Ⅱ. 忘れたくない恋をした
振ったサイコロの目はきっと3くらいだったと思う。
結果を書くつもりはなかったけれどとりあえず一度言語化しておきたいと思った。デジタルに残しておくかは分からないけれど。良い時間を過ごせたと思うから、ちゃんと書く。頑張って思い出して、たくさん書く。
*
結果
結果を言うなら、あまり成果を出せなかったように思う。
ここで成果って何?と聞かれたら、ここでの定義は一応紹介したいと思っている人について話すのと、私が一方的に告白の予約?を高校生の青春というパワーでしてしまった問題を解決することの2つ。詳細は上記のnote。
前者の方は話していてタイミングが今じゃないなと思ったので軽くしてほぼほぼ0に近い。きっと0.いくつの世界くらいで微々たるものだった。
後者については0。そもそも恋愛の話をしていない。私がその類の話が得意ではないから、というのもあるけれど、そういう話を異性間でするのは少しタブーがある気がする。する関係ってよほどの信頼関係があるか片方もしくは2人が恋人関係を望んでいるときとか?
普通に高校の話をしつつ大学生活何やってる、進路はどうするとか当たり障りのない話をしていた。私からしたら放課後に女友達と駄弁っていた、そんな感覚に近かった。普通に楽しかった。
カフェでの時間
でも世間の人から見たら恋人ぽく写っていたのかもしれない。人目を気にするというよりかはいろいろ考えてしまう。なにかと考えすぎて辛くなってしまうことが私はきっと人より多い。
さて本題に移ろう。「パンケーキを二人で分けて食べた」これはセーフかそれともアウトか?私が変に気にしすぎているだけなのか、、?
近年甘いもののキャパが段々減っている私がこのパンパンのパンケーキを一人で食べれる訳もなく、彼もお腹を空かせた状態で何か食べなければいけない状態であったので両者ウィン・ウィンだったのは間違いない。
それに提案したのは確か彼だった‥よね?パンケーキでも食べる?って。私夜予定あるし(高校時代の女子グルでご飯を食べる)甘いものそんな食べれないよと答えたら、2人で分けて食べるのはどう?って。
そして取り皿をもらって食べていたからこれはセーフ?この場合もらうのが普通?それに最初2人で生クリームをつついていたのはセーフ?アウト?どっちなんだ、前者であってほしい。
‥というよりパンケーキの提案が奇想天外すぎて本当にびっくりした。久しぶりに食べたと言っていたけれど、私からしたら彼がパンケーキを食べるのがシュールで逆に面白かった。
普段玄米と味噌汁、主菜、副菜のバランスの良い食事、プロテインやサプリでジム生活に合わせた食事管理。そんな人がまさかねぇ、パンケーキを食べるとは。いわゆるチートデイっていうやつ?
私はてっきりハンバーグを食べるんじゃないかと思っていたから本当にびっくりした笑。お昼ご飯食べてないって言っていたし。お腹減ってるのは辛いじゃん?
もしかしたら彼のことだから私に合わせてくれたのかな?カフェに入る前にイチゴの食べ放題のお店の前を通って、イチゴ美味しそ〜!と言っていた私の言葉を聞いていてくれていたのか、迷わずに種類でイチゴ勧めてくれたから。その優しさに感謝しますわ。
最後の一枚を半分に分けたとき、何気の方を大きくしてくれたのも嬉しかった。
将来について話して
高校や大学、進路について話しつつ夢の話もした。私はいちおう夢というものを持っていたけれど彼は持っていなかった。志高く努力している彼のことだからあるんだろうなと思っていたからアレ、そうなのと驚いた。
そして彼は人生を辛いものだと言った。そこは私と考えが正反対で意外だった。現実的だった。記憶の中の彼と実際の彼、一部分だけの彼と更に見えた新しい彼。
そのギャップに、違いに、理解するのに多少の時間を有した。受け入れるにはもっと時間を有した。段々お腹の中に生クリームが詰め込まれてずっしりとしてくるように時間が流れた。
だからと言ってそれに対しては何も言わなかった。とりあえず違いを受け入れることに徹した。世の中には異なる価値観の人がいるという事実を受け入れる努力。
香りに思いを混ぜて
帰り際にロクシタンに寄った。私が好きな香りを紹介したかったんだ。実家の近所にあるレストラン、おばあちゃんと弟たちとよく行ったレストランで出されるレモンハーブ水を思い起こすような香り。
私はロクシタンのヴァーベナの香りが好きだ。ロクシタンの緑の葉っぱのやつ甘すぎなくて良いよ、と。
だって、それはもしかしたらもしかしたら、彼が香水をつけていたかもしれないと思ったんだ。最初改札のところで会ったときにさりげなく香水らしき香りがしたから。香水つけてる?って聞けなかったけれど。
私が知っている彼、高3の時の彼が香水をつけているイメージは全くなかった。香水をつけている=チャラいは超ド偏見で失礼で必ずしも事実ではないけれど、少なくとも彼は香水をつけない人であってほしいと私が勝手に思っていた。
しかしそう言う私も大学生になって香水に手を出し楽しんでいたのだから人のことは言えない。
一昨日と言っていたっけか、新宿で買ったんだと。この日に合わせて買ったんかな、かわいいと言ったら気を害すかもしれないと思って言わなかった。まぁ私もヘアミストとシャツを新調して行ったからじゃんけんでいったらあいこか。
まぁ普段あまり会わない人に合うときはそれなりに身なりは気にするということあるよね、そんなもんか。どこの香水か聞いたとき知らないブランドだったのは少し悔しかった、守備範囲超えた一打だった。
※(2023/02/28追記)メゾンルイマリーかもしれぬ
香りにこの日を刻んで
帰り際にロクシタンに寄ったと書いたけれど、実は正確には私がロクシタンに行きたいと言って早めにカフェを出てついて来てもらったんだ。
本当は行かなくても大丈夫だった。ロクシタンくらい一人で行けるし彼に会う前日にも行ったばかりだったし。
でも、
この日のことを私は忘れたくなかったんだ。この日が彼にとって忙しい日常の中の一日にしかすぎなくても、私は本当に楽しい一日を過ごせて嬉しかった。高校生のときみたいに話せて嬉しかった。
それに小さな私のワガママがあった。今日という日を、私という存在のことを彼が少しでも覚えてくれていたらいいなって思ったんだ。
人の記憶には限界があるじゃない?だからこうやって記録しておくんだけれども、ふと香りをかいだときに思い出してくれたらいいな、って。
彼はロクシタンを知っていなかったけれど、私が好きな香りは忘れないように伝えたよ。ロクシタンの「緑の葉っぱのやつ」って。ヴァーベナより分かりやすいでしょ?
もし彼が女の子だったら
もし彼が女の子だったら、カフェはもちろんのこと映画や彼女の家にも行っただろうし(一人暮らしだったら)日帰りで遠出したりなんなら旅行していたかもしれない。
その日の女子グルで集まったときにはパーソナルカラー、骨格診断、顔タイプ診断が〜とファッションとコスメ関連の話題が当たり前のように通じて楽しかったし、今度新宿で服見ようと話が進んでこの盛り上がりとスピード感はやっぱ良いなと思った。
異性間だとデートになりかねないものを、同性間なら遊びとして自由に楽しめる。それが私にはちょっと羨ましい。彼が女の子だったら良かったのに。そしたらもっと自由に何も考えずに遊べたのかな。
ちょっとしたモヤモヤ
帰りの電車で次の予定のために電車に駆け込んだ私は彼に一言連絡を入れるか迷っていた。普通は入れるよね、でも別れてすぐはどうなんだろう。予定が終わってから入れるべき?どうしよう。
考えていたら彼からLINEが来て、次の予定に気をつけて行ってねって。あぁ返信で楽しかったって言えて良かった。
また予定会えば行こうって。あぁ私もまた楽しい時を過ごせたらとは思ったよ、また行こう、とりあえず面接頑張ると返した。
カフェのお代は奢るから大丈夫って、あぁ心を読まれたのかなって思った。LINEをするかも悩んでいたけれど、スタバのドリンクチケットを自分が食べた分送るかお気持ち程度にするかめちゃくちゃ悩んでいた。
(でも電車の中で読み込みが遅くて全然開けなかったのとスマホに没頭して乗り換えし損ねて予定に遅刻したはここだけの話。)
次はランチとか行こうとのことだったので、次は私が払うことで納得した。異性で出掛けると必ず起こる会計問題、誰か最適解を教えてほしい。
普通に割り勘で良いんだけれどなと思ってしまうんだけれど、きっと男性側にはまた別の事情がきっとあるんだろう。こういうの本当にどうしようって考えちゃう。
一緒にお会計に行って私も出すよって財布を出し始めたら大丈夫だよって言われて、いや申し訳ないよ、ちや大丈夫だからって、そして私は大人しくしまう、なんかお会計でゴタゴタしてしまってスムーズに出来ないのも悪いかなって思って会計は先だったみたいだから私は大人しく席で待っていた。
あーこういうときにはPayPayか、PayPay普段から使っておけば良かった─と思う。一日の終わりに今日はありがとう、少しだけでもって送れたじゃん、あー。
彼への感謝
それでも13時から16時半少し前という限られた時間ではあったけれど、良い時間だったなぁと思えるのは彼がいろいろ気配りと準備をしてくれたからだなと思う。
自分より早く来てお店を見て回って位置関係を把握しておくその余裕と心意気と気遣いにはただただ感謝だった。このお店はこっち、ここ曲がったところ、と案内してくれたから祝日でいつもより賑わっていた中空いているカフェにスムーズに入れた。
眉毛も綺麗に整えられていたし、紺色のロングコートも似合っていた。服もシンプル綺麗め、紺のセットアップに白のインナー、黒のスニカー。靴も綺麗だし。
髪の毛もちゃんとセットしていて美意識高いなと思った。女子も準備大変って言うけれど男子も大変っていうのが見てよく分かった。
最初どこぞの商社マン‥笑と思ったけれど普通に似合っていてセンスあるなと思った。(個人的に服に興味あると良いなぁ、共通の趣味、、)
服に関しては私もシンプル綺麗めで行って良かったと思った。個人的に服の雰囲気合うと気が合うのかな、楽しく過ごしやすそうと久しぶりに会う緊張を楽しそうという期待が覆って少し気が楽になる。
久しぶりにカフェで会うならわりとカジュアルで良いのではと思ってパーカーとデニム、スニーカーを考えていたけれどやめてよかった。
私はトップス、ボトムス、ブーツをベージュを基調にグラデして同系統のブラウンのコートでしめる。無地でとにかく余計なものは入れない。ネイルとマフラーのチェックでピンクを少し加える。
トップスとトートバッグをカジュアル。ボトムス、ブーツ、コートをフォーマルにしてバランスをとる。ノーアクセサリーにしたので髪は結わずにおろす、やや茶髪ロングを活かしてラフに。
我ながらスタイリングは上手く行ったな!?!笑
‥話が逸れたので戻して、並んでいる間、小さい子を連れたママさんに椅子をさっとすぐに譲った(私は座ってしまっていた)のには、あぁ私の見る世界は狭すぎたし器は小さいと思った。
感謝や親切は当たり前だと言い、自分がそういう人間だと自覚していない(本能的に現れている)のはさすがだと思った。
私もそういう人になれたら。まだまだ自分に磨きをかける余地がたくさんある。彼のこと見習って自分のレベルどんどん上げていこう。
もしまた会う機会が訪れたら、
ランチの話は出たけれどさ、いつ行くかは決めていなくて。場所はあとで決めようと言っていたけれど、本当に行くなら場所より日時を決める方が重要よね。
これから面接と物件探し、引っ越し、そして卒業式、加えて卒業旅行、他の友達との予定を控えている私は今回で会うのが最後だと思っていた。
でも話の流れ的に次の可能性が生まれた。本当に行くか行けるのかは全く分からないけれど。
私はどうしたら良いんだろう。またまた考えてしまう。冒頭の告白予約事件、未遂でもしかしたら機会損失させてしまっている事件だけでも解決しなければとは思う。
でも彼女いるのとか、好きな人いるの、って聞けない。聞くこと自体は簡単だけれどさ。
そんなこと聞かれたらさ、もしかしたら自分に恋愛的に好意があるのかな?とかさ、恋愛的に気になっているのかなって少しは思っちゃうじゃん?
私は今それが出来ないし、私が出した答えは友達としてこれからも仲良くしたいだから期待には答えられない。
それに万が一全く意識していないところで自分が思わせぶりしていたらそれは私の罪が重い。そんなこと絶対に出来ないししちゃ駄目、相手の気持ちを振り回すの良くない。
私のこれからの予定が上手く進んでこの日なら空いているなという日がもし仮に出来たとして、もう一度会うべきなのだろうか?もちろん会えるのなら会いたいと思うけれど、この選択は正しいのだろうか?
会うことになったらスケジュール的に私から連絡を入れたほうが良いんだろうなとは思うんだけれども、彼から誘ってほしいなって思ってしまう自分がいることに嘘はつけない。
‥思い返せばいつも私が誘っていた気がする‥?まぁ彼と私の間だったらそれでも良いよ、ちょっと思うところはあるけれども。
でも彼に彼女が出来たら(実際いてもおかしくないくらい良い人だと思う、自慢の友達って人に紹介できる)その彼女にはちゃんと誘いなよって思う。やっぱり普通に誘っているのかな?
私は普通に友達のアドバイスとして大胆に行くところは行きなよって言うと思う。彼は謙虚な人になりたいと言っていた。もちろんそれも素敵だと思う。でも好きな人の前くらいは少しくらい意地でも見せなさいよ?ってね、笑
いずれにせよ私は彼の恋人ではないけれど、人として尊敬している人であり大切にしたいと思っている人だ。だから彼が幸せでいてくれたらそれで良いし、彼の人生を友達として応援しているのが私の位置なんじゃないかと私は思っている。
もしもう一度会うチャンスがあるなら私も意地を見せよう。ちゃんと問題から逃げずに向き合う。3回目はおそらく訪れないから。もし万が一あったとしても数年後になる。もっと先になるかもしれないけれど。
私がは彼か進む道を選ぶ道を引き止めるつもりはない。友達として背中を押す。留学して思う存分学んで一回り大きく成長して帰って来い、って。
香りに決意を重ねて
そして今回ロクシタンのヴァーベナは私にとって特別な香りになるだろう。今回の件を通して自分の考えを空けることを出来るようになりたいと強く感じた。
正直に言うと彼は高校生の時よりも格好良くなってた。再会した冒頭、最初の改札の時点で格好良いと正直思ってしまった。清潔感のある人なりたいという言葉をすでに実現していたように感じる
彼の細やかな親切さや優しさは相変わらず健在していた。話していてあぁそういえばそんなこと前言っていたよね、と覚えてくれていたのも嬉しかった。
私も彼も大学一年の時苦労してたんじゃん、似てるねと言ってくれたのも嬉しかった。
エスカレーターに乗っているときでも、ふと手が当たってしまって、ごめんという言葉に少し青い春を感じてしまった自分も否定できない。
彼に好意を抱くまい、抱いては困るしからそこは自分の理性で抑えるようとしている。でも魔が差すと気になってしまう。やはり一度惚れたことがある人だからなのか。
でも何度でも言うけれど口を慎むべきことっであると思う。自分中心の考えで好き放題に自分が言いたいことを言うこと、これは自分から問題を引き起こすし結局傷つかない人はいないし、良いことはない。
自分の考えを空けること。正しい認知と考えを持って行動すること。とても大事だ。自分だけでなく相手のことを守るために。お互いを守るために。
だからヴァーベナの香りは、ヴァーベナのハーブの香りは自分をより冷静にさせてくれるし、そして自分の考えを空けなさいと教えてくれる。
だからもし万が一彼のことを好きになってしまいそうと思ったら、ヴァーベナの香りをかいで自分を鎮めるんだ。自己矛盾に苦しんで一人で泣いてしまったら、ヴァーベナの香りで自分を慰めるんだ。
私は弱くない
彼とヴァーベナの香りをかいでいたとき、私は香水を買うか迷った。ヘアミストを買った際にいずれにせよ香水も買うだろうと思っていたから。
彼もこのヴァーベナの香りが良いと言っていた。柑橘系の香りが好きだし甘くなくて良いって。香水つけていくか迷ったけれどつけていかなくて良かった。
今の私の好みは甘さがないものだけれど、家にある4本の香水は全て甘い香りがする。
ハンドクリームはまだ家にあるから買えない、香水は少し高いし社会人で使用頻度がほぼほぼ無くなる。職業柄上つけない方が良さそうだと私は思う。
悩んだ末にええぃ、買ってしまおうとレジに向かったけれど、店員さんが接客中だった。電車が迫っていたのもあり棚に速攻で戻した。いつも行く駅ビルでも買えるから、そっちで買うからとお店を後にした。
その日の後その駅ビルに行く機会があり私はヴァーベナの香水を買いに行こうとした。でもこれは衝動買いすぎるのではないか、買うとしても次また会うことが決まってからでは良いのではないかと踏みとどまった。
私を落ち着かせてくれるヴァーベナの香りにずっと囲まれていたい。でも彼のことでずっと頭の中がいっぱいなのは辛い。
失恋したような気持ちになってしまうから。
人生は世の中の恋愛に溺れて甘くなくて良い。人知れず流した涙の分だけ、私はもっと自分を磨いて先生の精神と個性の光を放って立派な人になるんだ。
彼だって言ってた。何もない人やり泣いてきた人の方が魅力的だって。私は4年前のように涙で眠る夜がこれから訪れたとしても、大丈夫。
彼がいなくても幸せになったし、自分を強くする方法を知っている。4年間で学んだし得てきた。私は弱くないから。
だからいつかまた再会するかもしれない時に備えて自分を磨き続けるんだ。
忘れたくない恋をした
忘れたくない恋をした。一つの物語のような恋をした。結ばれなかったからといってこれらが無駄だったと私は思わない。これらを通して学んだことは多かった。私の人生に確かに影響を与えた。
この先何があってもどんな時でも、泣いてしまう日があったとしても、私は自分の人生を喜んで感謝して生きていきたい。
近い未来でも、遠い未来でも、お互いがそれぞれ良い人生を送れますように。そして必要な時に必要な人に出会えますように。私たちにたくさんの幸せが訪れますように。
私は再びサイコロを振る
この先はどうなるのか分からない。自分が分からないことは全て成り行きに任せる。それくらいの余裕を持って生きていきたい。
だから私はまたサイコロを振る。次出る目はただ神のみぞ知る、神の味噌汁。それで良い。それが良い。
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穏やかに眠りにつこう。
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