吹奏楽部の未来は暗いか?部活の地域移行問題に迫る。
この記事は吹奏楽部のみなさん。吹奏楽部だったみなさん。
部活動の地域移行に取り組んでいるみなさん。
取り組みたいけど何をやったらいいかお悩みの皆さんに向けて書きました。
専門家に話を聞いてみた
部活動地域移行の専門家、岡山大学の高岡先生に
部活地域移行の講義を付けていただきました。
僕は部活動の地域移行は「暗い未来しか見えない」と
嘆いていましたが、
なんのなんの、
初めて明るいビジョンとしてとらえることができました。
昨日の要点を自分なりにまとめたものは以下のとおりです。
※齟齬があったらごめんなさい。
部活動の光と影
音楽やスポーツは「学校のみ」で育まれるものでしょうか。
本来は学校も含めた「地域」で醸成すべきものです。
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しかし、かつての日本(推定120年くらい前)は
地域で音楽やスポーツができるような環境ではなかった。
人材もインフラも整っていなかった。
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そこで日本は教育機関(つまり学校)にこの機能を持たせた。
ここで日本の方向性が決定される。部活動の推進である。
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部活動の仕組みは素晴らしいものであった。
どんな学校でもある程度均一な部活の機会を提供できた。
どの学校にも体育館と音楽室がある。
これは日本独自の教育文化として素晴らしい教育インフラだった。
(他の国を見れば学校にグラウンドがないのが普通)
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反面、教育インフラが強すぎたため、
文化とスポーツの醸成は学校に依存する形となった。
そうして100年余りが過ぎた。
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そして昨今の部活動地域移行。
文化とスポーツは地域に委ねられることになった。
あるべき姿に戻すと言ってもいい。
ただ、地域にはその受け皿となるインフラは整っていなかった。
ここで部活動はどう移行していくのか混乱の中にある。
部活動が持っていた二面性とは
さて、部活動を紐解いてみると、その中でもさまざまなニュアンスがあることがわかっている。
その中を大まかにわけて二つ。
「生涯学習」
「競技」
つまり、文化スポーツを楽しむのか、それとも競技としてトップを目指すのか。
部活動は教育機関ということが影響して、全体としては「競技」として活動するところが多く見られる。
地域移行をどう捉えるか
部活動地域移行において、地域に求められるのは「生涯学習」と「競技」のどちらだろうか。
それは明確に「生涯学習」である。
あるいは生涯学習でもなく「生涯音楽」「生涯スポーツ」である。
つまり大人になっても文化スポーツを楽しめる地域にすることが求められる。
これができれば豊かな街になることが想像できる。
地域移行と共に文化は衰退するのか
それではトップを目指す人はどうなるのか。
オリンピックを目指す選手はどうなるのか。
プロを目指す演奏家はどうすればいいのか。
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これは残念ながら地域では無理であろう。
ここは公に頼る。
県がトップアスリート・トッププロを育成する機関を総力を上げて作ることしかない。
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我々は常に「楽器人口はピラミッド」頂点を高めるか、
裾野を広げることで人口を増加させられる、と信じてきた。
ただ、それは現在ではすでに考え方が違っている。
「競技の人口は細長いピラミッド型。
生涯教育の人口は逆ピラミッド型である」
つまり三角形は二つある。
生涯音楽においては、大人になってから楽器を始める、そして何歳になっても続けられる形を目指すべき。
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地域による生涯音楽と公的機関による競技音楽
この両輪で進めると、今よりも良い世界が創造できるかもしれない。
まとめ
さて、こうなってくると
「部活動地域移行」と一言でいうから混乱してしまう。
「部活の機能をそっくり地域に移行させる」というのは誤りだ。
誤りというか、無理だ。
「部活という枠を取り外し、地域と県の両輪で文化スポーツの醸成し、新しく豊かなスキームを作り上げる」
学校依存の体制を超えて、まちに文化がやってくる時代が来た。
これは明るいまちづくりです。
質疑応答
さて、結局この地域移行、誰がやるべきなのか。
「まちづくりなので、みんなでやりましょう」
↓
どんな活動をするべきか
「できることなんでもやっていいです。
いずれ点でバラバラの活動が繋がってきます。その時には課題も出るでしょうが、解決すればいいだけ。どんどん良いものが生まれてくるだけです」
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地域移行するために課題が山積みだと思うのですが
「解決すればいいだけです。やるやらないでいうと、やるしかない。
やらなければ文化ごと消滅します。
もうやるしかないので、やめるという選択肢なんて今すぐ捨ててください。」
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