君に降る雨
その頃、しばらくしてシュウジが来て、「君、君。此処で寝ていたら風邪を引くぞ」とミユキを起こした。
その隣で寝ていたノノカを「ノノカ、起きて」とミユキが起こした。
シュウジが「良かった。2人とも凍死してなくてもうそろそろ夜も近いから、今日は此処で泊まるしか無いみたいだ」と話し掛けた。
シュウジが「僕は、シュウジ。君達は?」と声を掛けた。
ミユキは「私はミユキ。隣は私の友達のノノカよ。2人で思い出の地に行こうかなって思ってね」とシュウジに話をしていた。
シュウジが「思い出って?」と疑問に思って話をすると、ミユキが「此処はね、セイジさんと知り合って熊に襲われそうになって身代わりになって助けてくれた場所なんです」とシュウジの返事に答えた。
シュウジが「そうか。此処は良く熊が出るからな?明日の朝には、此処を早く出よう。じゃ無いと熊に襲われるよ」とミユキ達に注意をした。
そして、次の日の朝、ミユキとノノカとシュウジは3人で雪山を下山して行った。
他の場所で、ぐわーと熊が人を襲い、人の悲鳴のようなものが聞こえたような気がした。
その後、雪山では雪が降り始めていた。
セイジが、天からこの雪を降らせて、3人の無事を祈っているような気がした。
1番下の休憩所で、暖かい甘酒を飲んでいた。
ミユキが「セイジさん…。私の大切な人だった。あの時に私が倒れなければ助かったはずなのに」と今にも涙が溢れそうになっていた。
その日の思い出は、ミユキのせいにしてしまうかのようになってしまった。
ミユキ達は、無事に家に帰った後、ミユキは、自室で夢を見てセイジが「お前のせいじゃ無いよ。これは俺がお前を助けたかったから、熊から身を呈して助けたんだよ」とミユキの夢に言葉を残して行った。
ミユキは「ありがとう」と涙を流し、夢から覚めたのだった。
その後、ミユキはシュウジと連絡を取り合い、2人は幸せになっていったのだった。