【カメラ経費雑感】初心者フィルムカメラの乗り出し価格を考える(R6.5)
フィルムカメラが見直される今、巷には「初心者におすすめのカメラ」の動画や記事が増えてきました。その紹介内容は数千円の写ルンですから、数十万のフラグシップやライカと様々なカオスっぷりです。
金額にムラがありすぎますので、この記事では現実的な価格のカメラで100枚撮るまでにかかる「乗り出し価格」はいくらくらいなのか考えました。
コスト計算の考え方
算数は苦手なので、こんな感じで費用をイメージしています。
乗りだし費用=ボディ+レンズ+必要機材+フィルム3本
一枚単価=乗りだし費用÷撮影枚数
総額(RC)=乗りだし費用+追加費用-[売却費用]
※大体100枚撮影(フィルム3本分)を基準にして考えます。
とりあえずEOSだ。EOSを買え。
フィルムカメラをはじめるならキャノンのAF一眼「EOS」シリーズが一番です。説明書がなくても直感で使える操作性、蓄積されたレンズやボディの拡張性、台数の豊富さからくる価格性の3拍子が揃っています。
同シリーズはジャンク500円から店売りでも数千円であり、5000円出せばEハイアマチュア機が買えてしまいます。昨今のフィルムカメラブームでも、値上がりしていないほぼ唯一のカメラシリーズです。
EOS10QD×EF40mm F2.8 STM
今回はシンプルに使えるEOS10QD(1990)をチョイス。40MM STM は小さくて軽いパンケーキレンズで、気軽に持ち出せて本当に楽しいです。
100枚撮るまでにかかる「乗り出し費用」はおよそ24000円也
本体+レンズ価格=10000円
・EOS10QD :1000円(ハードオフ)
・EF40mm F2.8 STM :9000円(メルカリ)
必要機材=13100
・電池(2CR5) :1500円(量販店)
・カメラフィルム :6000円(キタムラ)
・現像代 :3000円(キタムラ)
・データ化 :2100円(キタムラ)
・えりすぐり10枚を写真印刷: 600円(キタムラ)
費用を削っていけば2割削れるでしょうが、むしろ2割増額して30000円くらいで始まる方が幸福度が高くなります。フィルム一本撮り終えるごとに4000円近くかかるのが昨今のフィルムカメラ事情です。
すなわち一枚単価は100枚時点で240円也
なおフィルム10本撮影にかかる総額は50000円ほど、50本撮影で20万ほどに膨れ上がります。50本時点で一枚単価120円ほどと半額になりますが…15万もあれば、デジタルなら型落中古のハイアマチュア機や新品のレンズ付き入門が買えちゃう値段ですね。
逆に考えると、200万してくるデジタルライカぐらいなら、フィルムライカの方が使う頻度次第ではお得だったりします。うん。初心者におすすめのフィルムカメラはライカで決まりですね。
作例
結論として
この5年でフィルム機材の3倍近く価格高騰しているので、デジタルとの併用をしなければカメラ趣味は続かないでしょう。普段使いやスナップはデジタルを使い、年に数回の旅行にフィルムカメラを持っていく。デジタル・フィルムの2台持ちがこれからのフィルムカメラ初心者におすすめするスタイルなのでしょうね。