【秋元康から学ぶ】恥じらいを捨てた新感覚ライティング
何気なく「心に秋元康を飼え」というコピーが目に入り、立ち読みしたら大爆笑。気が狂ってるとしか言いようがない(←もちろんリスペクト)秋元康から学ぶライティング術について書いてみる。
さて、2013年に発表されたAKB48柏木由紀のソロ楽曲『口移しのチョコレート』をご存知だろうか。作詞は言わずと知れた秋元康。身の毛がよだつ恐怖体験を、これからあなたにしてもらおうと思う…
どうぞ。
狂気の『口移しのチョコレート』
吐いた方、すみません。
汚物は消毒です。
秋元康の謎に迫る:驚異の感性とライティング力
さて、ここからが本題。
66歳のおっさんが紡ぐ、刺激的な歌詞。鳥肌ものです。
とは言えもちろん、これは褒め言葉。というか、リスペクト。どんな教育を受けたら、このようなボキャブラリーが脳内を駆け巡るのか、羨ましい限りです。
(ちなみに僕と同じ中大文学部だが、こんな感性を磨く授業は、確か無かった)
秋元康の多彩な作品群
『川の流れのように』(美空ひばり):深い情感と日本の風景を織り交ぜた名曲
『クリスマスキャロルの頃には』(稲垣潤一):切ない恋心を繊細に描いたバラード
『ガラガラヘビがやってくる』(とんねるず):ユーモアたっぷりのコミカルソング
...そして、AKB48の「口移しのチョコレート」のような衝撃的な歌詞まで。
この守備範囲の広さ。改めてゴイゴイスーとしか言いようがありません。
秋元康の感性を紐解く
僕の世代だと、秋元康といえばやはりAKB48や乃木坂46に代表されるアイドルソングだろう。
なのでそこまで興味はないけれど…
今回はAKB48と坂道グループの中でも上位の人気曲の歌詞を取り上げつつ、イカれた感性に浸り、秋元先生の脳を解剖してみようと思う。
取り上げる楽曲はこちら。
これら人気曲のタイトルや歌詞を眺め、楽曲を聴き、そして浮かんできた特徴を4つ、紹介しようと思う!
① 感情の赤裸々な表現:
秋元先生の歌詞には、人間の素直な感情や欲求が率直に(直線的に)表現されているケースが多い。
恋に対する期待はもちろん、実らぬ恋への不安など、聞いてみると実に味わい深かった。具体的にみてみよう。
「大好きだ 君が大好きだ 僕は全力で走る
大好きだ ずっと大好きだ 声のかぎり叫ぼう
大好きだ 君が大好きだ 息が苦しくなるよ
しまっておけない 大声ダイヤモンド」
「好きって言葉は最高さ
好きって言葉は最高さ
好きって言葉は最高さ
感情吐き出して
今すぐ素直になれ!」
これはもう、分かりやすく赤裸々に、感情を伝えている。
大声ダイヤモンド、名曲だ。
他にも、みんな大好き『ヘビーローテーション』。
「I want you!
I need you!
I love you!
君に会えて
ドンドン近づくその距離に
MAX ハイテンション」
ちなみにこの、英語で畳み掛ける「 I ○○○ YOU!」構文は、モーニング娘。の生みの親、つんく率いるシャ乱Q『ズルい女』でも使用されており、
「Want you
Hold you
Get you
Kiss you
Miss you
Need you
僕のあんたへ
Bye-Byeありがとう さよなら
愛しい恋人よ……」
上記の通り、「( I ) ○○○ YOU!」アイを省略することで、逆に"アイ"を畳み掛けていくという、高度な技術を展開している。
秋元先生もスゴイが、さすが、つんく先生だ。彼もまた変態性の極みであり、僕のライティング師である。
話を戻そう。
次に紹介したい楽曲はこちらの『言い訳Maybe.』。
これは赤裸々な表現で伝えるラブソングではないけれど、その、リアルな「かもしれない感」が我々凡人の共感を誘う、至極の一曲。
「Maybe Maybe
好きなのかもしれない
それが恋だとわかっているけど
言い訳 Maybe」
「教室の窓 カーテンが揺れ
2学期の君はどこか 大人の横顔
『どんな休みを過ごしていたの?』
話し方が
ぎこちなくなりそうで…」
好きなのかもしれない。あくまでもメイビーだった。
しかし、夏休みという長く会えない時期が、彼女の思いをだんだん確信へと変えていく。
郷ひろみも言っているだろう。会えない時間が、愛を育てるのである。
「Maybe
Maybe
そんな勇気はない
Probablyに近い
もっと確かなもの
Maybe
Maybe
そんな勇気はない
ずっと このまま
片思いでいい
言い訳 Maybe」
メイビーよりはプロバブリー。
調べてみると、メイビーは50%くらいで、プロバブリーは80%ほどを表わすらしい。
つまり「好きかもしれない」ではなく、「たぶん好きになっちゃってる」。
そしてもし、これが実らない恋なのだとしたら…「私は片思いのままでいいんだ」という、「あの、なんとも言えない気持ち」を代弁してくれる。
オシャレだ。とても『口移しのチョコレート』と同じ人とは思えない。
そして、その思いは次第に強くなっていき……
「愛しくて 切なくて
どうにもできなくて
愛しくて 切なくて
僕は苦しい
好きだ 好きだ 好きだ
君のことが 本当は好きだ」
曲後半で、「好きだ」「本当は好きだ」と、赤裸々な、ストレートな表現へと変わっていく。
このリアルで切なくて、それでいてノスタルジーな「あの頃」を想起させてくれる秋元先生の歌詞……カタルシスが生まれるって、こういうことなんじゃなかろうか。
なんか、書いてて涙が出てきた。
あの頃の僕。高校生の僕。
嬉しいはずの夏休みが、なんだか寂しかったっけ。
いや違う。よく考えたら。
俺は男子校だった……
さて、一つ気づいたことがある。ファンの中では周知の事実なのかもしれないが、AKBの歌詞の一人称は「僕」が多い。
つまりこれは、男子の応援ソングにもなり得るし、女子の恋愛ソングにもなり得るということ…だろう。意図して使われているはずだ。
そして『大声…』『ヘビー…』のように、ストレートな恋愛観を歌うものもあれば、『言い訳…』『恋するフォーチュンクッキー』のように、
「恋愛に臆病」
「こわい」
「確信が持てない」
「自信ない」
「占ってよ…」
そんな悲観的ラブソングも、秋元先生には朝メシ前なのである。
アッパレ。
②イメージの鮮明さ:
彼女らの歌詞を眺めていると、すーっと情景が目に浮かんでくいる。つまりイメージしやすい。しかもそれが記憶と絡み合い、楽しくて嬉しくて、寂しくて切なくて、哀愁漂い、イマジネーションが活性化されていく。
例えば「情景描写」「五感を刺激する表現」「日常的な物事の比喩的使用」「季節感の活用」など。
「街の喧騒も闇に吸い込まれて」
「つま先から踊り出す」
「ポップコーンが弾けるように、好きという文字が躍る」
「立ち漕ぎの汗が揺れる9月のそよ風」
凡人の僕には、「好きという文字は踊らないし」「ポップコーンのように弾けたりもしない」。
しかしながら、「好き」というポジティブな気持ちが、胸の高鳴りと共に、ワクワク踊り出す…その感じが、ひしひしと伝わってくる。
冒頭一発目で度肝を抜かれるこの感覚は、
「だっけっど、気になる」
で始まる、ママレード・ボーイのオープニング以来の衝撃だ。
乃木坂46『サヨナラの意味』の、この表現も好き。
「電車が近づく 気配が好きなんだ
高架線のその下で耳を澄ましてた」
「電車が通過する 轟音と風の中
君の唇が動いたけど 聴こえない」
電車が「近づく」ときの「気配」と、「通過」するときの「轟音と風」。
そして「唇」に対し「動く」という使い方も、どこか無音の世界に誘っている感じがしてオシャレ。
それと、
「サヨナラに強くなれ」
「サヨナラを振り向くな」
って、シンプルでありながら、ものすごい力強さを感じる表現だと思う。
凡人なら「前に進もう」「過去を振り向くな」で終わり。洒脱。
そして、もう一つ。坂道グループに疎い僕すら知っているこの曲、やはり外せない。
『シンクロニシティ』。
もちろんポリスの方ではない。
「悲しい出来事があると 僕は一人で
夜の街をただひたすら歩くんだ
背中丸め俯いて
行く当てなんかないのに
雑踏のその中を彷徨う
キープゴーイング×2
すれ違う見ず知らずの人よ
事情は知らなくてもいいんだ
少しだけこの痛みを感じてくれないか?
信号を待つ間に
ちょっとだけ時間をいいかい?
この気持ちが分かるはずだ
シンクロニシティ
きっと誰だって誰だってあるだろう
ふいに気づいたら泣いていること
理由なんて何も思い当たらずに
涙がこぼれる
それは そばにいるそばにいる誰かのせい
言葉を交わしていなくても
心が勝手に共鳴するんだ
愛を分け合って
ハモれ」
情景が伝わってくるのはもちろん、名前も、どこにいるのかも分からないこの主人公の気持ちがシンクロしてくる。不思議だ。心が勝手に共鳴しちゃう。
さっきも、ふと気づいたら涙が溢れていた。男子校出身なのに。
それにもう一つ。
この曲は我々日本人に、「美しい母国語を正しく使おう」というメッセージが込められた、警鐘ソングとなっている。
傘は「開く」ものではない、「差す」ものである。
食事は「食べる」ものではない、「摂る」ものである。
意見は「言う」ものではない、「述べる」ものである。
そして「愛」は分けて「与える」ものではない。
分け合って「ハモる」ものなのである。
日本語は正しく使おう!
③言葉の意外性:
秋元先生は、異なる文脈の融合、予想外の言葉の組み合わせで印象的な表現を生み出す天才だ。
例えば、「フライングゲット」という言葉は本来、週刊誌とかゲームとかの文脈で使われることが多いが、それを恋愛という土俵に持ってくることで、新しい愛の表現の仕方を発明した。
ヘビーローテーション(ヘビロテ)も、本来は音楽シーンで使われることが多い言葉だが、その抽象度を高め恋愛に転用している。
決して「愛してる」とは言わない。
「ラブフラゲ」であり、「じゃんじゃん溢れる愛しさ」なのである。
異なる文脈の融合に限らず、造語の発明、異色な言葉の掛け算も秋元先生の得意芸。馴染みがないので、一瞬「ん?」と違和感が過るが、それがまた面白い。
こちらは『フライングゲット』の歌詞の一部である。
「自惚れ温度は急上昇」
「君が僕に恋を恋をしてるのは鉄板」
「僕が君にゾッコンゾッコンなのは無双」
「自惚れ度合い」を「温度」という単位に書き換え、「上昇」という言葉で馴染ませる。これまで当たり前に聴いていたけど、改めて考えるとスゴい。こんなフレーズがゴロゴロ転がっている。
あと「鉄板」とか「無双」とか、まず恋愛の文脈で使うというアイデアを思いつかないし、思ったとて、くっつけるには勇気がいる。意味も分かるようで分からない、でもちょっと分かる程度。
だけど、その違和感が心地よい。歌いたくなる。
鉄板って言葉を使いたくなるんだよ……
型破りなワードチョイスの塩梅が絶妙で、他の有象無象とは天地の差がある。耳にこびりつくし、熱狂した野郎どもがCDを何十枚も買うわけだ。
「フライングゲット
予約待ってるような
まわりの男たちを出し抜いて
得意げに ラブ・フラゲ!」
予約して良い子で待ってるようなヤツはダメ。男ならフラゲして奪い取る。
2008年頃から流行り出した、いわゆる草食男子。
「コイツらをを根絶やしにし、もう一度元気な日本をとり戻そう」
そんな気概さえ感じる、激動のバブル時代を生き抜いた、肉食・秋元康による応援歌。
……と解釈するのも、可です。
さて、人気ランキングを独占する乃木坂46ではあるが、その中に食い込んできたのが、欅坂46(現 櫻坂46)の『サイレントマジョリティー』。
まずは抜粋したリリックを味わっていただきたい。
「先行く人が振り返り
列を乱すなとルールを解くけど
その目は死んでいる」
「君は君らしく
生きて行く自由があるんだ
大人たちに支配されるな
初めから そうあきらめてしまったら
僕らは何のために生まれたのか?
夢を見ることは時には孤独にもなるよ
誰もいない道を進んだ
この世界は群れていても始まらない
Yesでいいのか?
サイレントマジョリティー」
「どこかの国の大統領が
言っていた(曲解して)
声を上げない者たちは
賛成していると…
選べることが大事なんだ 人に任せるな
行動しなければ Noと伝わらない」
「君は君らしく
やりたいことをやるだけさ
One of themに成り下がるな
ここにいる人の数だけ道はある
自分の夢の方に歩けばいい
見栄やプライドの鎖に繋がれたような
つまらない大人は置いて行け
さあ未来は君たちのためにある
No!と言いなよ!
サイレントマジョリティー」
AKB48の恋愛ソングや、乃木坂46の美しい世界観とは、明らかに路線が異なり、よりメッセージ性が強いのが伺える。
この曲だけしか知らないので、欅坂46というグループがそうなのかは分からないが…
「目が死んでいる」「支配」「曲解」「見栄やプライドの鎖」
言葉が強い。主張も強い。
これは一体、何の掛け算なのだろう…ということで僕なりのアンサーはコレ。
「アイドル」×「ビジネス本(≒自己啓発書)」
もちろん、もちろんだが、バカにしていない。
下記、由々しき事態をご存じだろうか。
あなたは本を読んでいますか?
令和の世、読書をしない人がほとんどだと言う。
当然、ビジネス書も含まれる。そこからは、自己成長を楽しみ、出世して稼ぐ、自己実現を目指す野心を持った人間もどんどん減っている…という事実さえ見えてくる。
つまりこの曲は、愛国者・秋元康の優しさだ。
先ほどの『シンクロニシティ』(美しい日本語を取り戻す歌)や、『フライングゲット』(ナヨナヨした頼りない男を正す歌)と、根底に流れる信念は同じ。「失われた日本を取り戻す」である。
本も読めない能無し。頭を使い考えることを放棄するバカども。そんな奴らに、「読書は人生を豊かにする」と言っても通じるわけがない。
そこで秋元康は考えた。カワイイ女の子によるビジネス書のオーディオブックを作ればいいと……
現にこの楽曲は、2023年の坂道グループの中で1番歌われているらしい。それはつまり、
「目が死んでいない」
「大人たちに支配されない」
「曲解された情報に惑わされない」
「見栄やプライドの鎖に縛られない」
そんな「No!」と言える人間が増えていることを意味するわけ。
サイレントマジョリティ。
恐るべしだ・・・(笑)
何の話をしてたんだっけ。
(秋元康の言葉のチョイスの秀逸さについてです…)
続いてはこちら。
この楽曲『ここにはないもの』のリリースは2023年なので、それでランクインしてきたのだろう。乃木坂らしい綺麗な言葉が並び、心のモヤモヤが浮かんでくる、まずはそんな冒頭の歌詞をどうぞ。
「夜になって
街の喧騒も闇に吸い込まれて
僕はやっとホッとして
着ていた鎧を脱ぐ
それは大人たちに
去勢を張る姿じゃなくて
思い悩み背中を丸める無防備な自分
と言って嘆こうにも
具体的な不満なんて
何も思い当たらないんだ
次の朝が来る前に 予測変換の日々
リセットできないか?
昨日と同じ景色は もううんざりだ
ホントの空の色を
きっと僕はまだ知らない」
この記事の趣旨からは逸れるが、言わせて。
冒頭のこの字余り感あふれる歌い方。僕の耳には長渕剛で再生される。
カラオケで歌いたくなる気持ちは分からんでもない…
時を戻そう。
具体的な不満はない…しかし満たされない何かは確かに存在している。
仮面をかぶって(自分を偽って)生きているのが、なんかヤダ。でも、みんなそうしてるわけだし…。とはいえ、ホントの空の色も見てみたい。
我々現代人は、各々がメディアを持ち発信するようになったからか(このnoteもそう)、「人によく見られたい」「すごいと思われたい」という承認欲求が、より強く、根深い悩みになっているのかもしれない。
自分を偽らざるを得ない世界と、そこからの脱却。華やかなSNS社会の表と裏。現代社会が抱える「葛藤」という名の病……それがテーマなのである。
(※ 多分違います)
「寂しさよ 語りかけるな
心が折れそうになる
人間は誰もみんな
孤独に弱い生き物だ
それでも一人で行くよ
まだ見ぬ世界の先へ
夢とか未来を僕にくれないか?
ここにはないものを…」
「よっ!秋元っ!」
そう言いたくなる、お家芸。感情の擬人化。
覚えておこう。
感情に人格を持たせるほどに、そのパワーは強く、そして切なくなるのである。
というわけで、最後の曲はこちら。
「地球と太陽みたいに
光と影が生まれて
君を探してばかり
距離は縮まらない
重力 引力 惹かれて
1から10まで君次第
存在するだけで
影響 与えてる
インフルエンサー」
これは1を100の規模感で伝えるという、覚えておきたいノウハウ。
何のことはない。
テーマは「インフルエンサー」。
つまり「影響力」について。
想像してほしい。
「私にとって、彼という存在がどれほど影響を与えているのか」
凡人のあなたは、どう表現しますか?
「夜も眠れない」
くらいスキ
「既読無視されたら胃に穴が空いちゃう」
くらいスキ
否。
「地球と太陽みたいに
存在するだけで引力で惹かれ合う」
くらいスキ
これが、正解だ。
日常のことを引き合いに出すのではなく、その言葉が持つポテンシャルギリギリの馬鹿でかいスケールの概念をぶつけてあげよう。
僕らの想像なんて、全くもって乏しいのだから・・・
④多様なペルソナの使い分け:
だんだん不真面目な文章になってきたので、最後にライティング的な話もしておきます…笑
秋元康の歌詞に浸るに、歌い手や聴き手に合わせて、異なる「声」を使い分けていることが明らかである。
AKBによる「恋心」の表現、乃木坂46による「間接的な愛や葛藤」の表現、そして欅坂46の「ビジネス・自己啓発」的な内容(…笑)。
もちろんここには、年代も大きな影響を与えている。
当たり前だ。おニャン子の歌詞など、僕の心には響かない。
ただ、時代が変われば恋愛観も変わるように、言葉のチョイスや表現の仕方も一変する。それが、AKB→坂グループの歌詞の変容に見られるし、それはつまり、こう言っているようなものだろう。
「不感症になるな!
感度ビンビンで時代を読め」
そしてそのためには、「誰に」届けるのかが重要なんだと思う。
「川の流れのように」「ガラガラヘビがやってくる」があれだけヒットしたのも、「誰に」「何を」届けたいのかがあり、その時代の文法と表現がうまく合致したからなのではなかろうか。
これは、いわゆるビジネスライティングでも大事なこと。
そこいらの女性をひっつかまえて、
「健康にいいから青汁を飲みましょう」
と言っても誰も飲まない。
じゃあ、どう言えばいいのだろうか。
「肌がぴちぴちになり、化粧のノリが良くなる」
と言えば、20代や30代の女性が振り向いてくれるかもしれない。
あるいは、もっと高齢の女性に飲ませたいなら、
「とにかく健康にいいよ、孫の結婚式みたいでしょ」
と言えばいいし、
お酒が生き甲斐の女性であれば、
「もうお酒飲めなくなってもいいの?」
と伝えると効果的かもしれない。
ペルソナというとビジネスチックだが、でも伝えたい相手が決まっているからこそ、その人に刺さる言葉が生まれていくものだ。
あとは時代のトレンドをつかみ、表現力を総動員し、
「青汁飲め、生きろ、ババア!」
なのか
「ずっと、愛する人といたいよね」
なのか
「君は君らしく、青汁F○CK!」
なのか。
なんか、よく分かんないけれど。
そういうことです!!
オリジナリティ溢れる言葉の創造 2つアプローチ
【大前提①】恥じらいを捨てよう:
自分の内なる声に正直になること。「こんなこと言ったら恥ずかしい」という思いを脇に置いて、素直な感情を言葉にしてみよう。読者は意外とそんな赤裸々な表現に共感するものです。
例:「彼女の笑顔を見ると、心臓がバクバクして、手のひらから汗が噴き出す」
【大前提②】読み手を想像する:
上に書いた通り、どんなにオリジナリティ溢れる言葉や表現力があったとしても、20代向けの恋愛ソングはおばあちゃんには刺さらない。ガラガラヘビと言われても、女の子がピンとこないのも同様。想像してみましょう。
【手法1】五感を刺激する表現:
視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚を意識した表現を心がけます。読者の脳裏にリアルな情景が浮かぶような文章を目指しましょう。
例:「コーヒーの香りが鼻をくすぐり、舌の上でビターな味が踊る」
【手法2】意外性のある言葉の組み合わせ:
普段は一緒に使わないような言葉を組み合わせてみましょう。それによって、読者の注意を引き、印象に残る文章が書けます。
例:「静寂が叫ぶ夜」「優しさに殴られる」
【実践】秋元康風ライティング・エクササイズ
さあ、ここからが実践です。
次のテーマで、秋元康風の刺激的な一文を作ってみましょう。
テーマ:「初恋」
まずは恥ずかしがらないこと。あなたから「口移しのチョコレート」よりキモいフレーズは出てこないので、安心してください!
それと、読み手を誰にするのかも大事!
淡い恋心なのか、ババアの走馬灯なのか。
よかったら恥じらいを捨てて、コメント欄に書いてみましょう…!
参考例
「初恋は青春の風船、膨らむほどに切なくなる」
「君の笑顔は毒りんご、一噛みごとに深みにはまる」
「君との距離は逆算方程式、近づくほど答えが遠のく」
「初めての恋は曇りガラス、指でなぞって少しずつ君が見えてくる」
「君の声は春の目覚まし、眠っていた心を叩き起こす」
「初恋の味は青いレモン、酸っぱさの中に甘さが隠れてる」
「君との出会いは突然の日食、真っ暗な世界で君だけが輝いてる」
「初恋の色は透明なクレヨン、見えないけど確かに心に描いてる」
「君の笑顔はトキメキ花火、一瞬の煌めきに心を奪われる」
「初恋は無重力エレベーター、上がるのか下がるのか分からないまま」
by 生成AI
恥じらいを捨てて、創造性を解き放とう
秋元康から学べることは、結局これに尽きます。
「恥ずかしい」という感情を拭い去れば、人のイマジネーションは無限になる。
誰もがみな、自分の創造性に蓋をしてしまっているってことだ。
もちろん、言葉のチョイスも大事。それに表現力があるからこそ、僕らは秋元節に議論の花が咲くのである。
だけれども、その根底にあるのは「恥ずかしさ」の払拭。
ヌーディストビーチで仁王立ちする勇気が、僕らには必要だってことなんだろう。
払拭できてやっと、レベル1。
ラスボス秋元に挑むのであれば、払拭ではなく、欠落していなければならない。
そんなライティングができたら…
ワクワクしますね。。。。
まとめ
秋元康はキモいです。
ですが、そのキモさに、僕らは惹かれているのです。(愛してます)
あなたも自分の中の秋元康を引き出してください。
変態性を文体から、表現から、滲ませてください。
だから濃いファンができると思うんです。
noteで気軽に情報発信できるから、当然、発信者の数も増えているわけだ。
だから、埋もれないこと。
そんな文章が書ければ、楽しいですよね。
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