本日(2023/9/14)実施された共通担保オペ(シグナルオペ)

前回下記のメモを記載しましたが、今日、共通担保オペが実施されました。今年の7月の決定会合で共通担保オペの強化も指摘されており、自分自身のメモと記載しておきます。
本日(2023/9/11)発表された5年共通担保オペ(シグナルオペ)について|服部孝洋(東京大学) (note.com)

まず、最初にこれまでのおさらいですが、下記がこれまでうたれた5年の共通担保オペです(3月以降はシグナルオペは打たれていないので1-2月だけ記載しています)。まず、2023年1月の決定会合前は、2年のシグナルオペが打たれていましたが、 1月23日以降は5年のシグナルオペが打たれています(黄色くハイライトしているのが5年です)。

下記が1-2月の結果ですが、5年のシグナルオペは基本的にオファーが1兆円であり、金利入札方式で実施されているということがわかります。

入札方式であることから、按分レートと平均レートがあります。5年のシグナルオペについては、按分レートと平均レートに関し、市場参加者もその予想を立てています。また、オファーの1兆円に対して、平均して応札倍率は3倍程度であることがわかります。過去の経験だと、平均が0.12-0.14%になり、按分レートはほぼ0.11%か0.1%という水準であることがわかります。

共通担保オペのスケジュールですが、14時に締め切り、14時15分ごろ発表という流れです(上の図にあるとおり、5年のシグナルオペは「全店・金利入札方式です)。

https://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/opetime.htm

本日の共通担保オペ
本日の内容ですが、オファーが1兆円で従来通りです。下記が結果ですが、平均が0.208%であり、按分が0.17%です。これはこれまでの結果に比べて、高い金利を払っても借りたいという人がいることなので、入札の結果は強い結果だった、と評価できると思います(マーケットの予想よりも高い金利であるとも評価できるとおもいます)。また、応募倍率も4倍近く、これまでより高い結果ともいえます。

落札結果 (9月14日<木>) (boj.or.jp)

今回のシグナルオペをアービトラージの観点から整理すると、日銀から5年ファンディングして、例えば5年JGBを買うということなので、今回でいえば平均的には、0.2%で借りてきて、例えば、0.27%で運用して、7bps稼ぐという感じです。下記が14:49時点でのBloombergの画面ですが(Bloombergは実態と違うものが表示されることがあるので目安ですが)、スワップだと0.48%程度です。

スワップをレシーブしたほうが儲かりそうにもおもえるかもしれませんが、日銀当預に置く場合、TONAの変化が一定のリスクになります(TONAがどの程度、付利との裁定が働くかというベーシスリスクがあります)。また、日本国債を買ってアービトラージする場合、その日本国債を共担オペの担保にいれてしまえばいいですが(実際には業者にとって担保として出しやすい玉を選択して出すことになるのですが)、スワップをレシーブする場合、担保を調達するという側面がある点にも注意が必要です。
本日(2023/9/11)発表された5年共通担保オペ(シグナルオペ)について|服部孝洋(東京大学) (note.com)

以上が簡単なメモですが、必要があれば加筆修正します。

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