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ユニクロのデザイナーズコラボにはまる その2

  前回、ユニクロと英国のファッションデザイナー、J.W.アンダーソンとのコラボコレクション「UNIQLO and JW ANDERSON」について書きましたが、先日、ルクアイーレ店に行ってみると、購入した商品はS、 Mサイズ共に完売していました。かつての勢いはないものの、ユニクロのデザイナーズコラボ人気は健在のようです。 

 そこで、ユニクロのデザイナーズコラボの歴史を振り返ってみましょう。 

 私が初めて購入したのは、2008年5月に発売された「Alexander Wang(アレキサンダー・ワン)」の白いノースリーブワンピースでした。参考資料として購入したので一度も着用していませんが、いまも衣装ケースに保管しています。 

 当時はニューヨークコレクションにデビューしたばかりの新進気鋭のデザイナーで、注目株のひとりでした。ユニクロが2006年に始めた「Designers Invitation Project(デザイナーズ・インビテーション・プロジェクト)」の第3弾に登場。このプロジェクトは、パリコレや東京コレクションで活躍する新進気鋭のデザイナーを招聘し、ファッション性の高い商品を創り出すのが狙いで、過去には3.1フィリップ リムも招聘されていました。 

 その後、アレキサンダー・ワンはGAP、H&Mともコラボレーションし、いまではニューヨークを代表する世界的なファッションデザイナーとして活躍しています。 

 ユニクロにとって、海外のファッションデザイナーとのコラボは、グローバル戦略に欠かせない取り組みだったといえます。機能性が高く、低価格の日本ブランドというだけでは、日本国内で高く評価されても、世界市場で受け入れられるとは限りません。ヒートテックやフリースはユニクロを代表するアイテムですが、それだけでは、ユニクロという企業ブランドを海外で浸透させるのはむずかしかったでしょう。 

 欧米で支持されているファッションデザイナーとの取り組みは、ものづくりに妥協を許さないユニクロの企業理念と技術力の高さ、それを叶える万全の生産体制を世界に知らしめることにつながったわけです。 

 それを実感したのが、2009年秋冬にデビューした、ジル・サンダーとのコラボプロジェクト「+J(プラスジェイ)」でした。新進のデザイナーではなく、ファッション界の超大物との取り組みは、ユニクロの世界戦略においてひとつの転機になったといえます。 

 低価格のベーシックウェアを代表するユニクロと、ミニマルかつ構築的なモードの女王、ジル・サンダーとのコラボは、その完成度の高さと破格の価格設定でファッション業界人をも驚かせました。 

 当時、ユニクロ銀座店のリニューアルの内覧会と同時に「+J」のお披露目会があり、私も興味津々で参加。ウールのジャケットが1万円以下、カシミヤニットが1万円台だったのに興奮して買ったのを覚えています。 

 それらは、3万円以上する百貨店ブランドと比べてもまったく遜色ないクオリティだったからです。手にした瞬間、洋服の価格に対する固定観念が見事に覆されました。知り合いの業界紙の記者も、驚きを隠せない様子でした。そのとき買ったウールジャケットとベロアジャケットはいまでも型崩れせず、生地もそれほど痛まず、着用しています。 

 +Jの次に登場したのが、日本人デザイナー、高橋盾が手がけるストリート発ブランド「アンダーカバー」とのコラボコレクション「UU」です。2012年3月、銀座のグローバル旗艦店のオープンに合わせて発表。家族をキーワードとしたコレクションは、おしゃれな子育てファミリーの人気を集めました。 

  さらに、2015年10月には、パリ発のLEMAIRE(ルメール)とのコラボレーション「UNIQLO AND LEMAIRE」を発売。ルメールは、ラコステやエルメスのアーティスティックディレクターを歴任したクリストフ・ルメールとサラ-リン・トランのブランドです。 

 このブランドでは、Aラインシルエットの黒の中綿付きフードコート、黒の裏地付きウール混ジャージパンツ、黒のカシミヤロングVネットセーターなどを購入。ルメールらしいミニマルなデザインで上質な素材を使ったコレクションは、上品カジュアルな着こなしにぴったりで、仕事着としても結構重宝しました。 その3に続く。 

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