来世ジャッジメント⑤

連休も終わりが近づいてますね。
憂鬱になることもありますが、明るく行きましょう。
今日も載せますね。
昨日の続きからどういう展開になるんでしょうか。
覚えていません笑
一緒に確認しましょう♪

ー・ー・ー・ー・ー・ー
○小山家の食卓

優美菜 食卓に来る 静香がいないことに気がついて

優美菜「まだ帰ってないんだ」

少し心配になり静香に電話をかけるも食卓のイスの上で鳴る携帯

優美菜「はぁ(ため息)」

作りかけの料理を一口食べる
家の電話が鳴る 優美菜 電話に出る

優美菜「もしもし。はい、そうですけど。え?はい…、はい…、はい…(電話を切る)お母さん…」
その場に立ち尽くす

○心の一品レストラン

案内人 静香 歩いている

静香 「あの」
案内人「なんですか?」
静香 「あなたはつまり、死神、的な感じでしょうか…?」
案内人「死神?あー人間の世界ではそのような伝説や寓話がありますね。ただそれとは絶対的な違いがあります」

案内人 立ち止まり静香の方を振り返って

案内人「死神は生きている人間を死に誘うものだと思いますが、僕は生死を彷徨う人間を、生かしたり生まれ変わるように誘うのが仕事です」
静香 「はぁ…。生まれ変わる…。でもそれってつまりは死ぬって事ですよね?」
案内人「元の世界ではそうなりますね。とにかく一番は元の身体に戻る事です。今はそのための大事な時間だと思って下さい」
静香 「はぁ(自分の頬を叩いたりつねったりする)やっぱりこれって夢ではないのでしょうか。夢にしてはやけに意識や感覚がはっきりしすぎているような…」
案内人「戻れれば、結局はただの夢だったと感じる事でしょう。なのでここでの出来事について深く考えるだけ無駄かもしれませんね」
静香 「はぁ…」

案内人 また歩き出す 静香 ついていく

案内人「着きました」
静香 「ここ、ですか?」

テーブルとイスが4脚程度
静香 「で、ここが何なんですか?」
案内人「ここで食事をしましょう」
静香 「え?食事?今ですか?」
案内人「ええ」
静香 「まさか、最後の晩餐、ってことですか?」
案内人「違います。んー、とりあえず食べましょう」
静香 「でも別にお腹はすいてませんけど」
案内人「大丈夫です。ここで食べるものはすべて別腹ですから」
静香 「別腹も何も本腹がすいてないんです」
案内人「大丈夫です、きっと満足していただけますから」
静香 「でも本当に…」
案内人「とりあえず座りましょう」
静香 「はぁ…(イスに座る)」

彷徨いのシェフ 料理を持って登場

シェフ「お待たせいたしました」
静香 「わっ!」
シェフ「こちらご注文のお料理でございます」
静香 「ご注文って私何も注文してませんけど…」
シェフ「お口に合うといいのですが(クロッシュを取る)」
静香 「これは…」
シェフ「ごゆっくりどうぞ、では失礼いたします」

彷徨いのシェフ はける

案内人「この料理に見覚えがありますか?」
静香 「……」
案内人「どうぞ、お召し上がり下さい」
静香 「はい…」

静香 ゆっくりフォークを手に取りそれをまじまじと見る そのあとお皿の上に乗った料理を取って口に運ぶ 自然と涙がこみあげる
静香 「おいしい…。また、この味に会えるなんて…」
案内人「お口に合ったようなら幸いです」
静香 「これは…。これは、どうして…」
案内人「ここは彷徨い人の心に残っている思い出の一品を提供するレストラン。今日の一品は幼い頃あなたのお母さんが作ってくれたフレンチトースト、ですね」
静香 「間違いないです。本当に、お母さんの味…」
案内人「夢の中の出来事だと思ってゆっくり味わって下さい」
静香 「はい…」

静香 しばし料理を食べる

案内人「ここでは彷徨い人の心に強く刻み込まれた料理が出されます。あなたの心の中には常に亡くなられたお母さんのそのフレンチトーストがあったんですね」
静香 「はい。母は、このフレンチトーストを、私が良いことをした時などにご褒美のように作ってくれました。幼い頃もそうですが、中学生高校生になってもずっと…」
案内人「そうですか」
静香 「お手伝いすることもあったので作り方は何となくわかってるつもりなんですけど、母が亡くなってから自分で作ってみても、どうしてもどこか母の味とは違ってて」
案内人「きっと味つけ以外の何かがあるんでしょうね」
静香 「今のこの味を忘れずに戻ったらまた作ってみようと思います」
案内人「戻れたら、ですね」
静香 「あ…」
案内人「もちろん戻れることを前提にあなたをお導きいたします」
静香 「お願いします」
案内人「どうぞ全部召し上がって下さい」
静香 「はい」

静香 最後の一つまで味わってかみしめて食べる

静香 「ごちそうさまでした」
案内人「ご満足いただけたようで何よりです(指を鳴らす)」

彷徨いのシェフ 登場

シェフ「お呼びでしょうか」
静香 「あ、ごちそうさまでした!ありがとうございました(涙ぐんでお辞儀する)」
シェフ「どういたしまして」

シェフ かっこよくお辞儀を返す

シェフ「お会計が3,800円になります」
静香 「お金取るんですか!しかもまあまあ高いですね」
シェフ「プラス消費税27%がつきます」
静香 「27%ってハンガリーじゃないんだから」
案内人「ここは私がお支払いいたします」
静香 「お願いします」
案内人「じゃあWAONで」
静香 「WAON?!」
シェフ「申し訳ございません、当店のお支払いはお米券のみとなっております」
静香 「不便!お米券も使えるんじゃなくてお米券しか使えないって」
案内人「じゃあビール券で(他のでも)」
静香 「聞いてました?お米券オンリーですってよ」
シェフ「ありがとうございます」
静香 「いいんですね」
案内人「すみません領収書を」
静香 「この世界でも領収書って必要なんですね」
シェフ「宛名はどうなさいますか?」
案内人「カタカナでオリジンコーポレーションで」
静香 「オリジン?!」
シェフ「あーオリジンってまだあるんですねー」
静香 「失礼ですね。むしろ大きくなってますよ」
案内人「今年いっぱいってところですね」
静香 「あなたも失礼ですね。怒られますよ。もうせっかくの感動が台無しですよ」

案内人ミゲル 領収書を受け取って

案内人「じゃあまた」
シェフ「どうもありがとうございました」

シェフ お辞儀をしてはける

静香 「会議室に戻るんですか?」
案内人「いえ、もうひとつ」
静香 「次は何ですか?」
案内人「あなたには今からここで戦っていただきます」
静香 「戦う?誰と?なにで?何故?戦うなんて嫌ですよ」
案内人「戦いを拒むことはできません。それがここのルールですから」
静香 「いきなりそんなこと言われましても」
案内人「では対戦相手に登場してもらいましょう。ハイブリッド・シンディ・アメリカン選手の入場です!」
静香 「何?名前?」

プロレスの登場のイメージ
入場曲に合わせて照明遊ぶ
プシュー!!っていうスモーク
派手なコスチュームをまとった女が相手を威嚇しながら入場

静香 「え?!何ですか?プロレス?!え?」
問掛人「今日の相手はてめぇか、とっとと始めようぜ」
静香 「え?この方と戦うんですか?!無理ですよ、私プロレスとかできませんから!」
案内人「ふふふ。ではさっそくいきましょう!2人によるクイズ対決!!」
静香 「クイズ?!何ですかこのまぎらわしい演出は。ていうかクイズ対決って何ですか?」
案内人「文字通りです」
静香 「それはそうでしょうけど、何のためにやるんですか?」
問掛人「アメリカンが出すクイズにてめぇが答える。その答えがてめぇの行く末に大きく影響するかもな、だははは」
静香 「そうなんですか…?」
案内人「まあそこまで深く考えないで下さい」
静香 「はぁ…」
問掛人「じゃあさっそくいくぞ!問題です。…今何問目?」
静香 「はい?」
問掛人「だははは、さあ答えられるかな」
静香 「いやいや、こういう問題って出すにしても初っぱなはおかしいですよね」
問掛人「能書きはいいからさっさと答えろ」
静香 「能書きっていうか…」
案内人「では答えをどうぞ!」
静香 「1問目…」
問掛人「………正解!」
静香 「そりゃそうですよね」
問掛人「てめぇなかなかやるじゃねーか」
静香 「これはわからない方がおかしいでしょ」
問掛人「だははは。まあまだまだ先は長いからな。どこまでついてこれるかな」
静香 「先は長いんですね…」
問掛人「じゃあ次いくぞ!次が最後の問題です」
静香 「もう最後?全然先長くないじゃないですか」
案内人「最後の問題はそう簡単ではないかもしれません」
静香 「…」
問掛人「問題です。てめぇの現世での最大の問題事を言え」
静香 「え?私の、問題事?」
問掛人「てめぇが現世で今一番悩んでる事や、これは問題だなと感じてることがあればそれを言えっつってんだよ!」
静香 「いや、急に言わましても…」
問掛人「だははは。大丈夫だ。時間はたっぷりある。じっくり考えるんだな」
案内人「いや会議も控えてるのでそんなには時間は…」
問掛人「そうだ時間ねぇんだよ!ちんたら考えてないでさっさと答えろってんだこの死に損ないが!」
静香 「死に損ない…?」
案内人「いやまあそこまで急ぐことでもないですが」
問掛人「そうだ急ぎすぎるんじゃねぇぞ。俗に言う慌てず急いでってやつだな。ゆっくり思い出してみろ」
案内人「いやかといってゆっくりしてる暇は…」
問掛人「そうだゆっくりしてる暇はねぇぞ!てめぇの事だろーがすっと答えんかいこの彷徨いおばさんが!」
静香 「情緒が不安定ですね。えっと、そこまで大きな問題ではないかもしれませんが、最近娘と距離が出来たといいますか、まあそういう年頃というだけでしょうけど、以前と比べて会話も減ったし、一緒にどこかに行くこともなくなりましたし、何よりしばらくあの子の笑った顔を見ていないような気がします」
案内人「なるほど」
静香 「かといって反抗期とか仲が悪いとか、そういうのではないと思うんです。ただやっぱり少し寂しいですね…」
案内人「確かに、多くの親子にとってそういう時期はあるのかもしれませんね」
静香 「そうですかね…」
問掛人「そんなもんたいした問題じゃねーだろ。時間が解決するものだ。第一、娘の笑顔を見てねーとか言っておいて、てめぇの笑顔だって娘に見せてねーんじゃねーのか」
静香 「それは、そうかもしれません…」
問掛人「相手にしてもらいたいことがあれば、まずはてめぇがそれをやってみるもんだろーが」
静香 「…」
問掛人「そもそも以前と比べたってどうしようもねーんじゃねーのか。人は日々変わるんだよ。表面上はな。でも内面の奥底の核っちゅか芯っちゅうかそこまではそう変わるもんじゃねーんだよ。心の奥底ではきっと笑ってるんじゃねーのか」
静香 「そう、ですかね…。そう、ですよね…」
問掛人「よし、問題解決ってことでいいんじゃねーかな。どう?」
案内人「はい。とりあえずはここまでで」
問掛人「よし全問正解でクリアだ。行ってよし」
静香 「全問正解って、私が答えたわけでは…」
問掛人「そんなのどうでもいーんだよ。問題っちゅうのは、一人で抱えて一人で解決しなきゃいけねーなんてルールねーんだよ」
静香 「はぁ…」
問掛人「わかったらさっさと行きやがれこんにゃろーが!」
静香 「はい...」
問掛人「あ、最後に一つ言わせてもらうけどな、てめぇとアメリカンの配役、ギリギリまで逆の可能性があったらしーぜ。良かったなそっちで!ふん!」

問掛人 はける

案内人「逆も見てみたいですね」
静香 「ご遠慮いたします」
案内人「ではそろそろ戻りましょう。皆さんがお待ちです」
静香 「はい」

2人無言でひたすら歩く 緊張感を出す
おもむろに案内人立ち止まり振り返る

案内人「言おうかどうか迷っていたんですが…」
静香 「何ですか?」
案内人「道に迷いました」
静香 「えー?!」

ー・ー・ー・ー・ー・ー
というところまで。
今日は少し長めに載せましたが、これくらいでも大丈夫ですかね。
明日もこれくらいの長さで載せてみますね。
後半部分にあった、配役が逆の可能性があったというのは本当です笑
そこで結構悩みましたが、結果これで間違いなかったですね。
それでは明日もお楽しみに♪


いいなと思ったら応援しよう!

はっとー
サポートエリア?についても何もわかっておりませんm(_ _)m 感謝を申し上げればいいのでしょうか?当然そうですよね。ありがとうございます!!勉強します!!