティーユの発行をお願いしなくてはなりません(下記のリンクで流れをご確認ください)。ですので、遠方の方には面倒ですが、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪にある「国際公証役場」に出向いていただき、一回で公証手続きを完了する形をとったほうがいいでしょう。
外国文書の公証手続きの流れはこちらから。
今日はあまり馴染みのない「外国文書の公証手続き」についてでした。