5分で終わるはずの14世代CPU交換が、28時間もかかった話。
CPUをね、買ったんですよ。
CPUってなんだかご存知ですか?
CUPじゃないですよ、CPUですよ。
誰もCUP数の話なんてしてませんからね!
CPUとは、いわゆるパソコンの脳の部分を担当している、パーツの一種ですね。
で、この度自宅に届きましてね、ウキウキワクワクの中、早速セットしてみたんです。
CPUセットは、ものの5分で終わりました。
ほんと、あっという間でしたねぇ。
PCのカバーを外して、CPUクーラーを外して、CPUを外す。
で、新しいCPUをセットして、CPUくらーを付けて、カバーを付ける。
こんだけ。
「こんなに簡単に終わってらくちんだなぁ~みんなもPC自作すればいいのに」
と、セットしながらそんなことを思ったものです。
「じゃあじゃあじゃあ、どんだけサクサクになったか見てみんべかねぇ…」と舌なめずりしながら、PCケースの上部にある電源ボタンを、人差し指でぽちっと押します。
………
ここから、地獄のような時間が過ぎて行ったのです。
電源が入らないPC
電源をぽちっと押した後、PCが起動するのをじっと待ちます。
1分、2分、3分…
おかしい…いつもだったら十秒程度でPCが起動するのに、今回は全然動かない。てか、ディスプレイに何にも出力されないんだけど。
僕は訳が分からず、とにかく何度も何度も電源を入れなおします。
けれど、いくらやっても起動しないんです。
意味が分かりません。
いつも通りにパーツを付けただけ。CPUを付けただけなんです。
もしかすると接触が悪いのかな?と思い、CPUを外してはつけ、外してはつけします。
ですが、PCはうんともすんとも言いません。
僕の頭の中に、「これはもしかするとヤバいことが起きてるかもしれない」というイメージがよぎり始めます。
ここまでで、1時間が過ぎていました。
CPU交換でのトラブル事例を探す旅に出る
とにかく行き詰った僕は、インターネッツに助けを求めます。
起動しない原因がさっぱりわからないので、何から調べればいいかわからず、とにかくCPU交換の時に起きたトラブルについて片っ端から探し回ります。
Youtubeも見たし、ヤフー知恵袋も見ました。
価格ドットコムの口コミ掲示板まで見まくりました。
なんなら、グーグル検索で出たAIの回答も目にしました。
(AIの回答があまりに役立たずなのでスルーしましたが
よく書いてあるのが接触がどうしたとか、配線の問題とか、再起動すればいいとか。
しょーもない回答ばかりが並んでて愕然とします。
もっとクリティカルな解決法を探します。
その中で一つ、CMOSをクリアしろ、という回答がありました。
CMOSって何ぞや?なんだかわからないけど、とにかくやるしかありません。
そもそもCMOSクリアってどーすればええんか?
CMOSについて調べると、マザーボード上に搭載されている半導体メモリの事を言うそうで、パソコンのBIOS(バイオス)に関する情報を保存しているそうです。
調べていくうちに、どうも旧CPUから新CPUに換える際、BIOSを最新にアップデートしておかないといけない場合がある、と書いてありました。
それが、アップデートせずにいきなりつけてしまったので、バグったような状態になったっぽいんですよね。
ですので、そのバグを解消するのにBIOSを初期化する必要があって、このCMOSクリアをすればそれができる、ということらしいです。
なるほど理屈はわかった。
で、肝心のCMOSをどうやってクリアすんの?
もはや何度目かのPC内部をくまなくチェックする僕。
そもそも、そのCMOSとやらがどんな形をしているのかすら知りません。
「こちとら老眼で近いものが見えないんじゃボケー!」とキレ散らかしつつも、懸命に探します。
けどよくわかりません。
すると、どうやらグラフィックボードの下に隠れている、ボタン電池を抜くことでCMOSクリアができることが分かりました。
グラボの下に隠れている部分を、目をうーんと凝らしてみると、確かになんかそれっぽい所があります。
グラボ外すのだるいなぁと思いつつも、背に腹は代えられません。
道は一つしかありません。進むしかないのです。
ガチャガチャとグラボを外すと、出てきましたボタン電池。
こいつをべこっと外します。
一説によると、1分ぐらい外した後に付ければ、CMOSがリセットされるらしい。
ので、1分を待った後、再度つけてみます。
こんな感じでグラボもぶっ差します。
で、PCスイッチおーん!
…………
…………
しーーーーーーーーん
パソコン弄ってたら朝昼抜いて夕方になってしまった
お腹が空いた。
とにかくお腹が空いた。
けど、PCはこれっぽっちも動かない。
そうこうしているうちに、気づけば17時を過ぎていました。
この”5分で終わる想定の簡単なお仕事”を始めたのが12時過ぎ。
およそ5時間が経ってしまっていたのです。
「流石に何か食べんと身体がもたん…」
朝起きてから今まで、食べたものは小さいパン二切れと、カフェオレ1杯飲み。あ、豆乳オーツも食べたっちゃあ食べたか。
とはいえ、お腹に貯まるものは何一つなし。
らちが明かないのと、コードというコードを全部抜いて、CMOSリセットの電池も抜いて、数時間放置すると治った…という事例を見つけたこともあって、一旦食事に出かけます。
この日やったことと言えば、朝モーニングノートを書いたのと、本を1時間だけ読んだぐらい。あとはずーーっとPC弄りしているだけ。
生産性あることなんかやったかワシ?
だもんでノーパソも持ち出し。
食事したあとスタバに籠ります。
で、家を出て3時間。
お家に帰ってきました。
さぁ、CPUと2回戦、おっぱじめようかぁ!
CMOSリセットするためにいよいよマザーボードの構成図面を入手するおじさん
3時間以上放置したんだから、当然PC起動しますよねしませんでした!!
何にも変わってません。3時間も待ったのに。
何の変化もありゃしませんでした。
そもそも、PCって電源ボタン押したら動くんだっけ?という疑念ももちつつも、気を取り直してまたインターネッツの世界に飛び込みます。
調べていくと、ボタン電池を抜かなくても、CMOSクリアができる方法があることが分かります。
ひとつはCMOSクリアボタンを10秒以上おしっぱなしにすること。
もう一つは、CMOSジャンパピンを短絡させること。
「なるほどなるほど…クリアボタン簡単そうだな…で、どこにあんの?」
どうやらこのボタンは、マザーボードによってあるなしがあるそうです。
どうも、見た感じなさそう。
そもそも、マザーボードの基盤構成?の図面とかないんかい?と思った僕は、探しに探してマザボのメーカーHPから、基盤図面を入手します。
この辺になってくると、僕は研究者かなにかか?と思い始めましたが、まぁ気にしないことにします。
図面を見たいなら、各マザボのメーカーHPに行っていただいて、使用してるマザーボードの品番を打ち込むと出てきます。
やってみてくださいな。
僕が使っているマザーボードの品番はこちら。
【Gigabyte B660M DS3H DDR4 ドスパラ限定モデル】
いい加減調べ過ぎて品番覚えてしまった…
で、どうもクリアボタンが無さそうってことが分かりました。
や、どっかにあるのかもですが見つけられなかったが正解かも。
そしたらもう一つのジャンパピンの短縮を試してみます。
これはどっかのマニュアルで書いてあったのですが、どこから見つけたか不明。
とかく、二本のピンみたいなのが突き出ているので、そこを伝導性がある何かで橋渡ししてあげるとショートしてリセットされるらしい。
うちのマザボだとこれ。
まるで囲ったところに2本のピンがあるのですが、これをドライバーで橋渡しをしてリセットしました。
なんかそのすぐ下に、CLR_CMOSって書いてもありますね。
で、こんだけ手間暇かけてやった結果はというと…
もちろんうごかなEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!
絶望の中、一筋の希望の光が…
気付けば夜中の23時過ぎ。
もう半日が過ぎようとしています。
ついに最終手段として、BIOSをフラッシュメモリから最新版にする、というテクニックもぶちかまします。
BIOSのバージョン違いによって新CPUが動かないということは、じゃあ最新にしとけばとりあえずは良いわけです。
方法としては、フラッシュメモリを使います。
最新BIOSをマザーボードのメーカーHPからダウンロードし、フラッシュメモリに解凍。そしてそのメモリを新CPUに替えたいPCのUSBスロットにぶち込みます。
電源を入れたらDELキーを連打します。
これをやると、よくわからんUIが立ち上がるそうです。
BIOS セットアップマニュアルに書いてありました。
その画面の事を、BIOSセットアッププログラムって言うらしい(今調べた
まぁそれをやっても、ディスプレイに何も出ないんですけどねっ!
何をやったかわかりませんが、その後も色々いじくりまわします。
グラボの電源元からいったん抜いて放置したり、メモリを抜き差ししたり。
それをしばらくやってると、ある時ぽん、とプログラム画面が出たんです。
流石の僕も、たったそれだけで感動しましたよね。
なにしろ、今の今までディスプレイがうんともすんとも言わなかったものですからね。
ここからQ-Flashユーティリティにアクセスします。
その中で、適当にやったらフラッシュメモリを選択できたので、そこからアップデートをします。
この辺の画像キャプチャしとけばよかったですね…キャプチャできなくね?って今思ったけど。
とにかく無事にアップデートは完了します。
とりあえずずっと旧CPUを装着しアレコレやっていたんですが、アップデートは完了したものの、それでも動きません。
本当に困り果てました。何しろ最終手段今使いましたからね。
で、もう明日へ持ち越しかな…そう思っていた時、ふとネットでメモリーカードを最小にして、かつ2番スロットに入れると良いみたいなことを見つけました。
なんで2番なのかはわかりませんが、まぁ試しましょう。
どれが2番スロットなのかわかりませんが、とにかく端から2個目に16GBのメモリをぶっ差します。
すると…………
PCが起動した!
PCが起動しなくなった理由はメモリにあり?
ここから僕の仮説が入ってきます。
BIOSを最新版に更新することなくCPUを変えたので、何かメモリがバグった可能性。
とかく、最小のメモリ構成で起動はした。
ということは、このメモリが最終的に悪さしてるんじゃないか。
つまり、このメモリ周辺をいじれば、新CPUでも動くかもしれない…
こう考えたんです。
でも、時刻はまもなくてっぺんを過ぎます。
流石に今日はもう限界。
とにかくPCが復旧したのは進展なので、後は次の日に考えることにしてここで就寝となります。
CPU交換2日目
CPUを交換し始めて2日目。
昨晩の進展により、実はもうほとんど勝利が確定していた気もします。
つまり問題はメモリにあったと。
シングルメモリぶっ差しだと動いたってわけです。
ということは、その構成のまま、CPUだけ交換すればうごくんじゃね?という仮説です。
ただ、この日はとにかくやることをやってから挑むことにします。
てことで、午前中はルーチンをこなし、昼ご飯を食べ、色々と今日やるべき作業を終わらせます。
流石に時間がかかりましてね、結果夕方4時は過ぎてしまいました。
まぁしゃーなしです。
やること全部やったので、「よし、やるぞ!」と鼻息荒く意気込みます。
行ける…とは思ったものの、もしこれでうまくいかなかったらどうしよう…と一抹の不安を抱えて、CPUを交換します。
構成は昨晩と変えないまま、CPUだけを入れ替えた状態です。
その状態で、電源をぽちっとな。
——と…
うぉおおおおおおおおおおおおおおおおっっっPCが起動したやったあああああああああっっっ!!
こーれ、流石の僕も、本当に安心しました。
これで動かなかったら、もう本当にお手上げです。
てか、この時点でもう28時間以上かかってます。
CPUを1つ交換するために。
終わってます、マジで。
で、ここからさらにメモリの調査をしてみることに。
基本情報としてはこちら。
新CPU:Corei5-14500。
メモリ:48GB(16gb×2+8gb×2)
メーカー:両方クルーシャル
これを踏まえたうえで、メモリの差し抜きでどんな状況になるかを調査しました。すると、あることが分かります。
8gbのメモリを差すと、PCが起動しなくなりました。逆に16GBのメモリは2枚差し(スロット1と2の隣同士)で動きます。
そこで、もう一つ。この16GB×2枚が刺さっている状態にプラスして、8GBのメモリを混ぜ込むと起動しなくなります。
ということは、この高いメモリと低いメモリで干渉してしまっている状態なのかも?と結論付けました。こんなことがあるんですね…
えーここで速報です。
今調べたところ、8GBの方のメモリはメモリ機能としてECC非対応とのこと。逆に16GBの方は、記載がなかった=ECC対応してるってことかなと思うのです。
ということは、これが悪さしていた可能性がかなりありますね。
調べてみると、この対応非対応のメモリを混在させると、動かないって話も目にしました。なるほど、とするとこの線がかなり熱いかもしれません。
でもふと思ったんですけど、今までこの状態で動いてたんですよね…なんでなんだろう。無理やり動いていたけど、その代わりなんか速度が遅いとかそういうのがあったのかもしれません…体感できないだけで。
いやはや、謎は深まるばかり。
結果は無事PC起動!!
CPUの交換が、まさか24時間以上かかるとは思いませんでした。
それもこれも、ノリと勢いで交換しようとしたせいですね…
いやー、いい勉強になりましたよ。
と同時に、PCについてかなり詳しくなれた機会でもありましたね。
うーん、我ながらポジティブすぎィ。
今後は、パーツを交換する、または購入する際は、その辺の相性問題も考えたうえで選んでいこうと思います。
このネタがもしかすると参考になる人がいるかもしれないので、note化しました。うまい事解決できると良いですね!
しかしそれにしても……
確かに勉強にはなったけど、とにかく本当にしんどかったっす…
疲れすぎた\(^o^)/
ちゃんちゃん。
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