自然と猫と筋の通らない話し

庭に通じるガラス戸に 今にも届きそうに 葉を伸ばしている 黄金竹椰子。
その花の蕾を食べに 紅冠鳥がやってくる。花が満開になる頃には たくさんの
ミツバチがやってきて 家の中から その羽音を 聞くことができる。
自然は こうして 四六時中 美しいものを 私たちに 提供してくれる。
提供しているつもりはないのだろうし、私たちのために 美しくあるわけでもないのだろうけど。自然は ただただ あるがままだ。それが 美しいのだと思う。

我が家の 二番目の チビは、名前を呼ぶと 近くに来て 私の顔の前で 必ず
くしゃみをする。すると 彼女の鼻水が 私の顔に飛んでくる。
それで 毎回、迷惑だと 文句を言うのに 彼女は 一向に 聞く耳を 持たない。それが 彼女なのだ。だから 彼女がくしゃみをする瞬間に、私が 顔を
背けることにした。
物事には 必ず 解決できる方法がある。それは どちらかが 自分の要求を 通すことをやめ 別の選択をすることだ。
遺伝子組み換え作物反対グループが 遺伝子組み換え作物に ステッカーを貼るなりして 表示をしろと言っていた時期があった。結構長い間 SNS上で その
訴えを見た。ぶつかるばかりで 進展のない思考回路に「どんなに訴えても 時間の無駄。逆に 組み替えてない作物を 表示する方が早いでしょ?」と提案を
した。
仕掛ける側と 同じ目線で 物事を見ていても 何も変わらない。
それから しばらくして 提案が 実行された。
日本は 株式会社だと 誰かが言っていた。そうだとすると その会社を 退職し 別の会社を 起こしてみてはどうだろうと 思うのだ。
あ〜 もう やってけね〜と 思っている人たちが 集まればできそうだ。
が、体制は それを クーデターとして 参加者を 拘束するだろう。
国というものは 反対するものを 処罰するためのルールづくりを 怠らない。

数日前 敗血症で 両膝下、片手切断を 余儀なくされた Dさんから メッセージがきた。主人が 病気で 寝込んでいるから できたら イベル 分けて欲しい、と言う内容だった。
Dさんのご主人は 注入事業の参加者だ。
Dさんの敗血症は そこからの影響も原因の一つなのではないか?と 私は思うが
彼女は そのことには 触れずにいる。
先々月、お茶でもしませんか?と 彼女に誘われ コーヒーショップで 会うことにした。
そのとき、自分の イベル体験談を話すと 彼女から 余分にあるのなら 売って欲しいと言われた。
注文先のリンクを 後で メッセージしますよと言うと 私から 買いたいと言う。そして 何度も “余分にあるのなら“ の部分を強調して あなたから買いたいと言われた。
必要なものは 自分で揃えるべきじゃない?と そのとき思ったが 余分にあるわけではなかったので すぐには返事をしなかった。そして その後も 返事をしないままにいた。
できれば 彼女たちが 自分たちで 注文するべきだと思ったからだ。
あれだけ 注入事業に反対していた彼女。その結果として 早期退職し のちに
同時期に 注入事業に反対し 退社させられた人たちとともに 会社を訴える
裁判まで 起こしている。
ところが そんな彼女のご主人は 仕事を続けるためかどうか 参加者となった。そして それから 少し経って 彼女が 敗血症になった。
たった 数年で、そこまで 人生が変わった Dさんなのに 万が一に備えないのは どこか おかしいと感じた。
だから 彼女から メッセージが来たとき、結構 無責任なの?と言うのが 
メッセージへの 第一印象だった。
そして ご主人が なぜ 病気になったか 気づかないの?とも 思った。
病気と言っても 高熱などの 風邪の症状なのだが こちらでは 一般にそれらを sick(シック)と表現する。であれば なおさら 打ったからじゃない?と
気づくべきでは ないのだろうか?
私は そのとき 次のセッションに入る直前で 後で 詳しいことは 連絡するとだけ 返信した。
セッションが終わり 休憩時間を取ってあったので 自宅に戻り 残っていた
6mg 4錠のシートと NACと スリランカの葛根湯“Samahan“を 何個か持って
彼女の家に向かった。
義足の彼女が 階下に降りてくるのを待たずに 私はDさんの名前を 呼びながら
外の階段から 2階へと上がりベランダの引き戸を開けて 中に入る。
と 同時に 彼女もそこに現れ すぐそばにあった キッチンカウンターに
持ってきたものを並べ 説明する。
NAC持ってますか?と聞くと 持ってないという。
主人は打って、彼女は敗血症まで 患ったと言うのに NACが家にないとは 
過去数年間に 世界で何が起こったのか 全くわからない人に 会っている
ような気分になった。
説明を終えるや いくらですか?と聞く彼女を 遮るように いらないよと答え
すぐさま 私は その場を 立ち去った。
Dさんは 髪の毛も 沢山失ったんだよと 以前話していた。
それって それって あれでしょ?と 私は 思うけれど 彼女は 会社から
圧力をかけられたストレスが 原因だと思っているのだろう。
そして 敗血症になった原因は タヒチで蚊に刺されたことだと 思っている。
だとすれば 注入事業に 猛反対してた理由は なんだったのか?
翌日、彼女の家の近くを通ると 彼女のご主人らしき後ろ姿を 見かけた。
近くの小道に止めてあった 車に乗り込もうとしているところだった。
彼が ジープを所有していたかどうかは わからないが 片足が義足だったの
と 体型や髪型から 彼だと思った。
最初に 彼が オフィスに来たのは 彼女がまだ 入院中で 彼はほとんどの夜を 病院に寝泊まりしていた。
アメリカの病院は 病室が狭く ベッドのそばには 小さな椅子しか置けない。その椅子で 彼は 寝ていたのだという。
それで 腰が痛くなり 私の オフィスを訪ねてきたのだ。
そのときは 義足ではなかったから 退院して リハビリが済んだ Dさんを
オフィスに連れて来たときは 少し 驚いた。
なんと 彼も 片脚膝下が 義足だったのだ。
彼は 彼女の肩を抱き、「ねえ見て、僕たちを」と言いながら もう片方の 腕を広げて 私にポジティブさを アピールして見せた。
彼女への励ましと 愛を証明した結果なのだろうか?
私が 彼なら それは できないと思った。
道端で ご主人らしき人を見かけてから 数時間後、Dさんが 再びメッセージをして来た。主人は 回復して ベッドで休んでいますと言うものだった。
私は 返信に 多分 ご主人を 近くの小道で 見かけましたよ。もしかしたら 人違いかもしれませんが 回復してよかったですねと 記した。
彼女の メッセージには あるリンクが 貼られていた。
それは パンデミック後に 医療関係者で組織された サプリメントの
サイトだった。
販売しているものは どれも 長年サプリメントを 販売してきた メーカーのものより 割高だった。
そして なぜか エッセンシャルオイルも 何種類か 販売されていた。
フランスでは エッセンシャルオイルは 医薬品の扱いがあったと思う。
アメリカでは 規制のないところで 販売されているので 偽物を これ見よがしに 販売することもできるし 本物と言っても 濃度や品質は フランスのそれとは 違うだろう。
それが 医療関係者のサイトに サプリメントとともに 並んでいるのが 胡散臭い。しかも サイトにある 医療関係者の 顔写真など 本人か どうかなんてわからない。そして そこにあるのは 納豆キナーゼのサプリと 基本的な
ビタミン剤だけだった。
イベルもなければ NACもない。
どうして彼女が そのリンクを 私に送ってきたのかは よくわからない。
彼女の 友達が シェアしてきたものらしい。
なんだか 彼女が あちらに 吸い込まれてしまったような 気がした。

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