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チキンラーメンは、うまさの期待値と実際の美味しさの差を確かめるゴルフ
チキンラーメンを食べることは、ゴルフなのではないか。
チキンラーメンはどこでも売っているし、食べようと思ったら今からでも30分以内に食べられる。
だから、食べたくなって食べる。
そう、食べる・・・のだが、結構な確率で思っていたほど普通なのである。うまいはうまい。しかし、食べる前にはとんでもなくうまいものを食べさせてくれると期待していたのに(自分が勝手に思っているだけだが)、いざ食べてみると単なるチキンラーメンでしかないのだ。
こんな風に、チキンラーメンを食べる前の期待値が、実際の美味しさと乖離していることがよくある。食べる前に思いっきりドライバーで飛ばしたら、実際はショートホールでボールはグリーンを超えてOBになってしまった的な感じ。
だから、食べる前に「チキンラーメンはこんなものだ」という事前の期待値調整が必要で、その絶妙な調整が、チキンラーメンゴルフを上手にプレイするコツなのだ。
その反対のこともある。食べてみると自分が思っていたとおりに美味いときだ。ベタピン。
チキンラーメンがこの世に登場して何十年かあるなかで、味が大きく変わったことは恐らくないだろうと考えると、チキンラーメンを食べる自身の状態によって、期待値と実際の味の差は生まれるようだ。
こういう、期待と実際の差が生まれることは誰しもあって、ネットでコミュニケーションを取っていた人と初めて実際に会うときや、評判の製品を注文して届いたとき、有名観光地に行ったとき・・・など、いろんなことで期待と実際の差が生まれる。
そこをゴルフで楽しむ。
これぐらい期待しちゃってるけど、実際はこれくらいなんじゃないかな。という微調整を楽しんでみる。
もう何にも期待しない、なんて斜に構えた話ではない。
自分の期待を微調整することで実際の結果とどれくらい差があるのかをゲームみたいに考えようということだ。そして、例えば食事や旅行なら、同じコースを回っているプレイヤー同士で共有してみるのはどうだろうか。あまりネガティブなことを言いすぎると、嫌なヤツに思われてしまうけど。
ちょっと話は逸れるけれど、中学の頃、学校が山の上にあって、よくイノシシが出た。友だちにイノシシが出たと言われて、初めてイノシシを見に行ったとき、頭で「もののけ姫」のオッコトヌシみたいなやつを思い描いていた。しかし、実際に現れたのはデカい犬ぐらいの生き物で、中学生たちが傘で追い回しているのを見てとても可哀想だった。ボギー。
タヌキもよく出た。これは「平成狸合戦ぽんぽこ」のリアルなタヌキのパートを見ていたので想像通りだった。バーディー。こういうことなのだ(どういうこと?)。
でも、人生を左右するような物事や努力したことなどはやめておこう。受験結果とかね。
と、そんなことをチキンラーメンを食べながら夢想した。同じように期待値と現実が乖離する(ゴルフとして難コースな)食べ物はなんだろうか。考えていたら磯辺揚げもそうではないかと至った。ちくわを、海苔と一緒に、衣揚げにする。とんでもないくらいうまそうな食い物っぽい。が、普通なのだ。
え、自分だけ?