Smashing through ceilings -ルートンタウン 破天荒な旅路
この記事は、最終節レディング戦での公式ルートンタウンFCマッチデープログラム(22年5月7日)に'Dylan's Diary'として掲載された。
原文:Dylan Bhundia ディラン·ブンディア
訳:Hatters Japan
シーズン初めに、最終節の段階でプレーオフ圏内でフィニッシュするチャンスがルートンの手の中にあると、そんなことを言う人がいれば、多くの人はその恐るべきポジティブな発言にたじろいだだろう。
結果に関係なく、今日は間違いなく素晴らしい日だ。クラブはこの短い時間の中でこの場所に辿り着いた。幾度もオッズを覆しながら、その度に期待を超えてきた。その行き着いた先、それが今日の午後だ。プレーオフ争いが今日終わることにセンチメンタルな気分を感じるのは、チームがリーグテーブルを登って行った時に感じていた期待の大きさの裏返しだろう。
今シーズン起きている事は、今日の結果によって定義されるべきではない。それぞれ個々が抱くすべての感情が、この90分の1試合で決まってしまうとしたら、それまでの45試合の道のりは一体何だったのだろうか。フットボールは結果が全てのゲームである。誰もが約束の地であるプレミアリーグに到達したいと考えているだろう。しかし、その道程を楽しまずして、その価値ある目標に届くことは決してない。
プレーヤーとスタッフがルートンファンに喜んでもらうために与えた続けてくれたもの、それはチームの誇り。町の価値を、またクラブに息づく「不公正との闘い」を体現してきた。1月ボーンマス戦での驚愕の勝利、ウェールズで粘り強く勝ち取った試合、そしてヨーロッパチャンピオンとの対戦を実現してきた。これらの素晴らしい瞬間と、チームが私たちに与えてくれたものは、すべてのルートンファンに喜びをもたらした。
今日何が起こっても、きっと記憶に長く残るだろう。その気持ちは、どんな試合でも、どんな結果でも消すことはできない。
今シーズンは、気持ちを込めてプレーすることの大切さを教わった。高い水準と文化の中で、人々がそれぞれ支え、気遣い、自信を感じる事ができれば、どんな事でも可能になるのだ。選手たちはクラブのためにすべてを捧げ、ファンもそれに応えて選手たちのためにすべてを捧げてきた。私たち一人一人が、このクラブが今日あるまでに、とても小さな、しかし積み重ねてきた重要な役割を担ってきたのだ。
大好きなクラブのマッチデープログラムにコラムを掲載できるなんて、夢のような話で、こんなことが起こるとは思ってもみなかった。
このような機会を与えてくれたクラブに心から感謝したい。
このクラブは傍から見たら馬鹿げていると思われるような、破天荒な事を起こすことを信条にしてやっていく。あらゆる困難を乗り越えてクラブの団結力が続く限り、今日の結果がどうであれ、私たちファンが毎日誇りを持てるクラブになっていくはずだ。
この旅を楽しもう。この旅の轍が私たちの存在証明なのだから。