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世界ミックスダブルスカーリング選手権大会2023が開幕!

今年で16回目を迎える世界ミックスダブルスカーリング選手権大会(2020年の第13回大会は新型コロナウイルス感染症流行の影響により中止)。
今年は4月22日から29日まで、韓国の江陵カーリングセンターで開催され、日本からは第14回日本ミックスダブルスカーリング選手権で優勝した松村千秋(中部電力カーリング部)・谷田康真(北海道コンサドーレ札幌)の"チャッスー"ペアが昨年に続いて日本代表として出場する。
2人は昨年の大会が初出場で、Group Aで6勝3敗の5位となり(記録としては全体の9位)、1勝及ばず決勝トーナメント進出はならなかった。今年こそグループ内で3位以内となり予選を通過したい。

江陵(カンヌン)市は韓国の江原道東部にある市。鏡浦台を始め海水浴の適地が多く、夏には海水浴客で溢れる観光都市でもある。2018年開催の平昌冬季オリンピック・パラリンピックでは、各種屋内競技の会場となった。2024年江原道ユースオリンピックの開催地のひとつともなっている。
江陵カーリングセンターは、2016年11月に完成。1998年竣工の江陵室内氷上場を改修して作られた。観客収容人数は3500人。2018年平昌オリンピック・カーリング競技の会場となった。
市内には、ホッケーセンターとアイスアリーナもある。

世界ミックスダブルスカーリング選手権大会は、2008年にスタート。第1回大会は、フィンランドのヴィエルマキで開催され、スイスが優勝。フィンランドが2位、スウェーデンが3位となった。
過去14回で優勝はスイスが7回ともっとも多く、次いでロシア、ハンガリー、スコットランドが各2回。さらにスウェーデンが1回と、5ヵ国しか優勝経験がない。日本の過去最高位は、2018年と2019年に藤澤五月選手(ロコ・ソラーレ)と山口剛史選手(SC軽井沢クラブ)の"フジヤマ"ペアが記録した5位で、まだ3位以内に入ったことはない。
最近5回の上位はーー

2017年
🥇スイス🇨🇭
🥈カナダ🇨🇦
🥉中国🇨🇳

2018年
🥇スイス🇨🇭
🥈ロシア🇷🇺
🥉カナダ🇨🇦

2019年
🥇スウェーデン🇸🇪
🥈カナダ🇨🇦
🥉アメリカ🇺🇸

2021年
🥇スコットランド🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿
🥈ノルウェー🇳🇴
🥉スウェーデン🇸🇪

2022年
🥇スコットランド🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿
🥈スイス🇨🇭
🥉ドイツ🇩🇪

出場するのは20ヵ国。以前の出場資格は国・地域内の大会の優勝者であることとされていたため、2019年は48ヵ国にまで膨れ上がり、2021年から20ヵ国(前回大会の上位16ヵ国と予選を勝ち抜いて出場権を得た4ヵ国)に絞られている。
10ヵ国ずつ2つのグループに分かれてラウンドロビンを戦い、各グループの上位3ヵ国が決勝トーナメントに進出する。
一方、各グループ最下位の国は降格となる。グループA8位とグループB9位、グループA9位とグループB8位による降格プレーオフの勝者は翌年の出場権を獲得し、敗者は降格が決まる。

それでは、今大会に参加する20ヵ国を紹介しよう。グループAはアルファベット順、日本が属するグループBは日本の後に日本が対戦する順番に並べた。
国別ランキングは2月11日に世界カーリング連盟が発表したもの。チーム別ランキングは、Curlingzone.com掲載の最新ランキング。この大会の前にペアを替えるなど、結成されて間もないチームはチーム別ランキングに掲載されていない。

🥌グループA

☆オーストラリア🇦🇺 (国別10位、チーム別54位)
F:タリ・ギル
M:ディーン・ヒューイット

☆カナダ🇨🇦 (国別1位、チーム別2位)
F:ジェニファー・ジョーンズ
M:ブレント・レイン

☆チェコ🇨🇿 (国別8位、チーム別72位)
F:ジュリー・ゼリングロヴァ
M:ヴィット・チャビコフスキー

☆デンマーク🇩🇰 (国別21位、チーム別14位)
F:ジャスミン・ランダー
M:ヘンリック・ホルターマン

☆エストニア🇪🇪 (国別17位、チーム別4位)
F:マリー・カルドヴィー
M:ハリ・リル

☆ハンガリー🇭🇺 (国別16位、チーム別69位)
F:リンダ・ジュー
M:ロリン・タタール

☆イタリア🇮🇹 (国別6位、チーム別-)
F:ステファニア・コンスタンティーニ
M:セバスティアーノ・アーマン

☆韓国🇰🇷 (国別12位、チーム別35位)
F:キム・ジユン
M:チョン・ビョンジン

☆オランダ🇳🇱 (国別38位、チーム別-)
F:ヴァネッサ・トノーリ
M:ウーター・ゴーゲンス

☆スコットランド🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿 (国別4位、チーム別6位)
F:ジェニファー・ドッズ
M:ブルース・モアト

🥌グループB

★日本🇯🇵 (国別13位、チーム別16位)
F:松村 千秋
M:谷田 康真

★ドイツ🇩🇪 (国別11位、チーム別25位)
F:ピア・リサ・シェル
M:クラウディウス・ハーシュ

★アメリカ🇺🇸 (国別7位、チーム別70位)
F:コーリー・ティーシー
M:コーリー・ドロップキン

★スウェーデン🇸🇪 (国別5位、チーム別19位)
F:テレーズ・ウェストマン
M:ロビン・アールバーグ

★イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿 (国別19位.チーム別-)
F:リナ・オペル
M:マイケル・オペル

オーストリア🇦🇹 (国別25位、チーム別68位)
F:ハンナ・オーガスティン
M:マーティン・ライシェル

★ノルウェー🇳🇴 (国別2位、チーム別15位)
F:マルティーヌ・ローニング
M:マティアス・ブランデン

★トルコ🇹🇷 (国別18位、チーム別81位)
F:ディルサット・ユルドゥズ
M:ビラル・オメル・チャクル

★スペイン🇪🇸 (国別22位、チーム別28位)
F:オイハネ・オタエギ
M:ミケル・ウナヌエ

★スイス🇨🇭 (国別3位、チーム別64位)
F:ブライアー・シュワラー・ヒューリマン
M:ヤニック・シュワラー

🥌おもなチームの紹介

オーストラリアの両選手は、2022年北京オリンピックで自国初のカーリングオリンピック選手になった。ヒューイット選手は、カーリング一家で育ち、世界ミックスダブルス選手権は6回目の出場。2017年と2018年の大会には、母親とのペアで出場している。
カナダのジェニファー・ジョーンズ選手は、2014年ソチオリンピックで4人制の金メダルを獲得するなどベテランの名選手。北京オリンピックでは「いつも年齢はただの数字だと信じている。私たちの能力、可能性、偉業を定義するものじゃない」と名言を残した。今大会は夫とのペアで頂点を目指す。
エストニアのペアは、6回目の出場。2019年の大会では5位に入っている。リル選手は、2010年からナショナルチームのコーチも務めている。
イタリアのコンスタンティーニ選手は、2022年北京オリンピックでアモス・モザネル選手とのペアで金メダル。今大会は、男子4人制のチームレトルナズでセカンドを務めているアーマン選手とのペアで挑む。
スコットランドの両選手は、2021年の大会で優勝している。モアト選手は6回目の出場。2022年の北京オリンピックでは男子4人制で銀メダル。今月の男子世界選手権で優勝したばかりでもある。

日本松村千秋選手は軽井沢町出身で、11歳の時にカーリングを始めた。2011年に中部電力入社。中部電力カーリング部ではリザーブで、ほぼミックスダブルスに専念している。女子4人制の日本選手権では、2012〜2014年、2017年、2019年と5回優勝を経験。2017年大会はスキップを務めていた。2019年パシフィックアジアカーリング選手権に出場、準優勝。家族6人全員がカーリングをするカーリング一家であり、TM軽井沢に所属する松村雄太選手は兄。
谷田康真選手は名寄市出身で、小学校5年生の時に名寄にカーリングホールができ、管理人の孫が同級生で誘われたことがきっかけとなりカーリングを始めた。札幌学院大学時代、2015年冬季ユニバーシアードに出場して7位。2016年7月、4REALに正式加入。 2017年、2018年の日本選手権で2年連続準優勝。その後、4REALを引き継ぐ形で2018年創設の北海道コンサドーレ札幌カーリングチームに加入。男子4人制の日本選手権で3連覇を達成。現在4人制チームには無所属。

ドイツのペアは、昨年の大会の銅メダリスト。シェル選手は、4回目の出場。女子4人制のチームイェンチュではリザーブ。母親は1988年に女子世界選手権で優勝している。ハーシュ選手は3回目の出場。昨年の男子4人制の世界ジュニア選手権では銀メダルを獲得した。
アメリカのティーシー選手は、2019年大会の銅メダリストで、その時以来2回目の出場となる。4人制女子ではチームピーターソンのサードを務め、今年の全米選手権で優勝。ドロップキン選手は2018年大会以来の3回目の出場。男子4人制ではスキップを務め、世界選手権に2回出場。昨年のパンコンチネンタル選手権で銅メダル。
スウェーデンのペアは2018年に結成。昨年暮れのヨーテボリミックスダブルスカップで優勝。ウェストマン選手は4人制女子ではスキップを務めていて、世界ジュニア選手権に1回出場した経験がある。
イングランドのマイケル・オペル選手は2009年にはチームマートンの、2018年と2019年にチームリードのそれぞれヴァイススキップとして英国選手権で優勝。今大会は娘のリナ選手とのペアで出場する。リナ選手は大会前の取材に「父と一緒にプレーできるのは特に素晴らしいですし、たとえ負けたとしても、冬季オリンピックに出場したことのあるチームとプレーするのは素晴らしいことです」と述べている。
トルコのユルドゥズ選手は、昨年に続いて6回目の出場。4人制女子の世界選手権にも2年連続出場。今年の大会では6勝6敗で8位だったが、日本(ロコ・ソラーレ)に7-4で勝利した。
スイスのプライアー・シュワラー・ヒューリマン選手は、4人制女子のチームティリンツォーニのリードで、今年の世界選手権で金メダルを獲得。両親もカーラーで、父親は1998年のカルガリー冬季オリンピックで金メダルを獲得した。昨年7月に、カーリング仲間のヤニック・シュワラー選手と結婚した。ヤニック選手は4人制男子ではスキップで、今年の世界選手権で銅メダル。2014年の世界ジュニア選手権で優勝している。

🥌日本チームの日程

韓国との時差はなく、深夜に生観戦を強いられることはないが、昼間に仕事をしている人は生観戦が厳しい。

22日 14:00 vsドイツ🇩🇪
23日 10:00 vsアメリカ🇺🇸
23日 18:00 vsスウェーデン🇸🇪📺
24日 14:00 vsイングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿📺
25日 10:00 vsオーストリア🇦🇹
25日 18:00 vsノルウェー🇳🇴
26日 14:00 vsトルコ🇹🇷📺
27日 10:00 vs スペイン🇪🇸
27日 18:00 vs スイス🇨🇭📺
28日 10:00 準々決勝
28日 18:00 準決勝📺
29日 10:00 3位決定戦
29日 14:00 決勝📺

📺マークが付いている試合は、NHKBS1で生中継される。
決勝も予定変更されて生中継が決定!
その他の試合は、Recastで中継される。

Recastでのカーリング大会映像の視聴方法(2023年2月版)

🥌ミックスダブルスカーリングの特徴

・ミックスダブルスカーリングでは、代理選手の出場が認められないのでリザーブがいない。
・チームはそれぞれ (8つではなく)6つのストーンしか持っておらず、各チームのストーンの1つが各エンドの開始前に事前に配置される。
・プレイヤー1が最初と最後の石を投げ、プレイヤー2が2番目、3番目、4番目の石を投げる。エンドによって、1と2は入れ替わることができる。
・スイープは両方のチームメンバーが行うことができる。
・各チームには22分間のシンキングタイムが与えられ、ゲームは8エンドで行われる。8エンド終了時に同点の場合、エキストラエンドごとに3分間のシンキングタイムが追加される。
・各チームは試合で後攻の時に1つのエンドだけ「パワープレー」を選択できる。ストーンの配置を端のほうに変えて、得点のチャンスを増やせる。(上図が通常の配置、下図がパワープレーの時の配置)

世界ミックスダブルス選手権と同時に、近くの江陵ホッケーセンターで2023年シニアカーリング世界選手権が開催される。こちらには、15の女子チームと 24の男子チームが出場する。こちらの大会についても、別記事で紹介したい。

男女の世界選手権に続いて、ミックスダブルスのチャッスーペアにもテレビ、インターネット、SNSなどを通じてぜひ熱い声援を!

※追記 準決勝でノルウェーを最終エンドのスチールで破って決勝進出!!
世界一へ 決勝も「カモン!」

🥌関連リンク

◎日本カーリング協会のTwitter


◎谷田康真選手のTwitter


◎日本カーリング協会のInstagram


◎松村千秋選手のInstagram


◎谷田康真選手のInstagram


◎山口剛史選手による見どころや展望(NHK)


◎松村・谷田選手の意気込み(NHK)


◎NHKの特設サイト

◎推奨ハッシュタグ

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地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。