朝起きたら15000ドル吹っ飛んでた話

その日は突然やってきました。
私はお酒を飲みすぎると翌日頭痛や腹痛で早く目が覚めることが多いのですが、前日お酒を入れていたこともあっていつもの二日酔いを感じながら6時くらいに目が覚めました。

8月も終わりに近づき、暑さのピークは超えたかな。
不快感MAXというほどの気温でもなくなったな。
などと考えてながら、恒例の仮想通貨の価格チェックを行いました。

全般的にやや下げた中で、チェックしていた銘柄のうち1銘柄だけ異常な数字を示していたものがありました。

SAROS +110%

ほほー
景気の良い銘柄もあるじゃないか。
SAROSといえば以前の記事でも紹介した、私に100万円のエアドロをもたらしてくれた銘柄です。

最近もゴリゴリの主戦力として農業で使わせていただいていました。

「あれ?これやばくね?」

人間の脳って信じたくないことは思考を鈍らせますね。

最近もゴリゴリの主戦力として農業で使わせていただいていました。

勘の良い聡明な読者の方ならお気づきだろう。
私はSAROSを借りて農業をしていた、ということに。


農業ってなぁに?という仮想通貨チンパンのために説明すると、仮想通貨は持ったままでも良いですが、運用もできるわけです。

運用と言っても貸したり、借りたり、売買のマーケットメイクをしたり。色々な手法があります。
貸したり、流動性を市場に提供したりすると、その分報酬が貰える、という仕組みで、私を始め多くの農家と呼ばれる人間にとって、仮想通貨運用での重要なシノギになっています。

今回ご紹介したSAROSはおそらく超穴場でした。
この日までは。

ここで本邦初公開.hautaの運用日誌のコーナーです
gateという取引所でSAROSを借りると年率10%くらいで貸してもらえます。

gate

一方でそのSAROSを別の所、saros公式で預けると年率70%で預けられます。

saros

別のところ、sarosの姉妹サイトのbaryonでは年率100%で預けられます。

baryon

年率10%で借りたものを、年率100%で貸す。
賢い仮想通貨チンパンならすぐわかりますね?

100% - 10% =90%

そう。90%が自分の手元に残ります。
やればできるじゃないか。

超過激な金利アービトラージです。
この手法は借りた枚数を横流ししているだけなので、価格の変化は基本的に無視できます。
さらに仮想通貨チンパンを卒業したヒューマンのために説明すると、SAROS-C98やSAROS-USDCではAPR200%という超高報酬が安定的に出ていました。
この運用のリスクをどう評価ですが、フルレンジLPの両側をヘッジできてこの利回りは他ではなかなか見られないということは確かです。

今年の1月に上場後ひたすらぶりぶり下がっていくだけのトークンSAROS。
上記の通り利回りはめちゃくちゃ出ていたので、そこそこの利益が出て、収益の中心になっていました。
毎日$100-200がチャリンチャリン。
ピーク時は月$5000くらい掘っていたと思います。

残念だったのはSAROSの流動性の薄さを甘く見ていたことでした。
数万ドルあれば簡単に上に吹っ飛ばせます。
こんな高排出な銘柄、買うやつおらんやろ!と思い込んでいたことも誤りでした。

SAROSを借りるために数万ドルのUSDを預けていたわけですが、このような暴騰が起こると、借りたトークンを持ち逃げするほうが合理的な事態になりかねません。
それを防ぐために、貸し借りとセットで「精算」と呼ばれる仕組みがあります。
預けている担保が不足しそうになると、借り手の私の意思とは関係なく担保でトークンを購入して返済に充てられるわけです。
ある程度の余裕は持っていたとはいえ100%を超えるpumpには耐えられず、私は上記チャートのてっぺん付近で返済用トークンを買わされました。

私は2万ドル分のトークンを借りていました。
幸運だったのは上限が2万ドルだったことですね。借りれるならもっと借りちゃってたかもしれない。
上昇で一気に精算に追い込まれ、朝起きたときには手元に返済不要の数万ドル分のSAROSだけが残っていました。

この数万ドルのSAROSを売却するというのもなかなか困難で、数万ドルでも取引所の板を全てを食い尽くすレベルです。他の取引所やオンチェーンで泣きながら処分していき、結果としては15000~20000ドルくらいの損失になったと思います。
普段からどんぶり勘定で、現時点正確な金額わからないけど、精神衛生上15000ドルってことにしておいたほうが良さそうなので、そういうことにします。

今回の件で今まで秘密にしてきたこの農場を手放す決意をしました。
もっと担保を積んでればよかったんじゃないか?と思われる方もいるかも知れませんが、積んだら積んだで精算される確率は下がりますが、資金効率は落ちる上に、精算が起こったときのダメージが跳ね上がります。
結局この銘柄でこのリスクは割に合わないな。というのが結論です。

(仮想通貨界の時間軸で言えば)長期間、今まで一度も精算されるようなことは無かったのが幸運でした。

精算されたお前が言うなですが、みなさまくれぐれもご安全に!
絶対に吹っ飛ばされないようなメジャー銘柄で農業を楽しみましょう!

励ましの言葉をくださった皆様、ありがとうございます。
最初は落ち込んだけど、一晩経ったら回復しました。
供養として、「バカな運用やってた奴がいたなぁ」と心に留めていただいたり、どこかでこの話題を出して注意喚起いただければ幸いでございます。

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