日本選手権の熱を青森でも! 全国高校選手権が開幕
先日まで日本カーリング選手権大会が札幌市のどうぎんカーリングスタジアムで開催され、連日レベルの高い熱戦が続き、男子はコンサドーレ、女子はSC軽井沢クラブが優勝して幕を閉じたばかりだが、今週は青森市のみちぎんドリームスタジアムで高校生の全国大会が開催される。
素晴らしい熱戦を目の当たりにして刺激を受けた若い選手たちが、青森の地で戦いの火花を散らせる。
第19回 全農 全国高等学校カーリング選手権大会は、2月8日(木)から11日(日)の日程で、青森県青森市のみちぎんドリームスタジアムで開催される。
この大会には、男女各5チームが参加している。まずは、この大会の概要から。
主催は公益社団法人日本カーリング協会と青森市、全国高等学校カーリング選手権大会実行委員会。特別協賛として、全国農協協同組合連合会(JA全農)。
会場は、2002年にオープンした青森県青森市合浦1丁目にあるみちぎんドリームスタジアム。正式名称は青森市スポーツ会館だが、みちのく銀行が2014年にネーミングライツを取得し、今年3月31日まではこの名称。管理運営は、スポーツネット青森が行っている。
ゲートボール等ができる屋内グラウンドや柔道・剣道・弓道の武道場、そして現在は通年で4シートのカーリング場となっている多目的運動場のほか、屋外にはサッカーやラグビーができる天然芝の広場などを備えた「総合スポーツ施設」だ。
2007年には、日本オリンピック委員会がカーリング競技強化センターに認定した。総務省・文部科学省の「スポーツ拠点づくり推進事業」に選定された全国高等学校カーリング選手権大会が毎年開催されている。
多目的運動場には観覧席が112席と車椅子用4席があり、2階にも観覧席が160席と車椅子用3席がある。
2003年にパシフィックカーリング選手権大会が開催されたほか、2006年(女子のみ)、2009年、2012年、2016年には日本カーリング選手権大会が開催されている。
ちなみに1階には、青森が生んだWBA世界フライ級チャンピオン、レパード玉熊の世界チャンピオンのトロフィー、日本チャンピオントロフィー、ガウン、ボクサーパンツ、荒川区民栄誉賞、青森市民栄誉賞などが展示されている。
青森市には、この他にカクヒログループスタジアム(青森市民体育館)、盛運輸サンドーム(青森市屋内グラウンド)、大進建設スポーツ広場(青森市スポーツ広場)、ダイシンベースボールスタジアム(青森市営野球場)と、ネーミングライツを採用したスポーツ施設がいくつもある。
全国高等学校カーリング選手権大会は、2006年にスタート。他の主な大会は開催地が移動するが、この大会は毎回みちぎんドリームスタジアムが会場で固定されている。
カーリング競技は全国高等学校体育連盟には加わっていないが、この大会は青森県高体連が後援として関わっている。
男女とも各5ブロック(北海道・東北・関東中部・西日本・開催地推薦)より1チームずつが出場する。ただし、棄権ブロックが出た場合は大会特別枠として他ブロックに複数枠を与える場合がある。さらに今大会は、後述するように広域にまたがったチームもあり、変則的になっている。
大会はステップラダー方式を採用。5チームによる2日間の予選リーグで上位3チームが最終日の決勝トーナメントに進み、優勝を争う。
なお、出場チームは高校単独チームと選抜チームが混合している。
2006年の第1回大会の優勝は、男子が長野県選抜(清水徹郎・坂本優希・松村雄太・両角公佑)、女子が北海道選抜(近江谷杏奈・田房 恵・江田茜・松井千愛)だった。
2009年の第4回大会では吉村紗也香選手や石垣真央選手の常呂高校、2013年の第8回大会では田中美咲選手や石郷岡葉純選手の東北選抜、2014年の第9回大会では北澤育恵選手や中嶋星奈選手の関東中部選抜が優勝するなど、未来のトップアスリートの登竜門的な大会と言える。
また、2020年の第15回大会の男子には熊本農業高校が参加したり、西日本の若い選手たちが経験を積む貴重な場ともなっている。
最近の優勝チームは次の通り。
【男子】 【女子】
2016年(第11回)北海道選抜 長野県選抜
2017年(第12回)北海道選抜 長野県選抜
2018年(第13回)青森県選抜 長野県選抜
2019年(第14回)青森県選抜 南富良野高校
2020年(第15回)青森県選抜 北海道選抜
2021年(第16回) 中 止
2022年(第17回) 中 止
2023年(第18回)北見選抜 東北選抜
2021〜22年はコロナ禍の影響で中止となっていたが、昨年第18回大会が3年ぶりに開催。準決勝・決勝の結果は以下の通り。
☆男子
◎準決勝
青森・岩手・北海道合同 5-2 南富良野選抜
決勝
◎決勝
北見選抜 6-4 青森・岩手・北海道合同
🥌北見選抜
中原 太亜(常呂)
道谷 陽太(網走桂陽)
竹村 璃久(常呂)
木村 優太(常呂)
★女子
◎準決勝
帯広選抜 8-1 長野県選抜
◎決勝
東北選抜 7-1 帯広選抜
🥌東北選抜
鈴木 凛(青森明の星)
永谷 純奈(青森東)
相澤 天(青森)
松山 心優(青森山田)
男子の北見選抜の中原太亜選手は、日本選手権で第3位入賞のLOCOSOLAREのサード中原亜星選手の弟。女子の東北選抜の鈴木凛選手は昨年暮れの北海道ジュニア選手権に札幌ジュニアの助っ人で参戦し、準優勝に貢献。3月の日本ジュニア選手権には4年連続での出場を果たす。
昨年の大会には、他にも男子準優勝の青森・岩手・北海道合同チームには、先週の日本選手権でチーム佐藤のスキップとして出場していた佐藤航英選手(青森東)と同じく日本選手権で欠場した青木豪選手の代わりに出場して好ショットを決めていた小林駿汰選手(網走南ヶ丘)が所属していた。
また、女子の札幌選抜には、ジュニア強化チーム Cの京藤乃愛選手(札幌月寒)と敦賀心羽子選手(市立清田)がいた。また、帯広選抜には、佐藤選手とともにユースオリンピックの混合団体でプレーした市山ひまり選手(帯広三条)も参加していた(所属高校はいずれも昨年時)。
今年の大会にも、きっと1年後には「あの時のあの選手!」となるような原石が出場するはずだ。
それでは、男女各5チームを紹介しよう。
男子は名寄・南富良野選抜など5チーム
🥌名寄・南富良野選抜(北海道ブロック)
山口 昂大(名寄)
松永 昊晴(富良野)
伊井 雄斗(名寄)
長坂 泰知(名寄)
楢山 春希(名寄)
チーム関係者:山口 修明、長坂 恭行
🥌帯広選抜(北海道ブロック)
松浦 零(帯広柏葉)
太田 一平(帯広柏葉)
下川平 駿(芽室)
池原 透真(帯広三条)
チーム関係者:川平 景虎
🥌青森・長野合同(東北ブロック)
佐藤 航英(青森東)
吉本 暁篤(青森中央)
阿部 悠人(青森中央)
川村 知也(青森東)
藤井 海斗(上田千曲)
チーム関係者:青田 しのぶ
🥌軽井沢高等学校(関東・中部ブロック)
久保田 弥晴(軽井沢)
佐藤 佑真(軽井沢)
清水 大燿(軽井沢)
佐貫 啓斗(軽井沢)
チーム関係者:小泉 聡、宮坂 祥司
🥌青森明の星高等学校(開催地推薦)
松原 和志(青森明の星)
月永 灯真(青森明の星)
船橋 涼斗(青森明の星)
齊藤 壮(青森明の星)
千葉 海翔(青森明の星)
チーム関係者:星野 静香、中村 義人、蒔苗 新一
女子は北海道選抜など5チーム
🥌北海道選抜(北海道ブロック)
中村 碧音(星槎国際)
佐藤 七希(帯広柏葉)
稲田 愛輝(東海大付属札幌)
市山 ひおり(帯広三条)
チーム関係者:川平 操子
🥌東北選抜(東北ブロック)
相澤 芽衣(八戸高専)
高橋 凛(青森)
相澤 一香(青森)
楠美 蓮花(青森明の星)
神 陽子(青森)
チーム関係者:中村 幸彦
🥌長野県選抜(関東・中部ブロック)
渡辺 葵衣(佐久長聖)
新井 湖晴(S)
篠原 聖來(佐久長聖)
池田 有理奈(上田)
高橋 ゆき奈(岩村田)
チーム関係者:柏木 由美子
🥌広島・青森・岩手合同(西日本ブロック)
鈴木 凛(青森明の星)
相澤 天(青森)
山内 春奈(AICJ)
木村 美咲(盛岡第二)
チーム関係者:岡本 光明、鈴木 昌憲
🥌青森明の星高等学校(開催地推薦)
唐牛 叶愛(青森明の星)
成田 麗(青森明の星)
渋谷 花凛(青森明の星)
山口 奈優(青森明の星)
工藤 真嘉(青森明の星)
チーム関係者:星野 静香、中村 義人、蒔苗 新一
大会スケジュール
日程初日の2月8日(木曜日)は講習会や選手交流会などが行われた。全農広報部 スポーツ応援アカウントの𝕏(旧Twitter)を引用してご紹介しよう。
▽2月9日(金曜日)
09時00分~ 公式練習
12時00分〜 競技1
🄰シート 男子/帯広選抜 vs 名寄・南富良野選抜
🄱シート 女子/広島・青森・岩手合同 vs 北海道選抜
🄲シート 女子/青森明の星高等学校 vs 東北選抜
🄳シート 男子/青森・長野合同 vs 軽井沢高等学校
15時30分〜 競技2
🄰シート 女子/広島・青森・岩手合同 vs 長野県選抜
🄲シート 男子/青森・長野合同 vs 青森明の星高等学校
19時00分〜 競技3
🄰シート 女子/北海道選抜 vs 青森明の星高等学校
🄱シート 女子/東北選抜 vs 長野県選抜
🄲シート 男子/軽井沢高等学校 vs 帯広選抜
🄳シート 男子/名寄・南富良野選抜 vs 青森明の星高等学校
▽2月10日(土曜日)
09時30分~ 競技4
🄰シート 男子/名寄・南富良野選抜 vs 青森・長野合同
🄱シート 男子/青森明の星高等学校 vs 帯広選抜
🄲シート 女子/東北選抜 vs 広島・青森・岩手合同
🄳シート 女子/長野県選抜 vs 青森明の星高等学校
13時00分〜 競技5
🄱シート 男子/軽井沢高等学校 vs 名寄・南富良野選抜
🄳シート 女子/北海道選抜 vs 東北選抜
16時30分〜 競技6
🄰シート 男子/青森明の星高等学校 vs 軽井沢高等学校
🄱シート 女子/青森明の星高等学校 vs 広島・青森・岩手県
🄲シート 女子/長野県選抜 vs 北海道選抜
🄳シート 男子/帯広選抜 vs 青森・長野合同
▽2月11日(日曜日)
09時00分~ 競技7・男女準決勝
🄰シート 決勝進出男子チーム練習
🄱シート 男子準決勝 予選2位 vs 予選3位
🄲シート 女子準決勝 予選2位 vs 予選3位
🄳シート 決勝進出女子チーム練習
13時00分~ 競技8・男女決勝
🄱シート 男子決勝 予選1位 vs 準決勝勝者
🄲シート 女子決勝 予選1位 vs 準決勝勝者
決勝終了後 表彰式
YouTubeで配信
昨年の大会は🄱🄲シートの模様がYouTubeで配信された。今年も同様になると思われる。詳細が発表され次第追記する。
今年は現地観戦がOKに
会場のみちぎんドリームスタジアムに直接問い合わせをしたところ、今年の大会は現地での観戦が可能とのこと。
コロナ禍明けの昨年の大会は無観客開催だったが、今年は1階・2階いずれの席でも利用しての観戦が無料でOKという。
なお、上履きを持参する必要はなく、そのまま中に入れるとのことだ。
日本選手権が終わっても、高校生の熱戦、そして世界ジュニア、日本ミックスダブルス⋯ と大会は続く。まだまだカーリングロスになるには早い。
現地青森での観戦、あるいはYouTube配信、SNSを通じて、伸びしろたっぷりの選手たちを応援しよう。
地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。