UniFi G4 Doorbell Pro を導入した
会社で借りている長野県の民家は、もともと農家さんの母屋だったのかえらい広く、大家さんがおいていったワイヤレスインターホンは子機を屋内で持ち歩いておかないと、来客があっても対応することができない(来客に気がつかない)なんてことがしょっちゅうあった。
土地柄かいろんな人(含む野生動物)が敷地内にカジュアルに立ち入ってくるので防犯カメラの設置も急務だった。冬の雪が降った日に、ECの発送業務で外出して戻ってくると、自分以外の足跡がたくさんついていて郵便受けには何もなくて…なんてことがあった。不安でしょうがない。
夏から秋は大家さんのお母さんが、敷地にある畑で採れた野菜や果物をお裾分けに来てくれる。この応対はできるだけやりたい。
UniFi のDoorbellは存在こそ知っていたものの、そもそも海外のお宅で使われるような製品だから、日本で使おうとするといろいろ大変だろうと思って導入に踏み切れないままでいた。YouTubeや他に導入された方の情報を集めてみると、インターホンの配線をうまく工夫することで電源を供給できたりするらしい。あとは予算の問題だけどこれはなんかうまくいった。
結果としてウチにG4 Doorbell Proがやってきた。
いそいそと取り付けたいところだけど、インターホンの配線はものによっては100Vの場合があるそうで、こうなってくると電気工事士の資格がないといじることができない。
ということで電気工事士の資格を取得した。まあこのためではなく、仕事上どうしても必要だったのでタイミングがよかった。
免許が届いたのでさっそくインターホンの配線をチェックしていこうと思う。
借りている家はワイヤレスインターホンの前は、よくあるチャイムが設置されていて、これの親機とボタンはそのまま雑に残置されていた。ボタンに付いている配線が100Vだとよくある白と黒のものではなかったので、これは資格がなくてもいじれる電圧なのかもしれないなと親機のカバーを外してみたところ、まさかの電池式だった。
インターホンの配線を使って電源供給する道が絶たれてしまった。
寒冷地の古民家ならではの電源
困ったな、引き戸のスキマや郵便受けからEthernetのケーブルなりを引っ張り出そうかなと思っていたところ、玄関そばの防滴コンセントに1個空きがあるのを見つけた。ここからドアベルに電源を供給すればいいだろう。
幸いにもPoEタイプではないコンセントタイプの電源ケーブルはオンラインストアに在庫があった。長さも7mと十分すぎるくらい。
で、なんでこんな都合のいいところに電源があったのかというと、寒冷地の特に古いお宅は、台所や風呂場へ水道管が壁沿いに配置されていて、冬季にこれが凍結しないよう、サーモスタットで動作する凍結防止帯というものを水道管に巻き付けておく。最近の戸建てなどでは地下から断熱された床下に直接水道を引き込むので屋外にこういった水道管が出ることはないのだけど、古い家はだいたいこうなってる。そして凍結防止帯に電源を供給するため、家の外壁のあちこちに防滴コンセントが設置されている。
ほかにも、夜はマジで外は何も見えなくなるので、庭や納屋を照らすためのライトを設置するための電源なども用意されている。WiFiタイプの防犯カメラの取り付けには全く苦労しなさそうだ。
ドアベルのマウントを作る
元あったワイヤレスインターホンを取り外してみると、結構これも雑に取り付けられていたことがわかった。もともとチャイムのスイッチを取り付けていたスイッチボックスが壁に埋め込まれていて、このM4ネジ穴に無理矢理インターホンのマウントをくっつけていたのだ。
これらをさっぱり取り外し、もとあったチャイムボタンはスイッチボックスの中に押し込んで、スイッチボックスのM4ネジ穴からドアベルのマウント、M3皿ネジに変換するマウントアダプターを設計することにした。
スイッチボックスは長年規格が変わっていないので、ホームセンターで売られているものを買ってきて、試作のチェックをする。
まずは埋め込まれたスイッチボックスにネジ止めして、壁すれすれくらいでタッピングビスで固定できるようなマウント部を作る。
次にこのマウント部をフタするようにしてドアベルのマウントを固定できる板を作る。いい感じに重ねるとドアベルが壁にマウントできる。というわけだ。
電源はUSB-Cケーブルで供給するので、本体奥に30mmほどの空間が必要になる。マウントアダプターに大きめの穴を開けて、ケーブルをスイッチボックス側に逃がすようにして対策した。
次に、ケーブルを外から中に通す穴も必要だ。
スイッチボックスはPanasonicがCADデータを公開しているので、これを利用してネジ穴の位置を決めた。玄関のスイッチボックスはなかなか雑に埋め込まれているため、とりあえず試作したマウントアダプターを現物合わせして、調整していくことにした。
結果、3回ほどの試作を経てとりあえず仮止めできるところまでできた。
3回目でホントは完了といきたいところ、5mmほどコンクリートが盛り上がってる部分や、もともとのスイッチボックスも斜めに埋め込まれているなどでこの調整が必要になった。
マウントアダプターは直尺などで計測した値をFusionのスケッチに落とし込み、これを立体に変換してSTLファイルを出力、3Dプリンタに読ませてPLA樹脂で印刷した。最終的にうまくいったら3Dプリント業者に出力を依頼するつもりなので、今作っているものは1ヶ月持てばそれでよしな仕様だ。
といっても、ウチで持ってる超安価な3Dプリンタでは出力に7時間かかる。ちょっと手直しといっても、1日にできるのは2回までだ。
このプリンタはKINGROONのKP3というモデルで、2万円台で買えるのにクオリティがいいってことでドローン制作者関係で話題になっていたもの。Amazonでは後継機を含めて取扱がなくなっていて、メルカリなら15000円とかで売られている。改造はしていなくて、唯一ノズルをKaikaノズルの0.4mmに交換してある。
取り付け
出力したパーツのうちスイッチボックス側のものを短めのM4皿ネジでスイッチボックスに固定する。
次にカバーのパーツの穴にケーブルを通し、M3タッピング皿ネジで先ほどのパーツに連結する。
ドアベル背面にケーブルをとりつけ、そこそこのたるみをもたせてカバーのネジ穴にM3タッピング皿ネジで固定する。
そしてドアベルをマウントに取り付けて完成。
カメラの角度はガレージ側にちょっと振ってもいいかもなーと思いつつ、このままで行くことにした。
ドアベルの設定など
設定周りは標準のままだけど、通知設定だけ変更した。
個人的にこれはいいぞと思ったのは動物の検出だ。夜になると現れるらしい鹿を撮れたら最高なのにって思ってる。あと猫以外の謎の小動物がいるらしい。
カメラの画角はほぼほぼ自分の敷地内なので、エリア設定は特にやっていない。
人や車の検出は特にアポなしでやってくる取引先さんをキャッチできればいいかなと思っている。発送業務などで家を空けることがよくあり、その時に限って来客があったりするのだ(前述の足跡も来客かもしれないんだけど、タイヤ跡がなく裏庭から来てたのでホントに謎)。
Homekitとの連携は、今のところ通知が直接手元のiPhoneに来てるのでいらんかなって思っている。誰か他の人が常駐するようなことがあれば、その時に導入する予定。
金額としては安くない買い物だったけど、カメラが質の良さや応答の早さは聞いていたとおり快適で、導入して良かったと思っている。
早く来客こないかなーって思ってるのだけど、取り付けて以降はなぜか来客がパッタリなくなってしまった。年度末またいだからかな…?
今後の改善
ケーブルが裸の状態なので、モールを敷いてその中に収納したい。
カバーには地味にスキマが空いてるので、ウレタンなどでスキマを埋めたい。
そもそも電源コードが屋外用じゃないのでなんとかしたい。
の3点です!
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