熱い夏は終わらない! アドヴィックスカップ24日開幕
2023年の北海道カーリングツアーもいよいよ最終戦のアドヴィックスカップを迎える。
8月下旬は例年なら気温が下がっているのだが、今年は北見も異常な暑さが続き、23日には36℃を記録。残暑見舞い申し上げます。
第1戦のどうぎんカーリングクラシックは、男子がKiT CURLING CLUBの優勝、女子がフォルティウスの連覇。
第2戦の稚内みどりCHALLENGE CUPは、男子がTM軽井沢が優勝、女子はフォルティウスが連覇。フォルティウスは2大会連続で2年連続優勝という快挙。
男子のみの大会だったアルゴグラフィックスカップは、TM軽井沢が優勝して2大会連続の覇者となって、こちらも快挙だ。
昨年の今頃は試合ごとにポジションを入れ替えて、それをInstagramで発表していたが、両角公佑選手が今季は裏方に回る宣言をしたことがきっかけで、4選手の役割が明確になり、それが好結果に繋がっているのかもしれない。
チームのGM補佐としてだけでなく、配信の解説もするなど、選手時よりも忙しいかもしれない公佑選手だが、「4人制はお休み」でも、他の形でプレーしているところが見たい(願望)。
フォルティウスは、こちらもスキップの吉村紗也香選手がおめでたでの欠場となったが、代役スキップの小谷優奈選手を中心に、昨年の連勝時よりさらに安定感を増している。LOCOSOLAREとの対戦が楽しみだ。
アドヴィックスカップの歴史
会場のアドヴィックス常呂カーリングホールは、2013年10月に竣工した。地上2階建てで、観客席186席、車椅子用12席がある。
2018年5月に日本代表決定戦が開催された時は、1階に仮設席ができて400人くらいが入場していた。中は寒かったことを覚えているが、今回は仮設席はない。2階の観客席は仕切られているので寒くはない。
アドヴィックスカップは2014年に第1回大会が開かれた。当時は男女混合の大会で、16チームが参加した。優勝はロコ・ソラーレ(スキップ本橋麻里)、準優勝が4REAL(阿部晋也)、第3位はSC軽井沢クラブ(両角友佑)だった。
2015年も16チームが参加し、優勝はSC軽井沢クラブ(両角友佑)、準優勝はまたも4REAL(阿部晋也)、第3位に地元のチーム北見(敦賀浩司)が入った。
2016年も16チームが参加。優勝は北海道銀行フォルティウス(小笠原歩)、準優勝がSC軽井沢クラブ(両角友佑)、第3位は4REAL(阿部晋也)。
2017年も16チームが参加し、4REAL(阿部晋也)がついに優勝。準優勝はロコ・ソラーレ(藤澤五月)、第3位はIgnires長野(松村勇人)だった。
2018年は国外からも参加があり16チーム。優勝は韓国のGANGWON PROVINCE (Yang Se Young)。準優勝が4REAL(松村雄太)、第3位に札幌国際大学(鎌田渓)が入った。この年は7月に開催され、翌月に北海道コンサドーレ札幌カーリングチームが発足した。
2019年から男女別の大会となり、各10チームが参加した。男子はTM軽井沢(両角友佑)が優勝。
準優勝は韓国の前年度優勝チームGANGWON PROVINCE(Park jong duk)、第3位に中国のTeam Zou(Qiang Zou)が入った。
女子はLOCOSOLARE(藤澤五月)が優勝。準優勝は中国のTeam Mei(Mei Jie)、第3位も中国のTeam Jiang(Jiang Yilun)だった。
2020、2021年はコロナ禍の影響で中止。
2022年は男子10チーム、女子8チームが出場。男子は札幌国際大学(佐藤剣仁)が優勝、準優勝はコンサドーレ(阿部晋也)、第3位はKiT CURLING CLUB(平田洸介)だった。
女子はLOCOSOLARE(藤澤五月)が2019年大会に続いて優勝、準優勝はフォルティウス(吉村紗也香)、第3位にはフィロシーク青森(中村澪里)が入った。
今年の大会は、男子12チーム、女子11チームが出場する。女子は、海外から唯一参加予定だったチームUiseoung(韓国)が出場辞退したため、男子より1チーム少ない。
なお、今年から後述する通り「スリーノックダウン制」を採用していて、第3戦までのようなブロック内総当たりの「ラウンドロビン制」ではない。チーム紹介順はホームページ掲載順とする。
また、オーダーはホームページに準じている。大会中に欠場選手が出たりオーダー変更する場合もある。大会名太字は予選を通過した大会。
どうクラ=どうぎんカーリングクラシック
みどチャレ=稚内みどりチャレンジカップ
アルゴGC=アルゴグラフィックスカップ
男子は3大会連続優勝を目指すTM軽井沢など12チームが出場
🥌Hirata (KiT CURLING CLUB・北見)
・どうクラ 優勝🏆
・みどチャレ 予選敗退
・アルゴGC 準優勝🥈
4:平田 洸介(Skip)
3:臼井 槙吾
2:目黒 良太
1:三浦 善也
A:相田 晃輔
🥌Abe (コンサドーレ・札幌)
・どうクラ 予選敗退
・みどチャレ 予選敗退
・アルゴGC 第3位🥉
4:清水 徹郎
3:大内 遥斗
2:阿部 晋也(Skip)
1:敦賀 爽太
A:敦賀 信人
🥌Takeda (高松製作所・札幌)
・どうクラ 不出場
・みどチャレ 不出場
・アルゴGC 予選敗退
4:竹田 直将(Skip)
3:高松 賢司
2:仲川 翼
1:芥川 圭祐
A:横田 達也
🥌Aoki (札幌ジュニア・札幌)
・どうクラ 不出場
・みどチャレ 不出場
・アルゴGC 予選敗退
4:青木 亮(Skip)
3:大内 拓斗
2:林 莉生
1:金沢 直輝
🥌Nakahara (アイスライン・北見)
・どうクラ 不出場
・みどチャレ 不出場
・アルゴGC 予選敗退
4:中原 太亜(Skip)
3:道谷 陽太
2:竹村 璃玖
1:木村 優太
🥌Ohno (LOHAS・札幌)
・どうクラ 不出場
・みどチャレ 予選敗退
・アルゴGC 予選敗退
4:大野 福公(Skip)
3:松岡 和輝
2:高橋 駿
1:沙魚川 拓生
A:大原 玄嗣
🥌Noguchi (Hot Shot!・宮城県)
・どうクラ 予選敗退
・みどチャレ 不出場
・アルゴGC 不出場
4:野口 航太郎(Skip)
3:鎌田 優斗
2:加藤 寛
1:吉村 悠樹
A:米原 大雅
🥌Honda (北見工業大学・北見)
・どうクラ 不出場
・みどチャレ 不出場
・アルゴGC 予選敗退
4:本田 裕之(Skip)
3:山村 竜
2:小穴 一詠
1:木下 遼一郎
A:水内 隼也
🥌Morozumi (TM軽井沢・長野県)
・どうクラ 予選敗退
・みどチャレ 優勝🏆
・アルゴGC 優勝🏆
4:両角 友佑(Skip)
3:松村 雄太
2:宿谷 涼太郎
1:岩井 真幸
A:両角 公佑
🥌Maeda (LOCODRAGO・北見)
・どうクラ 予選敗退
・みどチャレ 第4位
・アルゴGC 予選敗退
4:前田 拓海(Skip)
3:中原 亜星
2:前田 拓紀
1:上川 憂竜
🥌Sato (札幌国際大学・札幌)
・どうクラ 第4位
・みどチャレ 準優勝🥈
・アルゴGC 第4位
4:青木 豪
3:佐藤 剣仁(Skip)
2:荻原 功暉
1:新野 和志
🥌Kobayashi (札幌国際大クラブ・札幌)
・どうクラ 不出場
・みどチャレ 不出場
・アルゴGC 不出場
4:小林 駿汰(Skip)
3:阿部 悠希
2:佐々木 彩斗
1:工藤 大輝
今年のツアー初出場となるのは札幌国際大クラブ1チーム。スキップの小林駿汰選手は、2021年11月に行われた日本ジュニア選手権で、当時網走南ヶ丘高校2年生ながら札幌国際大学に加わり、セカンドとして準優勝に貢献。そのチームのリードが佐々木彩斗選手だった(サードは札幌国際大学の新野選手、フォースは同佐藤選手)。阿部悠希選手は今年の日本ジュニアにMinamifuranoのフォースで出場し準優勝。工藤大輝選手は入学後にカーリングを始めた。トレーナーの資格を持つ。
他のチームでは、高松製作所がアルゴグラフィックスカップでスキップだった笠井祐太朗選手が青森県で開催の日本ミックスカーリング選手権にチーム河野のメンバーとして出場するため、竹田直将選手がスキップとなり、また平野崇範選手と大野福公選手も抜けたため、仲川翼選手と芥川圭祐
選手、横田達也選手が加わった。
LOHASも河野幹太郎選手が日本ミックスにチーム河野のスキップとして参加するため、前週の大会で高松製作所の助っ人だった大野選手を迎え、なおかつスキップとしてプレーしてもらうようだ。
女子はツアー完全優勝を狙うフォルティウスなど11チーム
🥌Nakamura (フィロシーク青森・青森県)
・どうクラ 第4位
・みどチャレ 予選敗退
4:田中 美咲
3:中村 澪里(Skip)
2:木原 遥
1:一戸 日和
A:原田 結菜
🥌Minami (STRAHL・北見)
・どうクラ 予選敗退
・みどチャレ 第4位
4:南 真由(Skip)
3:小川 香奈
2:奥山 美佳
1:齊藤 瑞季
A:野本 萌絵
🥌Kitazawa (中部電力・長野県)
・どうクラ 第3位🥉
・みどチャレ 不出場
4:北澤 育恵(Skip)
3:中嶋 星奈
2:鈴木 みのり
1:石郷岡 葉純
A:江並 杏実
🥌Tsuruga (crown・札幌)
・どうクラ 不出場
・みどチャレ 不出場※
4:敦賀 心羽子(Skip)
3:髙松 杏都
2:原 瑞希
1:外﨑 杏実
※敦賀選手は、札幌協会のメンバーとして出場し、準優勝🥈
🥌Yoshimura (フォルティウス・札幌)
・どうクラ 優勝🏆
・みどチャレ 優勝🏆
4:吉村 紗也香(スキップ)
3:小谷 優奈
2:小野寺 佳歩
1:近江谷 杏菜
A:小林 未奈
🥌Ohzeki (GRANDIR・東京都)
・どうクラ 不出場
・みどチャレ 不出場
4:大関 結(Skip)
3:石垣 真央
2:園部 日向子
1:細田 晴夏
A:安井 涼音※
※安井選手は、札幌協会のメンバーとして出場し、準優勝🥈
🥌Fujisawa (LOCOSOLARE・北見)
・どうクラ 不出場
・みどチャレ 不出場
4:藤澤 五月(Skip)
3:吉田 知那美
2:鈴木 夕湖
1:吉田 夕梨花
A:石崎 琴美
🥌Sasaki (LOCOSTELLA・北見)
・どうクラ 予選敗退
・みどチャレ 第3位🥉
4:佐々木 穂香(Skip)
3:本橋 麻里
2:林 未来
1:斎藤 茉由美
A:松澤 弥子
🥌Tabata (北海道銀行・札幌)
・どうクラ 準優勝🥈
・みどチャレ 不出場※
4:田畑 百葉(Skip)
3:仁平 美来
2:山本 冴
1:中島 未琴
A:伊藤 彩未
※中島選手と伊藤選手は、札幌協会のメンバーとして出場して準優勝🥈
🥌Kimura (infini・北見)
・どうクラ 不出場
・みどチャレ 不出場
4:木村 葉月(Skip)
3:前田 祐佳
2:近藤 風香
1:横山 このか
A:丸銭 咲月
🥌Miura (札幌国際大学・札幌)
・どうクラ 予選敗退
・みどチャレ 予選敗退
4:三浦 由唯菜(Skip)
3:松永 愛唯
2:佐久間 優名
1:高橋 佑奈
A:池田 葉南
ツアー初参戦は4チーム。crownは、スキップの敦賀心羽子選手がみどチャレで北海道銀行の2選手、昨年のアルゴGC優勝メンバーの安井涼音選手と組んで準優勝している。敦賀・高松・外崎3選手は、今年の日本ジュニア選手権では札幌ジュニアとして出場、決勝トーナメントに進出して第4位となった。敦賀選手は南郁慧選手と組んで第16回日本ミックスダブルスカーリング選手権に出場し、準々決勝まで勝ち進んだ。
GRANDIR(グランディール)は今年6月に結成されたチーム。フランス語で「成長」の意味。スキップの大関結選手は、2021年の第30回日本ジュニア選手権でチーム大関のスキップとして出場し、第3位に健闘。石垣真央選手は元チーム富士急、園部日向子選手は元SC軽井沢クラブエリートアカデミー生。細田晴夏選手は山梨県の高校生チーム「Shell girls」で活躍。今回は館田怜花選手が欠場で、アルゴグラフィックスカップでは札幌協会のメンバーとなった安井涼音選手が助っ人。
LOCOSOLAREは、説明不要の強豪チーム。創設年は2010年(当時はLS北見)。オリンピックは2回出場、2022年北京では銀メダル。世界選手権も2回出場して2016年に銀メダル。2022年のパンコンチネンタル選手権優勝。日本選手権は4回優勝。2018年に一般社団法人化された。同年に育成チーム「LOCOSTELLA」を結成、さらに今年3月、男子チーム「LOCODRAGO」を結成。石崎琴美選手を除く各選手は、ミックスダブルスでも好成績を挙げている。
infini(アンフィニ)は、地元常呂の同い年の選手で結成されたチーム。フランス語で「無限」の意味。昨秋のNHK杯カーリング選手権準優勝。丸銭咲月選手がAlternateとして名を連ねているが、次期ユースオリンピックのミックスカーリング代表に選ばれていて、同時期開催の日本ミックスカーリング選手権に出場するためこの大会は欠場となる。
大会スケジュール
この大会は、「スリーノックダウン制」が採用されている。つまり、3敗したら退場となる。
トーナメント表は、全部で男女各4枚の8枚ある。予選はAイベント、Bイベント、Cイベントに分かれている。
Aイベントは無敗のチーム、Bイベントは1敗しているチーム、Cイベントには2敗しているチームがいる。
具体例を挙げて解説してみよう。
Aイベントには2つの山があり、2チームが予選通過となるが、そのうちのひとつの山にはシードチームを含めて6チームが入っている。
1回戦の2試合には、それぞれ「Loser M11」と書いてある。勝てばトーナメント表をそのまま上がっていくが、負けた場合は指定されたBイベントのトーナメント表に入らなければならない。
Bイベントにも山が2つあり、2チームが勝ち上がる。
M11で敗者同士が戦い、勝てばそのままトーナメントを勝ち進めるが、負けたチームは「Loser M19」とあるのでCイベントのM19に飛ぶ。M19でも敗れると、3敗目で「Loser out」となる。なお、Cイベントも2チームが勝ち上がる。
このように、日程として確定しているのが初戦だけで、後は勝ったか負けたかで次の試合の日程が変わる。
現地観戦される方は、贔屓のチームがある場合は次がいつの試合かトーナメント表で事前に確認することをおすすめする。
もうひとつ、持ち時間制ではなく110分のランニングタイム制を採用していることも、この大会の特色だ。試合開始から110分経った時点で進んでいるエンドで試合が終わる。
YouTube配信
試合の模様は、全試合がYouTubeで配信され、各セッションのうちシートDの試合が実況解説付きになるようだ。もちろん、どのチームが実況解説付きの試合の日程にハマるのかはまったくわからないので、実況解説の準備も大変だと思う。
詳しくは大会ホームページの日程で。
大会のSNSなど
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#2023アド杯
北海道カーリングツアーもいよいよ最後の戦い。熱い戦いを期待したいが、"暑さとの戦い"もなかなか厳しい。熱中症対策を十分に取りながら、現地であるいはYouTubeを通じてご自宅で観戦を。
おまけ
現地では、25〜27日に名古屋めしのキッチンカーが登場とのこと。「味噌やきとり」「手羽先」「みそ串カツ」が味わえる。
その他、「焼きそば」「オムそば」「たれザンギ」や、常呂グルメもズラリ!
24日も地元の高岡食品が出店して、ホタテコロッケ、ホタテまんじゅう、ぶたまんが楽しめる。
もうひとつ、これは今年は現地に行っていないのでわからないが、隣にひまわり畑があるはず。今が見頃と思うので、こちらもぜひ。
地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。