見出し画像

世界車いすBカーリング選手権で日本が決勝トーナメント進出!

フィンランドのロホヤで、2022世界車いすBカーリング選手権が現地時間10日まで開催されている。
世界車いすBカーリング選手権は2015年から始まった大会で、世界カーリング連盟が主催する世界車いすカーリング選手権の予選大会。この大会の上位 (2015年と2016年は2か国、2018年以降は3カ国) は、世界車いすカーリング選手権に出場する権利を得る。
この大会は、第1回大会からロホヤで開催され続けている(2017、2020年は大会自体が開催されなかった)。
過去5回の大会は、ノルウェー、フィンランド、エストニア、カナダ、アメリカが優勝していて、日本はまだメダルの獲得もない。ただ、日本は予選を5戦5勝でグループAの1位通過を決めており、初のメダル獲得の期待が高まっている。

車いすカーリングのルールや歴史などについては、北京パラリンピックの時に書いた記事をご覧いただきたい。

🥌日本代表は北見フリーグス+札幌ブレイブス

この大会で日本代表の中心として戦っているのは、第18回日本車いすカーリング選手権で3年ぶり4度目の優勝を全勝で遂げ、今年が結成11年目の北見フリーグスの3人で、さらに同選手権の決勝で好勝負を演じた札幌ブレイブスから2人が参加している。
メンバーはリード・松田華奈、セカンド・高橋宏美、サード・柏原一大(Vice-Skip)、フォース・坂田谷隆(Skip)、リザーブ・赤澤翼の5選手。高橋選手と赤澤選手が札幌ブレイブスの選手だ。北見フリーグスでは岩田勉選手もプレーしているが、今大会には出場していない。
今年の大会は12ヵ国が参加していて、日本はグループAに入った。グループ分けは次の通り。

グループA⋯イングランド、フィンランド、イタリア、日本、ポーランド、スイス

グループB⋯チェコ、デンマーク、エストニア、ドイツ、ハンガリー、カザフスタン

ラウンドロビン(予選)はグループ内1回総当たりで、決勝トーナメントには各グループの3位までが進める。
各グループ1位のチームは直接準決勝に進出できる。2位のチームは、他のグループの3位のチームとクオリフィケーションゲームで対戦し、勝者が準決勝に進む。

日本のラウンドロビンの戦いを振り返ると⋯⋯

◎Session1
イタリア🇮🇹🔨
0010 1021 0=5
0202 0100 2=7
日本🇯🇵

◎Session3
ポーランド🇵🇱
0003 2020=7
2210 0201=8
日本🇯🇵🔨

◎Session5
イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿
0001 010X=2
3210 101X=8
日本🇯🇵🔨

◎Session7
日本🇯🇵
0030 2020 1=8
2101 0102 0=7
スイス🇨🇭🔨

◎Session9
日本🇯🇵🔨
1330 101X=9
0001 040X=5
フィンランド🇫🇮

スキップの坂田谷選手は日本車いす選手権後の取材に対し、「作戦面をもっと考えなければ」と課題を口にしていたそうだが、後半に自信を持っていたというチームが、前半から積極的に点を奪いに行き、逃げ切る形が多かったのは札幌ブレイブスとの融合の賜物かもしれない。
そして、1点逆転されて後半を迎えたスイス戦は、北見フリーグスの持ち味の後半の粘り強さが発揮されて、エキストラエンドに持ち込まれた接戦を制した。

🥌グループA最終成績

❶5-0日本🇯🇵    Q
❷3-2イタリア🇮🇹  Q
❸3-2スイス🇨🇭   Q
④2-3イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿
⑤1-4フィンランド🇫🇮
⑥1-4ポーランド🇵🇱

※同成績の場合は、直接対決で勝った国が上位

イタリアのスキップのエヒディオ・マルケーゼ選手は、2006年と2010年の冬季パラリンピックに参加した経験がある。イタリアチームはそれぞれ7位と5位になった。また、世界車いす選手権にも6回出場したことがある。
スイスのスキップのローラン・クノイビュール選手は、北京パラリンピックでもスイス代表を率いたが、チームは最下位の11位だった。バイススキップのマルセル・ボーデンマン選手とリードのベアトリクス・ブラウエル選手は2018年の平昌パラリンピックに出場し6位。

🥌グループB最終成績

❶4-1デンマーク🇩🇰 Q
❷4-1チェコ🇨🇿   Q
❸3-2ドイツ🇩🇪   Q
④2-3エストニア🇪🇪
⑤2-3ハンガリー🇭🇺
⑥0-5カザフスタン🇰🇿

※同成績の場合は、直接対決で勝った国が上位

デンマークのスキップのケネス・エルベック選手は、2006年のトリノパラリンピックに出場し、デンマークは5位だった。2005年の世界車いすカーリング選手権では銀メダルを獲得している。
女性カーラーのダナ・セルネコビコワ選手がスキップのチェコは、先月のプラハ車いす選手権で銅メダル。セルネコビコワ選手は、2020年の世界車いすBカーリング選手権ではサードスキップ。
ドイツのスキップのクリスティアーネ・プッツィ選手は、2010年と2018年のパラリンピックに出場。また、世界車いすカーリング選手権には5回出場経験がある。リードのハイケ・メルヒオール選手も2018年平昌パラリンピックに出場。

🥌決勝トーナメントの結果と日程

記載の開始時刻は日本時間(ロホヤとは時差が−7時間)

◎クオリフィケーションゲーム
B2位チェコ🇨🇿🔨
0032 1022=10
2100 0300=6
A3位スイス🇨🇭

B3位ドイツ🇩🇪
1100 104X=7
0010 010X=2
A2位イタリア🇮🇹🔨

◎準決勝
B2位チェコ🇨🇿
0300 021X=6
1010 100X=3
A1位日本🇯🇵🔨

B1位デンマーク🇩🇰🔨
1300 2011=8
0011 0100=3
B3位ドイツ🇩🇪

◎3位決定戦
10日17時〜
ドイツ🇩🇪 × 日本🇯🇵

決勝
10日22時〜
デンマーク🇩🇰 × チェコ🇨🇿

🥌試合の配信

試合の模様は、Curling FinlandのYouTubeチャンネルで配信される。

開催地のロホヤといえば、今年1月に世界ジュニアBカーリング選手権が開催された地。
日本からは常呂ジュニアが出場し、ラウンドロビンを5戦全勝で通過したものの、コロナ禍により大会が途中打ち切りとなり、世界ジュニアカーリング選手権出場の道が絶たれてしまった苦い思い出の場所。
今度は最終日まで無事開催され、日本代表には世界車いすカーリング選手権の出場権をつかんでほしいと願っています。3位決定戦に勝てば手中にできます。
日本代表の車いすカーラーに熱い声援をよろしくお願いします!

※当記事はSmart Newsに紹介されました。

地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。