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今年は女子10チームが激突! 2024アルゴグラフィックスカップ

会場が3シートなうえ観覧スペースも狭く、隔年で男子と女子の大会を無観客で開催している北海道カーリングツアーの「アルゴグラフィックスカップ」。
昨年は初めて男子の大会が行われたが、今年は一昨年以来の女子の大会が開催される。
今年の北海道カーリングツアーは、例年なら最初の大会となるどうぎんカーリングクラシックが、どうぎんカーリングスタジアムの改修工事のため休止となり、女子3大会、男子2大会となった。
男子は2大会だけで、昨年からすれば半分になったという点では、やはり物足りなさを感じる。今年だけアルゴグラフィックスカップを女子の大会の後に男子も開くか、今年だけ帯広を借りて男子の大会を行う、という選択肢があってもよかったのではないか。

アルゴグラフィックス北見カーリングホールは、2020年10月31日に北見市の2つ目の通年型カーリングホールとして北見工業大学の近隣地にオープンした。
3シートの専用屋内施設となっており、長年、冬季スポーツ科学研究を行う北見工業大学と連携した競技力向上支援システムを備える、最先端のテクノロジーを駆使した今までにない先駆的なカーリングホールだ。

アルゴグラフィックス北見カーリングホールの入口
Cシートの上には、ストーンの軌跡を
追うカメラなどが設置されている
北見市民のリーグ戦の試合会場でもある
平日夜にKiT CURLING CLUBの試合があることも
(平田洸介選手の背中が見える)
おそらく日本でここだけにしかない標識

ネーミングライツを取得したアルゴグラフィックスは、スポーツを通じた社会貢献活動の一環として、2012年より「常呂カーリング倶楽部」(北海道北見市常呂町)並びにカーリングチーム「ロコ・ソラーレ」とのスポンサーシップ契約を締結している。

過去2大会を振り返ると

アルゴグラフィックスカップは2022年から始まり、今年で3年目を迎える。
第1回の2022年は、9月に女子の大会が開催された。この時は全4戦の中の第3戦で、アドヴィックスカップと順番が逆だった。当初は9チームが参加予定だったが、2チームが出場を辞退したため7チームでの開催となった。

◆Aブロック
❶4-0フォルティウス
❷3-1大学選抜
③2-2SC軽井沢クラブ
④1-3STRAHL
⑤0-4北海道銀行(DNS)

◆Bブロック
❶3-0LOCOSOLARE
❷2-1LOCOSTELLA
③1-2北見工業大学
④0-3フィロシーク青森(DNS)

※順位が白ヌキ数字のチームは予選通過

大学選抜チームは、当時WUG日本代表候補として活動していて、山本冴選手がスキップを務めていた。

★準決勝
LOCOSOLARE
0001 1010=3
0020 0201=5
大学選抜 🔨

フォルティウス🔨
0101 0201=5
1010 1010=4
LOCOSTELLA

★3位決定戦
LOCOSOLARE🔨
0111 0111=6
0000 2000=2
LOCOSTELLA

★決勝
大学選抜

0202 0101=6
1010 1010=4
フォルティウス🔨

前半に後攻で複数点を重ねた大学選抜が、相手に複数点を許さず、6-4で初代王者となった。スキップでサードの山本冴選手とバイススキップでフォースの上野美優選手は、5月の世界ジュニア選手権で優勝したばかりで、勢いそのままの快進撃だった。

2023年は男子の大会が開催された。昨年も4大会のうち3番目の大会だった。10チームが出場し、5チームずつに分かれて予選を戦った。

◇Aブロック
❶3-1KiT CURLING CLUB
❷3-1TM軽井沢
③2-2札幌ジュニア
④1-3LOHAS
⑤1-3LOCODRAGO

◇Bブロック
❶4-0コンサドーレ
❷3-1札幌国際大学
③1-3高松製作所
④1-3アイスライン
⑤1-3北見工業大学

☆準決勝
TM軽井沢🔨
2020 1102=8
0101 0030=5
コンサドーレ

札幌国際大学
0001 0110=3
2000 1001=4
KiT CURLING CLUB🔨

☆3位決定戦
札幌国際大学
0000 00XX=0
0000 23XX=5
コンサドーレ🔨

☆決勝
TM軽井沢
0201 0030=6
1020 0101=5
KiT CURLING CLUB🔨

7エンドのビッグエンド(3点)が効いて、みどりチャレンジカップを優勝したTM軽井沢が、2大会連続優勝を遂げた。

それでは、今年の大会に出場する10チームを紹介しよう。今年のツアーの成績での「みど杯」はみどりチャレンジカップ、「アド杯」はアドヴィックスカップ。掲載順は、大会ホームページの並びに準じた。

2大会連続優勝を目指すフォルティウスなど10チームが出場

★Aブロック

🥌Nakamura (フィロシーク青森/青森県)

4:田中 美咲(Vice)
3:中村 澪里(Skip)
2:木原 遥
1:一戸 日和
A:原田 結菜

みど杯:予選敗退
アド杯:予選敗退

みど杯はPool Cで2勝2敗ながらDSCの差で敗退、アド杯もPOOL aで1勝2敗だった。ニューイヤーカーリングで優勝したように実力はあるチームだけに、こんなものではないはず。

🥌Ueno(‪SC軽井沢クラブ/長野県)
4:上野 美優
3:金井 亜翠香
2:西室 淳子
1:上野 結生
コーチ:西室 雄二

みど杯:不参加
アド杯:準々決勝敗退

アド杯は予選POOL bを2勝1敗で全体の4位で予選通過。しかし準々決勝で中部電力にエキストラエンドに持ち込まれた戦いを4-5で落とし、悔しい敗退。今大会は準決勝以上を。

🥌Fujisawa(LOCOSOLARE/北海道)
4:藤澤 五月(Skip)
3:吉田 知那美(Vice)
2:鈴木 夕湖
1:吉田 夕梨花
A:本橋 麻里
コーチ: 小野寺 亮二

みど杯:不参加
アド杯:第4位

アド杯は、吉田夕梨花選手が欠場し、鈴木選手と吉田知那美選手が3投ずつ投げたが、3人でもプレーの質は高く、POOL bで3連勝して全体の4位で予選通過。今大会は4人で万全。

🥌Ha(Team Ha/韓国・春川🇰🇷)
4 : Ha Seungyoun (Skip)
3 : Kim Hyer in (Vice)
2: Yang Taei
1 : Kim Sujin
A : Park Seojin
コーチ:Lee Sungjun

みど杯:不参加
アド杯:不参加

韓国北部にある春川(チュンチョン)市庁のチーム。スキップのハ・スンヨン選手は24歳でスキップは3シーズン目。韓国選手権は2022年優勝、2023年第3位、2024年準優勝。

🥌Ozeki (GRANDIR/東京都)
4:舘田 怜花(Skip)
3:大関 結 (Vice)
2:石垣 真央
1:細田 晴夏
A:園部 日向子
コーチ: 金井 健

みど杯:不参加
アド杯:予選敗退

アド杯は、大関選手が「2025学生強化チーム」のメンバーとして出場したのも影響したか、力を出しきれず予選POOL bを0勝3敗で予選敗退。今大会は大関選手が戻り巻き返す。

★Bブロック

🥌Minami(STRAHL/北海道)
4:南 真由(Skip)
3:小川 香奈(Vice)
2:齋藤 瑞希
1:野本 萌絵
コーチ:竹島一美

みど杯:第4位
アド杯:予選敗退

みど杯はフィロシーク青森を破るなどでPool Cを2位通過。準決勝は敗れたものの中部電力に食い下がり存在感を示した。アド杯は予選敗退だったが、地力強化をもう一度示したい。

🥌Kitazawa(中部電力/長野県)
4:北澤 育恵(Skip)
3:中嶋 星奈
2:江並 杏実
1:鈴木 みのり(Vice)
A: 石郷岡 葉純
コーチ:両角 友佑

みど杯:優勝
アド杯:準優勝

みど杯は予選Pool Dを4連勝、準決勝でSTRAHLを下し、決勝はフォルティウスに逆転勝ちしての優勝。アド杯はPOOL c1勝2敗の全体6位からの下剋上で準優勝。勢いは一番。

🥌Sasaki(LOCOSTELLA/北海道)
4:荻原 詠理(Vice)
3:佐々木 穂花(Skip)
2:林 未来
1:松澤 弥子
コーチ:松村 雄太

みど杯:予選敗退
アド杯:予選敗退

みど杯は予選Pool Dで2勝2敗の3位、アド杯もPOOL bで1勝2敗の3位とあと一歩だった。アド杯では荻原選手が他チームでプレーしたため3人で戦ったが、4人揃う今大会こそ。

🥌Yoshimura(フォルティウス/北海道)
4:吉村 紗也香(Skip)
3:小谷 優奈(Vice)
2:小野寺 佳歩
1:近江谷 杏菜
A:小林 未奈
コーチ:船山 弓枝
コーチ:山本 雅人

みど杯:準優勝
アド杯:優勝

みど杯はPool Cで4連勝、準決勝で北海道銀行に逆転勝ちも決勝で中部電力に惜敗。しかしアド杯ではPOOL cを3連勝すると、LOCOSOLAREと中部電力を連破し優勝。充実一途。

🥌Tabata (北海道銀行/北海道)
4:田畑 百葉(Vice)
3:仁平 美来(Skip)
2:山本 冴
1:中島 未琴
A:伊藤 彩未
コーチ:佐藤 浩
コーチ:鈴木 颯人

みど杯:第3位
アド杯:準々決勝敗退

みど杯はPool Dを3勝1敗の2位で予選通過。準決勝で逆転負けも、3位決定戦でSTRAHLを破った。アド杯はPOOL aで2勝1敗もLOCOSOLAREに惜敗。今大会はファイナリストへ。

大会のタイムテーブル

8月27日に「タイムテーブル変更のお詫びとお知らせ」が発表され、新たなタイムテーブルがホームページで告知された。

大会ホームページより引用

大会の表彰と賞金

優勝チームにアルゴグラフィックスカップを授与する。
プレーオフに進出した上位4チームに賞金を授与する。
賞金総額  170万円

🥇優 勝 100万円
🥈準優勝   50万円
🥉第3位   15万円
  第4位   5万円

YouTube配信あり

今大会は、YouTubeで配信がある。実況と解説を担当される方のお名前も発表されていて、実況はアドヴィックスカップに続いて畑良太さんと伊藤ゆりかさんが担当される。解説は小穴桃里選手や大野福公選手らが登場する。
AシートとBシートの試合が定点カメラの1つの映像で配信され、Cシートの試合が実況・解説付きで配信される。
実況・解説付きの試合は次の通り。
 
★予選1 Team Ha vs LOCOSOLARE
     実況/畑 良太 解説/青木 豪
★予選2 フィロシーク青森 vs GRANDIR
     実況/伊藤 ゆりか 解説/臼井 槙吾
★予選3 中部電力 vs LOCOSTELLA
     実況/畑 良太 解説/臼井 槙吾
★予選4 フォルティウス vs STRAHL
     実況/畑 良太 解説/目黒 良太
★予選5 LOCOSOLARE vs フィロシーク青森
     実況/伊藤 ゆりか 解説/小穴 桃里
★予選6 ‪SC軽井沢クラブ vs Team Ha
     実況/畑 良太 解説/大野 福公
★予選7 LOCOSTELLA vs 北海道銀行
     実況/伊藤 ゆりか 解説/目黒 良太
★準決勝 準決勝②
     実況/伊藤 ゆりか 解説/小穴 桃里
★決勝  実況/畑 良太 解説/臼井 槙吾

なお、大会ホームページの試合日程の、各試合の下にLIVEボタンがあり、それを押すと配信チャンネルに行ける。

アルゴグラフィックスカップ - 試合日程

北海道カーリングツアーの𝕏(旧Twitter)

過去2大会で優勝と準優勝を分け合ってきた中部電力とフォルティウスがまたも快進撃を見せるのか、それともLOCOSOLAREをはじめとする実力派チームが立ちふさがるのか。国内でトップクラスのチームが激突する大会はしばらくないだけに、どのチームもここで結果を出して弾みをつけたいはず。面白い大会になるのは間違いない。
この後は海外遠征に向かうチーム、国内で強化に励むチームといろいろだろうが、そのための資金として優勝賞金100万円は魅力。最低でも、参加費5万円が還ってくる4位には入りたい。そんなシビアな視点で観てもよいかもしれない。
YouTubeの配信を通じて熱い声援を送っていただきたいが、その一方で気になるのが台風10号。とくに西日本の方は台風の動きに十分な警戒と万が一への備えを。

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地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。