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地域CL2022決勝ラウンド最終日レポート

 全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(以下地域CL)決勝ラウンドは27日、最終日が熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われた。
 第1試合では沖縄SVがFC刈谷に4-0で勝利、第2試合ではブリオベッカ浦安が栃木シティFCを3-1で破った。これにより、優勝したブリオベッカ浦安と準優勝の沖縄SVが来季のJFL昇格権を獲得した。
 JFL昇格の可否は12月6日に行われるJFL理事会で承認される。


沖縄SV 4-0 FC刈谷

寸評:勝つしか道のない沖縄SVは13分、左サイドから切り込んだ山田がネットを揺らし、幸先良く先制する。高い位置でボールを奪い速攻に繋げる沖縄SVは38分、カウンターから山田がこの日2点目のゴール。更に42分には、ペナルティエリア内の混戦から一木が押し込みリードを広げる。
 後半も開始早々に荒井のゴールで点差を引き離す。この後追加点は奪えなかったものの、岡根を中心とした堅い守りで刈谷の反撃をシャットアウト。これにより得失点差でアドバンテージを得た沖縄SVは2位以上が確定。6戦無失点の堅守を武器に、悲願のJFL昇格の権利を掴み取った。


FC刈谷・村田一弘監督
「一昨日の疲労が抜けなかったところが1つ。これは選手層の問題も1つあると思います。それと相手の勢いに飲まれてアグレッシブに最初からできなかったのもあります。ゲームが流れるうちにボールを握れるようになってきたんですけど、その時にはもう時間が経ってしまってる時ということで。若さも含めて経験不足、スタッフも含めて。それを回避する何かをもう1個持ってないと、ここの戦いでは勝てないかなと考えています」

Q.ハーフタイムの指示は?
「4点いきなり入ることはないので、前半のことは忘れて、後半我々のサッカーをアグレッシブにやりましょう、ボールを動かしましょうということを言って送り出しました。点差があるので、焦って自分だけのプレーになっちゃうのが一番良くないと思ってた。ルールの中でしっかりやりなさい、と。1点ずつしか返せないんだから、ひたむきにやりなさいという言葉で送り出しました」

Q.チームの成長について
「すごく成長してくれたと思います。フィジカルのトレーニングから、基礎から始まって、それから戦術、技術のところに入った。成長過程はすごくあったと思います。スタートの時点で2月までに中々メンバーが揃わなかった。3月くらいからのスタート、遅くスタートした。残念なことに遅くしかスタートできなかったというのもあります。それと、僕のシステム変更だったり、戦術の中の変更をスムーズに受け入れてくれて動けるようになったというのは、すごく進歩した、成長したと思ってます。最後のパワーのところだったり、個人戦術のところが多少足りない部分は今後の課題かなと思います。ボール奪ってからの精度も低いと思います。奪って失う回数がすごく多かった。そこは改善する余地があります。守備のところは徐々に良くなってきてる。これを引き続きやっていければ、もっとパワーアップできれば、良いチームになると思ってます」

Q.ファンサポーターへ向けて
「コロナ禍で応援に来ていただけなかった時から、ずっと気にしてくれた。オープンになった瞬間に他チームより多く応援に参加していただいた。すごく後押ししてもらえたと思います。感謝してます。音だったり、声がオープンになった時は、すごい迫力で応援してもらえる。背中を押されてゲームが良くなったシーンもあった。ありがたいと思ってます」


沖縄SV・高原直泰監督
「頑張った選手たちに本当に感謝したいと思います。選手、スタッフ、本当に1年間よく頑張ってくれたと思います。その中でサポートしてくれたスポンサーの方たち、サポーターの人たち、ホームタウンの方たちに昇格という報告ができることがすごい嬉しい。今日は自分たちがやってきたことの集大成、そういった気持ちで臨む。自分たちがやってきたことを誰も疑ってなかった。それをやりきってくれて、この結果で嬉しい。こういう経験をさせてくれた選手たちに本当に感謝したいと思います」

Q.守備が堅かったですが?
「この大会に入る前、全社で信じられないミスから失点して負けた。その後、アルティスタ浅間とトレーニングマッチをした。0-5で負けた。そこから自分たちのチームの守備の欠点が見つかった。そこで修正して、地域CL一発目アルティスタとやって、6-0で勝った。それがチームに勢いをもたらしてくれたと思います。選手みんな、試合出てる選手、そうでない選手、ここに連れてこられなかった選手、みんなが自分たちの勝利のためにしっかりと準備してくれた結果です。試合をやる中で選手自身が自分たちで進化してくれた、成長してくれた。戦いながら自分たちの形を作っていってくれた。選手全員がやることやりながら、試合の中で真価を発揮してくれて、こういう結果に繋がったと思います」

Q.来年に向けて
「まずは沖縄を代表して全国で戦える、その誇り、そういったものはすごく嬉しい。自分が沖縄に来て、ようやくそういうことを県民の皆さんに見せられるチャンスができて嬉しい。来年に向けてより良いサッカーを見せられるようにしっかり準備していきます。クラブの代表として、昇格をキッカケにして、より沖縄県にプラスになるようなことをまた進めていきたいと思います。スポーツクラブとして、地域に根ざして、地域の課題解決、地域創生、色々なものをやりましたけど、そういったものを含めて、自分たちのやってきたものをより広げるためにも昇格は不可欠な結果。非常にクラブにとっても大きな昇格ですし、これをキッカケにクラブとしての活動をより広げて、沖縄県をもっともっと巻き込んで、沖縄県をもっと盛り上げていけるように、そういったことを来年していきたい」

Q.今日のポイントは?
「相手は若い選手たち。勢い持って、技術的にも全員しっかりしてた。しっかり繋いでくる。前線はスピードのある選手がいる。最低限のインフォメーションはしました。ただ、自分たちがこの1年通して色んなチームと戦ってきた。そういったチームとどういう風にプレーしていくのかというのも、ずっとやってきた。自分から選手に言ったことは、何も特別なことをする必要はない。自分たちでやってきたことを信じてやるだけ。本当にそれだけですね。特に(得点が)2点必要だとか、そんなことは一切言わなかったです。自分たちがやってきたことを全員が信じてプレーしてきて、出してくれた結果だと思う。それをピッチで体現してくれた選手、戦いながらひと回り成長してくれた選手に本当に感謝したい」


ブリオベッカ浦安 3-1 栃木シティFC

寸評:関東勢同士で最後の昇格の椅子を争う運命の一戦。栃木シティがサイドを起点にチャンスを作ると、浦安もセットプレーから好機を生む。すると32分、コーナーキックのこぼれ球を伊藤が叩き込み浦安が先制。反撃したい栃木シティだが、大黒柱の増田が負傷交代するなど流れを掴めない。
 後半に入ると開始3分で村上がネットを揺らし、浦安がリードを広げる。複数得点が必要になった栃木シティは攻勢の手を強める。すると30分、吉田が個人技からシュートを突き刺し1点差に詰め寄る。だが、負傷者を出しながらもチーム一丸で立ち向かう浦安は、42分、カウンターから上松が値千金の2試合連続ゴールを突き刺した。
 このまま逃げ切った浦安が全社に続き地域CLも制し、2冠を手にした。敗れた栃木シティは今季3度目の浦安に対する敗北。2020年に続き、あと一歩及ばず涙を飲んだ。


栃木シティ・今矢直城監督
「浦安さんが勝ったので、彼らが良いプレーをして昇格に値するプレーをしたと思います。自分たちはもちろん最後まで諦めずにプレーした選手たちがいたので、1年間やってきたことをやろうとしたと思います。その中で相手がいるわけですから、残念ながら結果は出なかったですけども、本当ここまで連れてきてくれた選手たち、スタッフに感謝を述べたいです」

Q.引き分けでも昇格でしたが?
「特に影響はなかったと思います、そこに関しては。自分たちは1年間通しても勝つサッカーをしてたわけですから、1試合目の結果というのはもちろん気にはしますけども、それが影響しかというとそれはなかったと思います」

Q.増田選手が前半で負傷交代しましたが?
「非常に残念でしたね。ずっとチームを引っ張ってきてくれた選手が前半の途中で交代となると、やはりバランスは少し崩れると思います。ただ、サッカーはアクシデントがあるものですし、連戦、10日前も3連戦をやったばかりなので、そこは選手のところの疲労はかなりあったと思います。残念な怪我に、負傷交代になってしまいました。ただ、そこは一生懸命やってくれたので、しょうがないかなと思います」

Q.風の影響は?
「ピッチ内はそこまではなかったです。初日や2試合目に比べると、多少影響はあったかなと思いますが、すごく大きく左右してるとは思いませんでした」

Q.足りなかったものは?
「私の力不足です。自分の、このチームを引っ張るところでの、力が足らなかっただけかなと思います。1試合目2試合目のフットボールができたかできなかったかで言いますと、前半少し消極的だった。もっと自分たちのフットボールをやろう、と。いつも通りに前を向いて前でプレーをするというところは、後半心がけて挑んだつもりです」

Q.前半消極的だった要因は?
「コンディションの影響は少なからずあったかなと思います。その中で4回目の対戦なんですよね、浦安さんとは、今年。対策もしてくるでしょうし、我々が前に行けないようにプレスをかけてこようとしてたと思います。その中で自分たちが解決策を見出せて、シュートまで行ったシーンも前半あったんですけども、中々その回数が望むような回数ではなかったという意味で、自分から見ると少し消極的には映ったかなと思いました。その旨をハーフタイムで伝えて。実際試合ビデオで見てみるとそんなに悪くなかったのかもしれないですけども、少なくともハーフタイム入る前に感じたのは、ちょっと少ないな、と。ゴール前に行くシーンと相手のプレスを回避するところで。前に行くプレー、いつもだったら斜め前に出してるパスとかが、通らなかったかなというのはありました」

Q.昇格を分けた差は?
「浦安さんとやって3回負けたわけですから、単純に浦安さんの力が我々を上回ったことと、私自身の力不足だったのかなと思います。そこは都並監督だったり、相手の選手、スタッフだったりの力が我々の組織を上回った。自分たちももっともっと力をつけて、日々の練習から、取り組み方だったり、そういうところをもう1回見直して検証して、来季に向けて自分たちが何をもう少し良くできたのかというところは必ずある。今日の結果は受け止めなきゃいけない。そこを次に向けてどう良くしていくかというのをチーム全体で、スタッフとも相談しながら考えていきたいと思います」


ブリオベッカ浦安・都並敏史監督
「色んな方に支えられたブリオベッカ浦安ですが、まずは結果が出て、皆さんに恩返しができて本当に嬉しいです。試合内容は、試合入る直前のミーティングでヘッドコーチの村田が上手く選手たちを笑わせてくれた。リラックスした雰囲気で前半入れたことで、ペースを握れたと思ってます。栃木さんの方が少し、チャンピオンズリーグにチャレンジする機会が多かった分だけ、硬さが出たのかなと感じてます。とにかく硬くならないように、我々は一発ギャグやりながらとかいう形で入っていったのが、前半のリズムに繋がったんじゃないかなと思います。後半は相手が4-4-2に変えてきてからは非常に危ない時間があって。森保(日本代表)監督のように素早く3-4-3に切り替える頭はあった。自分は早く変えたかったんですけども、峯選手に相談して『待て』と言われたので待ってました。ところが危ない状況になったので、最後は3バックに変えたらまた守備が安定して3点目に繋がった。いずれにしても、70%のペースは我々が握っていたと思ってます。ただ、危ないシーン、個人のシュート力とか、そういうのは非常に強烈な部分があった。選手たちが集中してよく戦ってくれたと思ってます」

Q.胴上げされましたが?
「監督として胴上げされることが夢だってずっと言い続けて。監督という難しい商売をどのように深く知っていくかというテーマと、結果を出して胴上げされたいというテーマが2つ、自分の中に持っていて。本当に夢のような瞬間でした。一山越えたなという感じをしております」

Q.栃木シティを上回れたポイントは?
「常にディフェンスの部分の調和と、攻撃面の質の高さは求めてる。その部分はリラックスしないと中々表現できない。リラックスしてるというところが上回ってたんじゃないかと思います。自分の経験でも、ミーティングで気合を入れすぎて選手を空回りさせてきた経験が何回もあった。そういう意味では、この大会はほとんどの試合はリラックスして入れてる。そこはどこのチームよりも上回っていたと思います。結構選手に任せてたところが良かったのかなと自負しています」

Q.上松選手について
「彼は非常に経験があって、攻撃面のレベルは高いんですけども、僕が要求するディフェンスのタスクを中々表現できなくて、出番をもらえていなかった。その中でライバルの選手たちとの相対的なものもあって、チャンスが巡ってきた。ただ、勝負どころで点を取るというのは以前にも、天皇杯でも見せてくれている。データとしても残っている。上松にはとにかく1点狙って欲しいという思いで伝えていました。そういう意味では、攻撃面でのリズム作りと、しっかりと点を取るというところを託していました」

Q.ファンサポーターの応援について
「我々ブリオベッカ浦安の目標は、JFL昇格もあるんですけど、地域に愛されるクラブになりたいという思いがある。そのためには、支えてくださってる人たちに常に感謝する気持ちと、サッカーの内容も謙虚に、また技術的にも高いものを見せていくという部分があって。それは今大会で表現できたと思いますし、それは応援してくださる下の方々のおかげで。今日は育成の子どもたちも来てくれた。そういう意味では我々の大きな力になっております。応援してくれた方々、また動画で見て応援してくれた方々にも感謝を申し上げたいと思います」

Q.リーグ戦は6位でしたが全社・地域CLと一気に駆け上がりました
「まず関東リーグで1位になる確証は中々なくて。栃木シティさんがいらっしゃると、中々1位になるというのは難しいと思ったので、全社狙いという思いもありました。そうなると色んな選手を使っていかないと無理。それをあえて(リーグ戦で)やってきたんですけど、そうすると安定感がなくなって結果的に6位になった。ただ、それが全社では色んな選手を使ってきたので、かなり自信をつけた選手がいる。例えば村上なんかは明らかに覚醒してしまって、ずっとベンチ外だった選手が自信をつけて大きく成長してくれた。試合が選手を成長させることを僕も学びました。そういう意味で、非常に良い流れが来ました。その他に自分が監督として下手なところがあって。どうしてもやりたいサッカー、やらせたいサッカーに細かく言うタイプ。(そうすると)選手が萎縮する。途中から僕はディフェンスのことしか言わないという風に、攻撃は村田コーチに任せて、出ていく指示も俺は行かないという風に、自分なりに変えました。それから非常に選手たちもノビノビしだして。おっかなくなくなったのか、良い感じが出てきた。スタッフに任せて、スタッフの良いものを引き出すとか、そういうことって本当に大切なんだなと、思いっきり勉強しております。10歩くらい引いてちょうど良いくらい。それをやっとこの歳になって監督として学んでる次第でございます」

Q.GKの谷口選手にもビッグセーブがありましたが?
「あれで流れが来た部分もありました。今大会運もあります。自分が神社巡りしてるんですけど、ツイてるなという感じがしております。神頼みまでしてやっているつもりです」

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