知的能力障害(知的発達症・知的発達障害)と自閉スペクトラム症の合併
1.自閉スペクトラム症と知的能力障害の合併
前回の記事『知的能力障害(知的発達症・知的発達障害)って何?』
でお知らせした通り、知的能力障害は自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)と合併します。
自閉症と知的能力障害を合併しているのに、診断としては「自閉スペクトラム症」としか伝えられない保護者の方が多いと感じます。
私は、「知的能力障害と診断をつけて!」と言っているわけではありません。
本当は、社会の目、人々の目が診断にとらわれず、障害を持つ一人一人の特徴を理解できたら診断をつける理由はないのですが、、、。
現状はそうはいきません。
2.知的能力障害が合併している方への支援
なぜ私がこの記事を書いているのかというと、自閉スペクトラム症(ASD)に知的能力障害が合併しているのか、していないのかで支援の仕方が変わってくるからです。
保護者の方は医師や支援者のアドバイスを参考にして、色んな声かけをしても、子どもには伝わらない。視覚支援が大事と言われたからやってみても伝わらない。愛情を与えることが必要と言われたから一生懸命愛情を与えたけど・・・。
アドバスがその子の特性や能力に適していないと、「アドバス通りやってみたけど、変わらない」、「私がダメなのか・・・」という思いが保護者の方の中に溜まってしまい、悩みを抱えてしまう保護者の方も多いです。
知的能力障害の有無や程度によって、支援の仕方が異なるのに、*「声かけが大事ですよ」、「愛情を与えて下さい」、*「視覚支援をして下さい」と決まり文句のように伝えることはよくありません(注意:支援者の中には子どもの特徴を理解して*のアドバイスをしている人もいます!)。
支援の仕方は、その子の特性や能力によって変わります。上手くいかない場合は、保護者の方から「声かけはどんなふうにしたらいいのか」、「視覚支援はどこから始めたら良いのか」、「愛情はどうやって与えるのか」を支援者に聞いてみて下さい。