ICE GOLD CUP2019男子の部は20日開幕!
13日から16日にかけて帯広市のカールプレックスおびひろで開催されていた「ICE GOLD CUP2019」女子の部は、SC軽井沢クラブJr.aが優勝。落ち着いた試合運びが目につき、また技術も安定していて、将来的に4強に割って入る可能性もあるかもしれない。
準優勝のチーム札幌、3位のTeam Tanaka、4位のSTRAHLも随所に光るところをみせた。Team Tanakaのスキップの田中美咲選手が3位を決めたぎりぎりのところを通したスーパーショットは特にゾクッときた。
その他のチームでもMIPに選ばれたチーム桜人の青田しのぶ選手をはじめ、印象に残った方が何人もいた。各チームの今季のますますの活躍を期待したい。
ICE GOLD CUPの歴史は女子の部で書いたのでそちらをご覧いただくとして、こちらではICE GOLDとはなんぞやという話を少し。
カールプレックスおびひろの裏手にある建物の外壁にあった看板がこれ。「寒冷気候は宝物」なのである。カーリング場を通年稼働させるためには
多くのランニングコストが必要となる。そこでカールプレックスおびひろでは、冬季の気候を利用して製氷を行い、夏季にその冷熱を活用するアイスシェルターの技術を導入しているのだ。
建物の中に250㌧もの氷を貯蔵し、除湿・冷房・換気に利用することで環境にやさしくコストを抑えた運営を実現している。なかなか冬の寒さからエネルギーを得るとか考えにくいが、「冬の寒さは無限の資源」というコンセプトで、活用する研究や開発に努めてきたという。
これまでに雪冷熱を使った冷房はあるが、雪の場合は年によって降雪量に違いが出てきたりする悩みがある。一方、アイスシェルターは、「貯水庫」に水をはったコンテナを置いた施設である。冬季に自然の冷気で水を凍らせ、夏季には氷が解けて冷気を発することで低温を保つ。アイスシェルターは積雪量の多寡にかかわらず0度を下回る寒冷な気候であれば活用が可能なのだ。
また、ため置いた水がエネルギー源なので、雪のように運搬のためのエネルギーやコストをかける必要がないのも特長だ。とても理に適ったものであり、エコという観点からもすぐれた施設といえ、今後カーリング場にかかわらず同規模の建物をつくる時に大いに参考にしてほしいものだ。
さて、それでは20日から23日にかけて開催されるワールドカーリング「ICE GOLD CUP2019」男子の部に出場する全12チームを紹介していこう。予選リーグは、A・B2つのブロックに6チームずつ振り分けられ、1回総当たりで戦う。両ブロックの最上位は準決勝直行、2位は別のブロックの3位と準々決勝を戦い、勝者が準決勝に進み、敗者は5位決定戦に回る。
🥌Aブロック
☆KiT CURLING CLUB (北見)
平田 洸介、臼井 槙吾、三浦 善也、鹿野 大貴、目黒 良太
コーチ小林 博文
昨年の優勝チーム。今季は十鳥聡太選手に代わって元は高校球児だった鹿野選手が加入。さらに今大会は臼井選手の大学の後輩の目黒選手が加わった。8月下旬、カナダの大会に遠征したが2勝3敗で総合9位だった。新チームとしては国内初戦になるが、平田選手はアドヴィックスカップでSC軽井沢クラブの助っ人としてプレーしていたのは記憶に新しい。目黒選手と、平田選手の「かわいい後輩」鹿野選手のプレーぶりが躍進のカギか。
☆C.O.C.C. (帯広)
川平 景虎、川平 晴信、木下 航希、藤井 雅之、坂口 嘉啓
カールプレックスおびひろのチーム。川平景虎選手は普段はアイスメイカーなど大会を運営する側で、先週の女子の部ではツイッター用の動画を撮影したり動画配信を担当したり八面六臂の働きぶりだったが今回は選手として出場する。坂口選手と藤井選手は帯広市役所で道東選手権準優勝の経験あり。坂口選手はミックスダブルスでも活躍している。木下選手はKiTの鹿野選手とともに北見工大で全日本大学選手権優勝。地の利を生かす。
☆東京CROSS (東京)
椿 亮輔、小野寺 浩太、小野寺 陸、荻原 諒、大沢 直史
新チーム東京CROSSがいよいよベールを脱ぐ。元軽井沢WILEのスキップとして日本選手権にも出場した荻原選手と、元議員秘書の経歴を持ちミックスダブルスでも好成績をあげている小野寺浩太選手、浩太選手とは血の繋がりはない小野寺陸選手、元東京FREEDOMの椿選手、筑波大学のミスターコンテストに出場する大沢選手……と個性に富んだ選手たちは、小野寺浩太選手のツイートによるとこの大会で初めて5人が揃うのだとか。
【追記】
はたしてメンバー5人全員が揃うのは何時なのか……。
☆Maple leafs (神奈川)
塚本 俊、青木 学、長沼 辰徳、塚本 達、笠原 暢仁
2018年の第4回盛岡市アイスリンクメモリアルカップ優勝、2017年のミネベアミツミカップ優勝など実力は確か。2005年までは名解説者・故小林宏さんが所属していたという歴史も古いチームだ。塚本達(さとる)選手と笠原選手は、2015年日本ジュニア選手権でチーム塚本として3位入賞。塚本俊選手は2017年日本シニア選手権でチーム神奈川のメンバーとして3位入賞に貢献。ベテランと若手の融合で躍進を期す。
☆北見工業大学 (北見)
高田 溪作、井坪 嶺、沢井 昂平、山浦 高伸、十鳥 聡太
アドヴィックスカップの後、鹿野大貴選手がKiT CURLING CLUBに移籍し、入れ替わりで十鳥選手が入った。また田辺夕真選手に代わり沢井選手が入った。選手層が厚い大学だけに、入れ替えは多い。十鳥選手を除く4人は昨年の全日本大学選手権3位になった時のメンバーで、チームワーク的には問題ないだろう。また井坪選手は一昨年の同選手権でやはり3位に入った時のメンバーでもあった。同ブロックのKiTとの対戦は楽しみ。
☆高松製作所 (札幌)
高松 賢司、石川 正樹、笠井 祐太朗、清水野 栞也
普段の名前はツキサップCC。高松製作所の業務内容は、電子機器の製造・販売、ソフトウェアの開発、レンタルサーバー業。ポケットコンピュータ・測量機用ケーブルを取り扱う企業である。1月の北海道選手権は予選で2位だったが決勝トーナメントで敗れて日本選手権進出は惜しくも逃した。その時は5人体制だったが、2人抜けて清水野選手が代わりに入った。清水野選手は札幌学院大学の学生で、チーム力に上積みをもたらしそう。
🥌Bブロック
☆LOHAS (札幌)
河野 幹太郎、松岡 和輝、沙魚川 拓生、山下 友輔
北海道大学の男子カーリングチーム。国内を股にかけてかなりの数の大会に出場している。4月以降、名寄、山中湖、新潟、常呂、青森の大会に出場。来月のミネベアミツミカップにも唯一の北海道勢として参加する予定だ。その他にも地元のリーグ戦などを戦っている。昨年11月の全日本大学選手権では予選リーグを2位通過して最終的には4位だったが、4人ともその時のメンバーだ。豊富な試合経験は、帯広の地でも生きるはず。
☆常呂ジュニア (北見)
中原 亜星、前田 拓紀、上川 憂竜、前田 拓海
先月、青森市みちぎんドリームスタジアムで行われた男女2人ずつ4人1組のチームで争われる「世界ミックスカーリング選手権大会日本代表選考会」で、中原選手と前田拓海選手が出場した「チーム北海道」がチームAOKIなどを破って見事に優勝し、10月12日からスコットランドで開催される世界選手権への出場が決定したばかり。この大会は大一番の前の壮行試合にあたるわけで、しっかり好成績を収めて弾みをつけたいところだ。
☆I.C.E. (東京)
神田 順平、大谷 拡夢、両川 築、橋本 祥太郎
チーム東京として出場した2019日本選手権で準優勝のチーム。1年間在籍した両角公佑選手がTM軽井沢に移籍するなどメンバーの入れ替わりがあり、新体制で迎えた今季はどうぎんカーリングクラシック、アドヴィックスカップに続けて参戦したが、いずれも4連敗で予選敗退と残念な結果に終わっている。ただ、新加入の両川選手がチームにフィットしてきているし、もともと試合巧者のチームだけに優勝争いに絡んでも不思議ない。
☆チーム青葉 (東京)
渡邉 智也、大塚 明、金子 直樹、山本 浩雅、田中 晧
昨年の準優勝チーム。今年の盛岡市アイスリンクメモリアルカップでは、一部メンバーの都合がつかなかったため、東京CROSSのスキップとして出場する荻原選手とMaple Leafsの(WCT Japanチェアマンでもある)青木学選手に助っ人を頼み「チーム荻原」として優勝を遂げた。今大会は、リザーブとして北海道選手権にTOKACHIから出場していた田中選手を招いている。活動も戦略も柔軟性に富んだチームだ。
☆晩成カーリングクラブ (名寄)
竹田 直将、板垣 努、藤井 恭介、高田 晃、長澤 秀高
第1回の優勝チームだが、まだ男女別の大会ではなく竹田夫妻+男性2人という編成だった。2月の日本選手権には名寄協会というチーム名で出場し、予選は5勝3敗で3位通過したが、決勝トーナメントで敗れて4位だった。その後、吉川選手に代わりコーチ兼任で高田晃選手が加わっている。アドヴィックスカップは予選敗退だったが、2年連続で日本選手権の決勝トーナメントに進出しており、勝負強さは日本で屈指の存在だ。
☆帯広畜産大学 (帯広)
仲川 翼、中平 開斗、齊藤 拓弥、花田 亮太、伊藤 誠生
全日本大学選手権で予選敗退の後、メンバーの入れ替わりがあり花田選手と伊藤選手が加わった。毎年多くの学生が入部して選手層が厚く、女子やミックスダブルスでも活躍している。7月に行われた苫小牧サマーカーリング全道大会には、畜大カーリング部から10チームも参加したほどだ。1月の北海道選手権では今回同じブロックに入った名寄協会に勝っており、リベンジを狙う相手を返り討ちにできれば予選突破も見えてくる。
🥌大会会場へのアクセス
カールプレックスおびひろは、帯広市清流東2丁目13-7にある。帯広駅からは南に6km近く離れた場所にあり、車なら多少渋滞しても15分程度だろう。帯広駅西口から循環線のバスに乗り、稲田2号通停留所で降りれば徒歩4分ほどで到着する。また、帯広駅から5分歩いて第一病院前停留所から広尾線に乗り、清流西3丁目停留所で降りればやはり徒歩4分ほどで到着できる。
かまぼこ型の建物を2つ繋げたような構造で、2シートずつ、全部で4シートある。入場無料で、2階に観覧席があり、2列の椅子席が置いてある。2つの建物は行き来できる(段差注意)。3日目にはおばあさんと孫が観に来ていたり、最終日も中学生くらいのチームメンバーで揃って見学する姿があったりした。
隣はコメリパワーで、敷地内にスープカレー屋とセイコーマート がある。飲み物の自販機はカールプレックスおびひろの前にあるほか、コメリパワーの中にもアイスの自販機とともにある。しっかり仕切られているので、寒さ対策をする必要はないが、スリッパのような上履きは持参したほうが良いだろう。
🥌YouTube中継
女子の部では、準決勝と3位決定戦はTwitterライブが行われたので、男子の部でも同様な中継が行われることを期待したい。
また、大会のFacebookアカウントがあり、大会後も多くの写真を掲載しているのでぜひご覧いただきたい。
最後にタイムスケジュールなど。
女子の部同様、素晴らしい大会になりますように!!
地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。