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コロナ禍の台湾空想旅行(コーヒー編)

私は、台湾で5年前からコーヒーのイベントをしているということもあり、これまでに300店以上の台湾のカフェやロースターのコーヒーを飲んだ、と思う。

以前は、「激甘ラテ」が主流な台湾のカフェ。私はカフェにはほとんど行かず、ドリンクスタンドで「檸檬綠茶正常冰微糖外帶(レモン緑茶 氷たっぷり 甘さ控え目 テイクアウト)」を買って、歩き飲みの一択だった。

台湾のコーヒーを取り巻く環境は、2016年にSimple Kaffaの吳則霖(Berg Wu)が、WBC(ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ)で世界チャンピオンに輝いたくらいから、一気に動き出す。2017年、私たちが主催した「Culture & Coffee Festival」では来場者は1万人を超えて、入場まで3時間半待ちのイベントとなった。台湾のコーヒーのムーブメントがカルチャーになっていく瞬間を鮮明に覚えている。

最近は、日本よりも多様なコーヒーのスタイルが、台湾で生まれている(当初は日本の有名なカフェやロースターの真似も多かったが)。自家焙煎のスペシャリティコーヒーを実直に提供するカフェから、台湾独自の個性的な店舗まで。後者の代表は「元益與寶來咖啡(bao lai chinese herbal × coffee / バオライコーヒー)」など。漢方薬局の二代目が、同じ若い世代の人たちにも漢方養生の知恵を伝えたいと始めた「漢方カフェ」。花椒拿鐵(花椒ラテ)は一飲の価値あり。

それ以外にも、台湾にはオススメのカフェやロースターがたくさんある。その中から、独断と偏見と、かなり重めの忖度で選んだ10店がこちら。コロナが落ち着いたら、まずは灼熱の台湾で南風薫るコーヒーを飲みに行きたい。

1. Simple Kaffa興波咖啡(シンプル カッファ)

2004年、コーヒーの移動販売からスタート。2016年のワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC) で優勝したBerg Wuによるカフェ&ロースター。台湾のコーヒーカルチャーの中心的な存在。2019年にSimple Kaffa Flagship 興波咖啡旗艦店をオープン。

2. Fika Fika Cafe(フィカ フィカ カフェ)

2013年、Nordic Barista Cup(NBC) の世界チャンピオンのコーヒーが飲める北欧スタイルカフェ。エスプレッソ部門と焙煎部門をW受賞した経験を生かしたオリジナリティあふれるコーヒが楽しめる。Fika Fika 独自の技術で浅煎りした台湾のコーヒー豆「台灣南投百勝村蜜處理」は風味が豊かで海外のコーヒーフリークにも大人気。

3. 小廢墟咖啡館(Ruins Coffee Roasters / ルインズ コーヒー ロースター)

台北南部の景美溪の川沿いにある廃墟をリノベーションしたカフェ&ロースター。2017年に閉店した人気カフェ小破爛咖啡(Cafe Junkies)の姉妹店。不定期に開催するマーケットには国内外のカルチャーホリックが集まるなど話題となっている。

4. 暗室微光

台湾の新竹市にある古民家をリノベーションしたカフェ。自家焙煎のコーヒーだけでなく自家製スイーツにもファンが多い。天井の高いゆったりとした店内で開放的な気分を味わえる。ノスタルジックな雰囲気でカフェタイムを楽しめる隠れ屋。

5. st.1 cafe’ / work room(エスティーワン)

2014年、台南の大橋一街の路地裏でオープン。台南のカルチャーのランドマークでもあるParipari apt.という複合ビルの2階にあるカフェもプロデュース、台南のカルチャーシーンをリードしている。

6. 席瑪朵珈琲烘焙棧 Cermado Cafe

2003年に台南でオープンしたは自家焙煎珈琲専門店カフェ。台湾でコーヒーカルチャーを広げるために、コーヒーギアや暮らし道具からコーヒーのスタイルを提案している。2017年、ニトロコーヒーの移動販売車で、台湾各地のイベントに出店して話題となる。台南だけでなく台湾各地のコーヒーマニアにも愛されている。

7. 爐鍋咖啡 / LUGUO CAFE(ルグオ カフェ)

2004年創業、台北の迪化街を中心に台湾5店舗を展開する。台湾のスペシャルティコーヒーを黎明期から牽引している老舗のロースター。スペシャルティコーヒーの焙煎を通じて、台湾独自のコーヒーカルチャーを世界に発信しつづけている。

8. Gavagai Café(ガヴァガイ カフェ)

台湾の高雄市にある隠れ家カフェ。2017年、オーナーはTaiwan Coffee Roasting Championshipで準優勝する。店内ではサイフォンで淹れたシングルオリジンのコーヒーは後味と香りが絶品と言われている。台湾のイラストレーターやアーティストとコラボレーションしたり、コーヒーをテーマとするクリエイティブな創作にも力を入れている。

9. Goodman Roaster(グッドマン ロースター)

台湾の阿里山産のスペシャルティコーヒーに感銘を受け単身移住した伊藤篤臣氏がオープンした自家焙煎スペシャルティーコーヒー専門店。2011年には「Alisan Dream Project」を立ち上げるなど、阿里山珈琲の魅力を多方面から発信している。

10. CAFE!N(カフェイン)

2018年、大安区でオープン。台湾のCoffee Cuppingのチャンピオン(2018年)などからなるチームを、台湾で焙煎されるコーヒー豆の1/4を手掛ける源友企業がバックアップしている。PLAY COMME des GARÇONSのロゴをデザインしたFILIP PAGOWSKIとコラボレーションして話題となる。台南の有名ソフトクリーム店「蜷尾家」とコラボしたトーストは絶品。


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小路輔 / 初耳 hatsumimi 編集長@台湾
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