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Panasonic LAMDASH パームインを買ったので、PHILIPSと比較してみた

Panasonicのシェーバー、LAMDASHから手のひらサイズのシェーバーが発売されました。デザイン系のSNSアカウントとかでもたびたび話題になっていたようで、属性が似ているのか、僕のアカウントで広告が頻繁に表示されるようになって、強く印象に残っていたのでしょう。店頭で見てなかなか刺さるものがありました。

結果、購入して使い始めたので併用しているPHILIPSのシェーバーと比較などしてみることにしました。


購入に至る経緯

僕は10年来のPHILIPSユーザーなので、わざわざPanasonicのシェーバーを買う必要はありません。ただ、この製品はそれでも手にしてみたいと思うに十分なスペックを持っていました。
機構的にはLAMDASHの上位機種と同じで、ソフトクリーム型的に持つグリップはなく、どちらかと言えば女性のムダ毛剃り用を思わせる丸まった独特の形をしています。
USB-Cのコネクタがあるので、そのまま旅行先でも充電ができるというのは、1週間程度の海外出張があるような人からすると荷物を減らすことが可能になるのでそれだけでも買ってしまうかもしれません。

おそらくたくさんのプロトタイプから選び抜かれたであろうプロダクトデザインの良さは多く語るまでもないかと思うのですが、このシェーバー、価格帯が4万円超のものと、3万円台の廉価版がラインナップしています。しかし、中身的には全く同じなので性能を求めるなら廉価版で十分なはずです。1万円の追加投資をして得られるのが「大理石のようなテクスチャを持った、海洋ミネラル由来の自然に優しいプラスチック素材」です。

僕はこの素材に惹かれました。

そしてたまたま量販店のポイントが1万円ほどあり、量販店でのポイントバック率が0%だったので、めったにない1ポイント=1円で利用できるというチャンスもあって購入に至ったわけです。(※ポイントで買うとポイントがつかないので、10%ポイントバックの商品を買った場合のポイントの価値は、1ポイント約0.9円になるんです。0ポイントの場合はこれがないので1ポイント=1円となります。ポイントの価値を最大化したい場合はできるだけ還元率の低い商品で利用するようにします)

海洋ミネラル由来プラスチック、NAGORI

ECOが叫ばれる昨今、何かと敬遠されがちなプラスチックですが、我々の生活に欠かすことができない重要な素材であることに変わりはありません。
プラスチックは石油由来であるものが多かったのと、燃やすと有毒ガスが出ることがあったという話が今も語り継がれているわけですが、最近では燃やして有毒ガスが出るタイプのプラスチックは一般的に使われているものでは見つけるのが難しいです。焼却炉の高性能化もあって、焼却炉の火力を補うためにプラスチックをゴミに混ぜて燃やしたりもしているそうです。

また、プラスチックの材料も石油の依存度を下げて植物由来だったり自然のものを活用したプラスチックがたくさん開発されています。

LAMDASHパームインの上位機種では外装にNAGORIという素材が使われています。色の異なる樹脂を混ぜ合わせて大理石のようなテクスチャを再現しているのですが、これはNAGORIが持っている素材としての特性を表しています。というのも、石や陶器を思わせる手触りなんだそうです。確かに手に持ってみるとちょっとひんやりするあたりも、石っぽいです。

これだけに4万を出す勇気はまだありません。僕はNAGORIを作っている三井化学のWebサイトでさらなる情報を集め始めました。すると、絶対に割れないという触れ込みで人気を博している樹脂だけど陶器のような食器、ARAS(エイラス)にNAGORIで作られているバージョンがあることを知りました。
ARASは金沢のプロダクトデザイナー、seccaさんがデザインを手がけています。seccaさんはかなり前から3Dプリンタなどを活用して食器などを作られていて、一時期、金沢市内で涎屋というハヤシライス店をやっていて、ここでseccaさんの食器が使われていたことがあります。そのハヤシライスと独特の形をしたお皿が見たくて、わざわざ金沢に行った思い出がよみがえってきました。

涎屋はなくなってしまいましたが、seccaさんは活動を続けていて、様々な意欲的な作品を出されています。その成果の一つがARASでした。陶器みたいだけど割れない食器(割ってしまったら交換してもらえます)。そして、食器として使える化学的に安定した性質(樹脂を食器として使うには、金属製とは比べものにならないくらい厳しい試験をパスしないとダメです)。樹脂の弱点の一つとしてよくあるのが可塑剤が滲出してべたついてしまうことがありますが、食器として使われているものなのでそんなリスクは低そうです。つまり、1万円出して本体ボディの寿命を買うようなものです。ああ、これはNAGORI試してみるしかない。

かくして、僕は量販店の在庫を調べてレジに向かっていたのでした。

パッケージング

箱に何がどう詰め込まれているのかというのは、製品のレビューを知りたい方からすればどうでもいいことかもしれません。しかしプロダクトにここまでこだわっているのにパッケージが普通であることも考えにくいなと思いました。

SONYはパッケージにオリジナルブレンドマテリアルというものの採用を進めています。これは古紙などをリサイクルして金型で成形されたもので、燃えるゴミとして捨てることもできるし簡素でかつクリエイティブを刺激するパッケージになっていました。

よくあるウェルカムメッセージ

LAMDASHパームインはというと、紙をうまくたたんで内部を階層化し、本体は緩衝材を兼ねたケースに入れた状態で収納されていました。想像以上にシンプルで、プラスチックは使われていません。物は違いますがDysonのパッケージがまさにそんな感じですね。

ブラシ、オイル、USBケーブルと最下層にマニュアル

気になったのはマニュアルが一番下層にあったことくらいです。マニュアルはだいたい開封して一番上の階層にあるものなんですが、ウェルカムメッセージの下に製品があって、マニュアルは付属品トレイを取り出さなければアクセスができない位置にありました。

まあ、ウェブでも見られますし、操作はめちゃシンプルですからわざわざ読まなくてもいいのかもしれませんし、いち早く製品を手にしていただきたいという想いからかもしれません。

SONYのようなパッケージではありませんでしたが、とても捨てやすいと思いました。紙だけで構成されてるのでそのままポイっとできます。僕の会社は今茅野市にあるんですが、ここはなかなか厳格な分別で、プラスチックごみはしっかり分けなければなりません。これがもう面倒で面倒で、捨てやすさを考慮したパッケージに出会うとホントに楽でいいなって思います。

手に持った印象

NAGORI素材なので、陶器のような手触りと少しひんやりした温度感です。充電直後などはちょっと暖かくなります。
形状は丸みを持たせたぽてっとした形ですが、シェーバーの刃の部分に対して横幅が大きく設計されています。これは充電池の幅に対応するためだと思いますが、つまむように持っても本体を保持しやすい形状になっているとも考えられます。

電源スイッチは底面にあるので、操作するにはちょっと持ち替えが必要です。従来型のシェーバーの場合は親指などで操作ができるので、この点はちょっとやりづらいかなと思いました。電源ボタンはロック操作が可能なので、ケースに入れずにそのまま化粧ポーチなどへ入れて運ぶ際の誤動作を防止できます。

僕の手はちょっと大きいのですが、握った感じ本体が大きすぎるなという印象は受けませんでした。ちょっと小さいマウスくらいの大きさ?と言えるかもしれないです。

使用感について

ここからはPHILIPSシェーバーとの比較をしていきます。

では早速使ってみましょう。PHILIPSのシェーバーは肌に押さえつけすぎないような力加減で、空いた手で皮膚を突っ張らせるように引っ張り、円弧を描くように動かすという説明がされますが、LAMDASHパームインは肌に対して垂直にあてて、毛の向きと逆に動かすとだけ説明されます。

そのようにして当ててみたんですが、結構剃り残しが発生します。PHILIPSとは作法が違うようで、ちょっと試行錯誤がいる気がしました。

髭の場合は毛の向きはほぼ上から下なので、パームインは下から上に動かすように剃ると効率が良いのでしょう。刃は肌の面にうまく当たるようにサスペンション機構が備わっています。

刃は5枚刃と呼ばれるタイプで、複雑な顎付近の形状にフィットするように刃が沈むようになってます。よく見ると2本のローラーがあり、滑りをよくしてるみたいです

試しに腕などの毛を剃ってみると、なかなかうまく剃れません。このあたりはPHILIPSシェーバーの方が向いていると思いました。

しかし、ひとたび髭をキャッチすると、LAMDASHは一気に深ぞりに仕上げてきます。ちゃんと刃が当たって剃れていれば、その毛が変な方向に向いていない限りはPHILIPSシェーバーよりも深ぞりになっているようでした。

ひげそりにかかる時間はLAMDASHの方が長くなりそうでした、まあ、PHILIPSでもしっかり深ぞりにしようと思うと、LAMDASHと同じくらい時間がかかると思います。

動作音はPHILIPSの方が静かです。LAMDASHは機構刃をものすごい振動で往復させる方式をとっているためか、結構な音がなります。PHILIPSがシューという感じに対してLAMDASHはプーンという感じです。

剃った毛は中に溜まるのではなく、外に常に排出されているようです。ので、浴室や洗面台で使った方がいいと思いました。デスクとかで使うとデスクが髭まみれになりそうです。

本体は水洗い可能で分解も簡単にできるようになっていました。使用ごとに洗うことを推奨されています。付属しているオイル(流動パラフィン)は、機械の作動油としてはもちろん、刃の肌当たりをマイルドに調整する役割を持っているようです。なので、オイルをささずに使い続けていると、肌当たりがちょっとハードになってきます。なんとなく擦ってんなーって感じがしてきたら、洗って注油した方がいいのでしょう。

流動パラフィンは一般に売られていますが、粘度違いの商品があるので純正品を求めた方がいいでしょう。

ムダ毛処理に使えるか

たぶん想定はされてないと思うのでPanasonicから出てるボディグルーマーを使った方がいいと思います。また、脚などの毛を剃る場合は面積がとても広くなるので、LAMDASHよりはPHILIPSの方が効率はいいんじゃないかなって思いました。

パームインには泡立てモードがあります。シェービング専用だけでなく、液体石けんやボディソープであっても泡立てて使うことができます。お風呂で剃ることが多い人にとっては楽でいいんじゃないかなって思います。

製品寿命は

PHILIPSのシェーバーは10年で買い換えたのは1回くらいなので、1つあたり5年は使えている計算になります。本体さえあればいろいろな刃を付け替えられる(効果があるかは不明ですが)のもいいのですが、プラスチックがべたついてきたり、電池の消耗はどうしても起こり得ます。

パームインは刃についてはラムダッシュ用のものがそのまま使えるようになっていました。そして破棄することを考慮してあり、内蔵電池を簡単に取り外せるようになっていました。推奨はされていませんが、電池だけ取り寄せればモーターが壊れない限りは使い続けることができそうです。電池は一般的な18650サイズではなく、端子などがちょっと変わった形をしたものです。楽天などで売られています。

PHILIPSとの使い分け

PHILIPSはムダ毛処理にも一応使えたりするので、パームインに完全に移行することはなさそうです。たとえばPHILIPSで髭を短く整えておき、パームイン画仕上げをするなんてこともできるななんて思っていました。
そして、旅行などではもうパームイン1択になりました。僕が使ってるPHILIPSシェーバーは専用のACアダプタが必要なタイプで、地味に場所を取るんです。USB-Cでどこでも充電できるなら、ちょっと長めの出張はもちろん、コンパクトなボディもあって1泊程度の旅行にも持って行くと思います。

専用ケースはまんま化粧ポーチみたいな印象です

僕は長野と千葉の二地域居住で、休日は千葉で生活しています。移動には最低限の着替えなどを持って行くんですが、これまでは荷物がかさばるのでひげそりは持って行ってませんでした。パームインになってからは、移動用の鞄にポンと入れるだけなので、非常に楽です。

総評

買ってよかったと思います。1ヶ月ほど使って剃り方もだいぶわかるようになってきました。生活パターンの関係で無精髭を生やしがちだったのですが、Webのミーティング前にサッと剃れるのもポイント高いです。最近のPanasonic製品はいろいろ攻めてる物がおおいので、また何か入手したらレビューしてみます。

充電ランプがやけに変わった位置にあるなっておもったら、間接的な光り方を狙ったものっぽいですね

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岡本 紳吾
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