2523
この町は 冬のうねりとともに 息を吹き返す。
海沿いの通りを 通勤で使用する人たちも いつになく ゆっくり運転だ。
沖合では いつもなら割れていないところで 波が割れている。
今日、明日は 今シーズンで 一番波が大きい日。
が、シーズンは まだ始まったばかりだから これから もっと 大きい波が
くるだろう。
波のサイズが上がると ラインナップのメンツが 変わる。
この時期の このサイズの波を 心待ちにしていた 勇気ある人だけが
パドルアウトする。本物かどうかは 一眼でわかる。
この世界には 銀行残高や学歴や 肩書きなどどいったものは 一才通用しない。
原始的といえば原始的な世界が そこにはまだ 残されている。
テスラの社長だろうが Facebookの創始者だろうが そんなことは これっぽち
の力も持たない世界がそこにある。
沖合のラインナップまで パドルアウトする体力と 潮の流れを読み取る 深い経験があるかないか?
そして ダブルオーバーヘッドのセットが来たときに タイミングよく テイクオフできるかどうかに かかっている。
だいぶ前のことだが 波のサイズが どんどん上がってきた早朝、ベテラン以外は皆 適当なところで切り上げて ビーチに戻った。
そこには 数人のプロや そのポイントで 子供の頃から波乗りをしてきた人たちが パドルアウトしていった。
と、そこに 40代ぐらいの女性が やってきて パドルアウトしようとした。
私は すかさず近づいて 波はまだまだ 上がるはずだから 今日は 出ない方がいいよと 話しかけた。
すると、「私を 誰だと思っているの?私は 海軍のオフィサーで トレーニングは十分しているんですよ!」と 怒鳴られた。
私も 私のそばで その様子を伺っていた人たちも皆、何が起こるのか 予想はついたが 彼女自身に体験してもらうことにして 黙った。
彼女がパドルして間もなく 沖へと向かう早い潮に捕まり みるみる間に 左へと流されていく。
沖のラインナップは 右側だから 彼女は 全く反対の方向に 向かっているのだ。私たちは ビーチから 沖のサーファーに向かって 手でサインを送る。早朝なために ライフガードはまだ 出勤していない。
これ以上 流されたら 自力で戻るのは 難しいだろうというギリギリのところで 2人の プロサーファーが 彼女を救出に向かう。
様子を伺っていると 彼女は 沖でも 同じセリフを言っているようだった。
それを 1人が宥めるように ビーチに戻るように諭しているのが 遠くからでも
うかがえた。
ようやく 彼女は向きを変え ビーチに向かって パドルを始めた。
途中まで プロの1人が エスコートする。
だから言ったこっちゃない。誰もが 口々に言いたかったが その誰もが エゴをコントロールできなければ 彼女と同じ目にあっていた可能性があるのを
知っているから 誰も何も言わなかった。
それに 一番恥をかいたのは彼女だということは 明らかだったので 少しでも
刺激しないように 暗黙の了解で 誰もが口をつぐんでいた。
海から上がった彼女は 何も言わず 誰とも目を合わせず 立ち去っていった。
ときには 自らの経験が一番の先生になる。
話しは変わるが 数日前 日本から帰国したという女性が 両足の広範囲に
蕁麻疹のようなものが出ているのを SNSに載せて、これはなんだと思いますか?と聞いていた。最近 その手の 投稿をよく見かける。
コメント数の獲得を狙っているのかどうか?と思う 単純な質問もよく見かける。
いつもは 見過ごすのだが そこに 10月から始まったと言われる 新しい接種のことを 書き込んだ。なぜなら コメントのほとんどが 食品アレルギーではないか?というものだったからだ。が 投稿した本人は かゆみについては
何も書いていない。
数時間後 私の コメントに 一つだけいいねがついた。
私は それが 投稿した人からのものだと 勝手に判断して そのコメントを
消した。
仮に 本当に 食品アレルギーだとしても 2021年に たくさんの人が 皮膚の
症状を SNSで シェアしていたのを 思い出して もしかしたら?と 思って
もらえれば それでいいと思った。
日本では 周囲の人に そのような症状は 出ていないのだろうか?
打たないでくださいという 呼びかけは よく目にするが 打った後 こうなりましたというのは ほとんど見かけない。
検閲が そこまでかかっているから 弾かれるのだろうか?それとも 訴訟を
起こされるのが 怖いから 情報のシェアを 踏みとどまっているのだろうか?
いずれにしても そういう世界で 生きなければいけないとしたら それは
息苦しいことだ。
波乗りが終わって 着替えていると 携帯にメッセージが届いた。
以前 農家に 金融機関よりも 低金利で 融資をしていたときの 仲間からだった。融資先の男性が 容態が かなり悪くなり 入院し つい最近、退院して
きたのだが 家族がいず 1人なので 自宅に マッサージに行ってくれないか?
という依頼だった。
以前 副作用(例のアレ)について話した時もそうだったが やはり わからない人には わからない。
入院するほどの状態なら 私にも危険が及ぶかも知れないと 今の私は 判断する。
最も アレが 登場しなければ、世界が以前のままならば 私は 早速 依頼を受けて その男性の家に 向かっただろう。が 世界は あの時を境に 一転してしまったのだ。
私が アレを 選択しなかった大きな理由は 私たちが受け入れることで 自然環境が 全く変わってしまうことを知っていたから。
思っただけではなく 知っていた。その感覚は 野生の感覚が元になっている。
野生動物たちは 知っているのだ。何か 危険が迫っていること。よからぬことが起こることを 知っている。
最近の 荒川先生の noteに環境への影響が 書かれている。
先生は 研究者だから 科学的に分析した内容で 細かく説明してくれている。
が そうした うらづけがなくとも 動物であれば 知っていて当然なのだ。
彼が 元気を取り戻し オフィスに来れるようになるまでは 施術は控えたほうがいいと思いますと 控えめな返答をする。
すると 2倍の金額を払うから 行ってくれないか?と 返ってきた。
お金の問題じゃないんです、私の命がと言いたいところだが 海面上昇を信じ
引越しを選択した今の彼女に アレは被曝性の毒でしたと言ったところで
全くの嘘にしか聞こえないだろう。
結局 いろいろ話した後で 彼女は 彼が入院したこと自体を 他人の私に
知らせたことが 都合の悪いことだと感じ 依頼を取り消した。
波は 時を忘れずに また やってきた。
大波が来るごとに 風が吹き続けるごとに 海岸線は 様子を変えていく。
それは 海が自ら 海岸線を 変化させることで あらゆる角度で 水を反射させ それが 複雑な 潮の流れを生み それが 海水の温度を その時々で
あらゆる場所で 適切に調整することにつながり それが 海の生物の命を
繋いでいる。海の生物の命を 繋ぐことは 陸の生物の 命を繋ぐことにも
繋がっている。
海は 偉大なのだ。
毎朝 波打ち際にたつとき 人間が どれほど巨大なコンピューターを作ろうが 海のこうした繊細な変化には 勝てないんだと つぶやく。
なぜなら 海には 意識があるから。無意識に情報を詰めて 計算すれば
完璧な自然を 模倣できると思っている人たちが 自然を制御しようとしている。
いつになったら 諦めるのだろう?
海軍のオフィサーのエゴが 自ら体験することで 引っ込んだように
破壊されるまで 諦めれないのだとしたら 人間ほど アホな生き物も いないだろうということが 証明される。
昨日は見えていた岩が 砂に埋もれていたり、昨日は 砂地だったところが 深く掘られて 岩が見えていたりする。
それらは全て 海の愛なのだ。海が 休むことなく 寄せては返すことで 繊細な調整を 行っている。それにより たくさんの命が 育まれている。
それを 目の当たりにすると 謙虚にならずには いられない。
私たちは あくまでも 自然の一部であり、ここにいる間 住む場所を 貸してもらっているのであり、食べるものを いただいているのであり 私たちは 結局 無力な生き物なのだ。
どんなに頑張っても 寄せてくる 大波を 服従させることなど できない。
世の中には 不治の病から 人を救いたいと 日夜 努力しておられる方々がいる。が その方々の研究の成果が 思わぬ方向に 利用されているのは 確かなようだ。
そもそも 輪廻転生の考え方からすると 治らない病気があっても いいんじゃないだろうか?
先日亡くなった 19歳の猫は 若い魂を持っていて とても なくなるようには見えなかったのが 突然 体の自由が効かなくなり あっけなく 逝ってしまった。その原因が なんであれ 私は 彼女の魂が 彼女の魂の目的のために
新しい体を得る時なのだと 判断した。
だから 自分でも驚くほど 悲しみに暮れるということがなく 過ごしている。
彼女の魂が 次の目的のために 死を遂行したなら 悲しんで 彼女の魂を
呼び寄せることなど できない。
そう思っているから 今では 忘れていることの方が 多い。
それより 地震被害の影響で 疎開させられた 石川県の子供達は 今 どうしているのだろう?福島で 災害に遭われ 地元に残った方々は どうしているのだろう?
そうした情報が 流れることなく 次の心配事が 上塗りされていくという
異常な世の中に 私たちは 住んでいる。
だから 余計に 私は 自然の世界に 身を寄せる。
意識的に そのように生きないと 今や 意識まで ハッキングされそうだ。
*タイトルの 2523は 今日の午前中の 波のエネルギーを 現している。
腰〜胸ぐらいの波で 200前後であることから考えると どれだけの
エネルギーなのか 想像できるだろう。