ファッションとか化粧の話 その4.5(お題箱より)
まずはその4の続きも書いてないのに4.5まで続いてしまったことをお許しください。
昨日、一生ものの買い物をした。一万五千円。安いとは言わないまでも、一生ものというにはだいぶん安い、と思われるかもしれない。
それでもこれが一生ものだと言えるのは、生涯決して手放すことができないものだからだ。
昨日、タトゥーを入れた。
位置は左鎖骨の下あたり。五百円玉より少し大きい程度のサイズで、モチーフはジオメトリックにアレンジした林檎だ。これは自分で考えた。一生涯付き合うものであるならば嫌いになり得ないものでないと、と思い敬愛するディーヴァである椎名林檎女史にちなんでいる(ちなみに食物としての林檎はむしろ嫌いだったりする)。
以前書いた通り、私はピアッシングフリークのケがあるし、その時いつかタトゥーを入れたいとも言った。で、今回実行に踏み切ったというわけである。
無論熟慮しての結論だ。温泉やプールにいけない、というデメリットがよく挙げられるが、そもそもプールになど10年単位で行っていないし、どうしてもというならグアムにでもハワイにでも行けばいいのだし、大きさ的にも大判の絆創膏でじゅうぶん隠せるから問題ないと判断した。
さて、施術であるが、要するに人体を切りつけるわけだから痛くないわけがない。時折タトゥーは平気でピアスがダメ、という人を見るのだが(どうも肉体を貫通するというのが彼らにとってはグロいらしい)、痛みはピアッシングの比ではない。今回は黒のラインのみの図柄であったので、多分私の場合はかなり軽いほうだったのだろうと思う。例えるなら注射針が刺さる瞬間のちくりとした痛み、あれが際限なく続く感じ。そのあとで、コピー用紙で指を切ったときのような鋭い痛みがやはり際限なく続く(どういう工程を踏んでいるのかは術部を見ていないからわからないので、誰か教えてください)。
タトゥーを入れた帰路であらためて、なぜ私がピアスやタトゥーにこだわるのかを少し考えてみた。たぶん、自分を好きになるためなのだと思う。
ピアスが好きだ。単純にかわいいから好きだ。だから、それを身につけている自分のことが好きになれる。タトゥーも同じく、可愛いし格好いいから好きだ。だから、それが自分の体にあれば、それを引っ付けている自分が好きになれる。そういう単純な理屈なのだと思う。
家に帰った私はとりあえず、手持ちの服を取っ替え引っ替えして襟元からタトゥーが見える服と見えない服を選別した。一応会社人(社会人に非ず)であるので、見せて歩くのは少々怖い。金髪にピンク色のメッシュでピアスが耳だけで12個空いている時点でもう何も言われない気もするが、一応の配慮だ。
ついでに実家で見せびらかすと絶対反対派の親に泣かれるに違いないので、それも考えなくてはならない。まあ、なんとかなるだろう。
そういうわけで、これからどうぞよろしく、わたしの一生もの。