中部電力に続け! 頑張れコンサドーレ 〜カーリング男子世界選手権
カナダ・レスブリッジのエンマックスセンターで3月30日から始まるカーリング男子世界選手権2019。1月の世界最終予選で韓国とオランダが勝ち上がり、出場13ヵ国が出揃った。今回は日本(コンサドーレ)のメンバーを紹介する。
🥌日本(7年連続12回目 世界ランキング7位)
昨年はチームIWAIが出場して3勝9敗の11位だったが、今年は日本選手権で初優勝を飾ったコンサドーレが日本代表。日本選手権では予選を7勝1敗で2位通過。プレーオフで札幌国際大学を11-3で破り、決勝ではチーム東京に6-2で快勝した。4REALからコンサドーレに変わり、チームが一段とブラッシュアップして、いよいよ世界に挑む。
🥌4REALからコンサドーレへの変遷を振り返る
2018年8月1日に発足した「北海道コンサドーレ札幌カーリングチーム」。その母体となる「4REAL」は2012年に札幌市で設立された。その直前の3月、当時女子日本代表専任コーチだった阿部晋也は、代表を単独チームにするか混成チームにするかの結論を出せずにいた協会に抗議する意味でコーチを辞任していた。4REALは、阿部が現役に復帰する場でもあった。
2013年2月の第30回日本選手権には、「札幌」として阿部と佐藤浩、竹田直将 、松村雄太の4選手で参加して3位に入った。佐藤選手は、4度日本選手権を優勝、長野五輪日本代表のメンバーで、現在は北海道銀行フォルティウスのコーチを務めている。竹田選手は、名寄協会やミックスダブルスの竹田・竹田でおなじみの選手だ。
2015年の第32回大会では竹田選手に代わり林佑樹選手が入り予選は1位通過も決勝でSC軽井沢クラブに敗れ準優勝。2016年の第33回大会は谷田康真選手を加えた5人で臨むも3位。2017年も準優勝。優勝に手が届きそうで届かない状態が続くなか、2017年4月に阿部晋也選手は小笠原歩選手とミックスダブルス世界選手権に出た。結果を伝える竹田聡一郎氏のレポートに気になる一文があった。
第33エンド「MD世界戦6日目フィンランド戦、今大会ベストゲームも惜敗し平昌への道は途切れる」(竹田聡一郎) - Y!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/takedasoichiro/20170428-00070365/
「阿部は今季、所属の札幌4REALがチームとしての活動をするかどうかまだ未定で」とあった。この時点ではチームの今後が決まっていなかった。しかし、小笠原選手とのプレーが刺激になったのか、あるいは何かサジェスチョンもあったのか、北見に移転して存続という結論を出した。
支援を得てカナダ遠征なども行い、着々と地力をつけたが、松村雄太、谷田康真、阿部晋也、相田晃輔、齊藤太賀の5選手で「チーム北海道」として臨んだ2018年の第35回日本選手権でまたしても準優勝。今度はteam IWAIに敗れてしまった。
そんなチームが大きな転換点を迎えたのは昨年8月。松村、谷田、阿部、相田の4人にSC軽井沢クラブの一員として平昌五輪に出場した清水徹郎が加入し、サッカーJ1の北海道コンサドーレ札幌が有するコンサドーレ北海道スポーツクラブの一員として「北海道コンサドーレ札幌カーリングチーム」に生まれ変わったのだ。
チーム名に札幌と入っているが、練習拠点は引き続き北見に置いた。また、チーム名も一般社団法人のスポーツクラブに加入したことで、「コンサドーレ」を名乗るようになった。ここから勢いが加速。2018年パシフィックアジア選手権日本代表決定戦を制すると、パシフィックアジア選手権本大会でも日本男子として2年ぶりとなる優勝を遂げた。そして、2019年の第36回日本選手権でついに4REAL時代を含めての初優勝の瞬間を迎えたのだった。
🥌個性派ぞろいのメンバー
♤リード 阿部晋也
1980年、北見市常呂町生まれ。カーリングは、常呂町に専用の施設ができた小学1年生の頃から始めたという。現在はコンサドーレ北海道スポーツクラブ所属。ひげがトレードマークのベテラン。元女子日本代表・チーム青森の監督。プレーヤーとしてだけでなく、指導者としても経験豊富。定評ある正確なドローショットに加え、アイスリーディングや作戦面で若手に的確なアドバイスを行い、またスイープでも奮闘と、八面六臂の活躍でチームを支えている。
♤セカンド 谷田康真
1994年、名寄市生まれ。札幌学院大学時代にはユニバーシアードに出場した経験がある。現在は北海道クボタ所属。テイクショットもドローショットも正確だが、一番のウリはウエイトジャッジの素早さだ。短いと見れば、自慢のパワーで力強いスイープを続けて目的の位置まで運んでしまう。パシフィックアジア選手権では、彼のプレーが後続の好循環を生んだと言っても過言ではない。冷静さを失わない的確なプレーでチームに流れをもたらす欠かせない存在だ。
♤サード 清水徹郎
1988年、北佐久郡軽井沢町生まれ。シズナイロゴス所属。長野五輪の時に軽井沢にカーリング場ができたのがきっかけでカーリングを始めた。中学では部活でサッカーをして、冬はカーリングをしていたという。彼の加入が、チームの勢いを加速した。局面を変える力があるSC軽井沢クラブ時代から身につけた強力なテイクショットはライバルも舌を巻く。ひと足先にリザーブとして女子世界選手権に出場した妹の絵美が所属する中部電力は惜しくも4位だったが、兄はぜひともメダルを手にしたい。
♤フォース/スキップ 松村雄太
1989年、北佐久郡軽井沢町生まれ。永山運送所属。両親がカーリング選手で、その影響からカーリングを始めた。彼は中部電力サードの松村千秋の兄だ。奥様はロコ・ソラーレの吉田姉妹の姉・菜津季さん(かつて常呂高校のメンバーとして日本選手権出場経験あり。世界ジュニアに出場の経験もある)。SC軽井沢クラブが日本代表として出場した2015年の世界選手権にはリザーブとして加わっていた。ショットの精度が高い選手が揃うコンサドーレでフォースを任されているように正確性は抜群。的確なアイスリーディングと勝負度胸、緻密な戦略に長ける。スキップとしては珍しい左きき。
♤リザーブ 相田晃輔
1998年、北見市常呂町生まれ。小学3年生の頃に受けたジュニアのカーリング教室がカーリングに触れたきっかけ。中学時代は野球をやっていたが、部活引退後本格的にカーリングを始めた。常呂高校時代には、リレハンメルユース五輪に出場の経験もある。現在は北見工業大学の学生。パシフィックアジア選手権の時のインタビューで「大会ごとに学ぶことがたくさんある」と語っていたが、世界選手権でも多くのものをつかんでほしい。伸びしろがたくさんあり、将来が楽しみ。
♤コーチ ボブ・アーセル
2016〜2018年は韓国代表(今大会出場のチームとは別のチーム)のコーチを務めていた。
🥌世界選手権の予選の日程 ※いずれも日本時間
①日本×イタリア
3月31日(日)午前5時00分開始
②中国×日本
4月1日(月)午前0時00分開始
③日本×ノルウェー
4月1日(月)午前5時00分開始
④オランダ×日本
4月2日(火)午前0時00分開始
⑤スウェーデン×日本
4月2日(火)午前10時00分開始
⑥日本×韓国
4月3日(水)午前0時00分開始
⑦日本×ドイツ
4月3日(水)午前10時00分開始
⑧カナダ×日本
4月4日(木)午前0時00分開始
⑨日本×スコットランド
4月4日(木)午前10時00分開始
⑩スイス×日本
4月5日(金)午前5時00分開始
⑪アメリカ×日本
4月5日(金)午前10時00分開始
⑫日本×ロシア
4月6日(土)午前5時00分開始
地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。