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地域CL2020・栃木ラウンド1日目レポート

全国地域サッカーチャンピオンズリーグは6日、全国3会場で計6試合が行われた。
栃木会場では、栃木シティが弘前に、十勝がラランジャ京都にそれぞれ勝利した。明日7日は、第1試合で共に敗れた弘前とラランジャ京都が、第2試合で共に勝った栃木シティと十勝が激突する。

ブランデュー弘前0-2栃木シティ

<寸評>
地元開催の栃木シティが先勝した。
東北王者と関東王者がぶつかったこの一戦。大方の予想通り、序盤から山村・藤田の2トップを起点に押し込む栃木シティが主導権を握る。しかし、飲水タイムを挟んで徐々に流れを掴んだのは弘前だった。
スコアレスで折り返した後半もボールを握って流れを渡さない弘前であったが、ハンドにより痛恨のPKを与えてしまう。59分、これを田中輝が左上に決め込むと、流れは一気に栃木シティへ。79分には途中出場の吉田が貴重な追加点を挙げた。
弘前の攻勢を最後まで凌いだ栃木シティは、決定力や試合運びに課題は見られたものの、喉から手が出るほど欲しかった勝点3を大事な初戦で掴み取った。敗れた弘前は、流れを掴んでいた時間帯に与えたPKが悔やまれた。

栃木シティ・田中輝希選手
「初戦ということもあってチーム全体が固い雰囲気で。関東リーグ(でやってる)みたいなテンポのあるサッカーが中々できなかったんですけど、内容より結果が大事だと思うので、勝点3を取れたことがチームとして大きいと思います」
Q.PKの場面について
「キッカーは決まってませんでした。蹴りたかったので蹴りました(笑)。(蹴るコースは)特に決めてはいなかった。決める自信があったので思い切って蹴っただけです」
Q.得点後について
「後半、徐々にリラックスできてきた。でも、まだまだ栃木シティらしいサッカーっていうのは、クオリティの部分では見せられなかった感じですね」
Q.守備について
「今年のチームは内容が悪くても無失点で抑えられてる試合が多い。得点取れてるときも良い守備から始まってる。DFは頼もしい。心配してないです」
Q.次戦に向けて
「1試合1試合ハードなゲームになると思います。内容より結果にこだわって全力で挑みたいと思います」

栃木シティ・大島嵩弘選手
「内容というより結果。勝点3取れたことが大きいです」
Q.前半は固さも見られましたが?
「負けられないので緊張感はありました。でも、0で抑えながら、チャンスも何回かあったので、前半はアレで良かったかなと思います」
Q.後半臨むにあたって
「やり方は変えずに粘り強く、相手のウィークを突きながらやっていこうと。(得点後は)リードすることによって気持ちにも余裕が出てきた。先制の時間帯も良かったし、追加点の時間も良かった。勝点3取れて良かったです」
Q.守備について
「結果的に0に抑えられましたけど、危ない部分がいくつかあった。でも、あそこで入らなかったという結果が大事。明日に向けて修正して頑張ります」
Q.次戦に向けて
「まず明日の試合に全力注いで、勝点3を取れるようにしっかり準備したいと思います」

栃木シティ・吉田篤志選手
「まず初戦、勝てたことが良かったです」
Q.ハーフタイムからの出場でしたが
「フレッシュな状態(で入った)ので、絶対点取って、という役割で入って。点決めて結果残せて良かったです。相手の(最終)ラインが高かったので、背後を狙ったり、相手の嫌がるプレーをしろと言われて(入り)ました」
Q.得点の場面について
「(相手のミスは)狙ってました。それで点取れたので良かったです」
Q.前からハメる守備については?
「それはチームとして90分間変わらない。90分間チーム全員でできたので良かったと思います」
Q.昨年いわきでも地域CLに出場していますが?
「去年は出てない試合の方が多かった。実際、今年もそんなに(大会には)慣れてないです。でも、周りの選手よりは知ってるので。雰囲気だったり。その辺は周りの選手より有利かなと思います。チームには、とりあえず死に物狂いで(やろうと伝えた)。一戦一戦落とせないので」

ブランデュー弘前・高橋佳選手
「栃木シティさんはプロにいた選手や上手な選手が多いので、がむしゃらに挑んで、チャレンジーという気持ちを持って臨みました。戦えなかったことはないんですけど、2ー0という結果になってしまった。でも、ここで終わったわけではない。しっかりあと2勝したい。(でも、栃木シティは)上手でしたね。強いな、と」
Q.ゲームプランについて
「まず、サイド攻撃からというコンセプトで、それ中心に中に飛び込んでいくという形で臨みました。最初、耐える時間が長かったですけど、そこをしっかり耐えられて自分たちのペースに持っていくことはできた。去年、高知ユナイテッドさんとの初戦は防戦一方だった。去年を経験してる分、(今年は)戦えたと思います。(これを)次につなげていかないといけないです」
Q.サポーターの皆さんに向けて
「青森県からはるばる来ていただいたんですけど、自分がチャンス外してしまって勝てませんでした。でも、残り2試合必ず勝利して、決勝ラウンドに駒を進められるように戦います。あと2試合、応援よろしくお願いします」

ブランデュー弘前・姜暁一監督
「立ち上がり固くなって良くなかった。途中から良くなって流れは掴んだんですけど、栃木シティさんが強かった。惜しかったですね」
Q.前半について
「僕らのサッカーはサイドから狙う。外からガンガンSBが上がって。そこから狙うサッカー。そこから展開して、反対(サイド)から(シュートを)狙っていく。前向いた瞬間、みんな力を入れてガンガン出ていくサッカーをしている。チャンスも何回も作ったし、良い流れも作ったんですけど、点を取らないと意味がない。そこらへんの差が出たと思います」
Q.前半の飲水タイムについて
「みんな最初は緊張しちゃう。こういう大会だとミスを怖がってしまう。ミスしても良いから、どんどん自分たちから仕掛けていこう、と。取られたら切り替えれば良いので。それ(失点)で簡単にやられるチームでもない。それを声かけしました」
Q.失点後の戦い方について
「全くプランは変えませんでした。地決は何が起こるかわからないし、1点取られても最後に1点取れば勝点1取れる。勝点1(を取ること)もすごく大事。逆に点取るためにガンガン前に攻めるのではなく、普通通りやろうとしました」
Q.去年と比べると
「自分も去年選手で今年は監督。みんな若いので、もっとサッカーを楽しもうと言いました。これも1つの良い経験になると思ってるので。そういうのをメインとしてサッカーをしています。選手の頃は自分がなんとかしようという気持ちがあった。監督になると、自分でなんとかできない。選手たちのモチベーションや気持ちを考えると、監督って大変ですね」
Q.次戦に向けて
「相手がどこでもサッカーを変えたくはない。自分たちのサッカーをやって勝ちたいと思ってる。地決は何が起こるかわからないので、1試合1試合まだチャンスはあると思って戦いたいです」

ラランジャ京都0-1北海道十勝スカイアース

<寸評>
十勝が苦しみながら初戦をモノにした。
序盤からアグレッシブさを前面に押し出したラランジャは、立ち上がり早々決定機を迎えたもののGK曳地の体を張った守備に阻まれる。その後、十勝が巻き返す時間もあったが、鮮やかなパスワークで攻め立てるラランジャが主導権を握り続けハーフタイムを迎えた。
後半もラランジャがテンポの良いパス回しで十勝ゴールに迫るが、中々フィニッシュまで持ち込めない。すると、76分、相手守備陣を左右に揺さぶった十勝は、最後に松尾がワンタッチで流し込みネットを揺らす。押し込まれていた十勝が先に前に出た。
その後、ラランジャが猛攻を仕掛け続けるものの、十勝は体を張った守備で得点を許さず。激戦を制した十勝が勝点3を奪い取り、明日の栃木シティ戦に臨むことになった。敗れたラランジャは、内容こそ良かったものの、再三の決定機を逸したことが響いた。

ラランジャ京都・上田滋夢監督
「結果がこういう形(負け)なのでプラン通りにはいかなかった、プランから外れてしまったのが今日の結果です。攻守バランス良く、ただうちのスタイルというのはそのまま、異質な形でずっと繋ぎながらという形だったんですけど、こういう戦いではそれが裏目に出てしまったのかなというのはあるかもしれません。リーグ戦では長い中での計算をしながら、チームを整えながら(戦う)。でも、地域CLは自分たちのスタイルを貫きながらも、時々壊してでも勝ちに持っていくことが必要になります。自分たちのスタイルを貫くところが逆にアダになってしまったかなというのが、今日の率直な感想です」
Q.ハーフタイムの声かけは?
「正直ハーフタイムに言ってそれほど大きく変わるかというと、チームスタイルがあればあるほど変わりにくいと思うんです。そこからすると、いかに何かの一言であったり、自分たちの中で変化できるかという感性を養っておくところが足りなかったのかなと思います。納得しているところもあれば、大きな意味で反省しているところもあります」
Q.次戦以降に向けて
「(自分たちのスタイルを)崩すとおかしくなるので、うちらしく1つ1つ、明日の試合とにかく勝点をとるために(戦います)。本当に強豪揃いですので、何が起こるかわからないというところを、今日言うくらいかなと思います」
Q.11年ぶりの地域CLとなりますが?
「(当時の)スタッフは全員残っています。私もそうですし、明日そのときのメンバーも来ます。逆にスタッフの方が知ってて、選手たちは前のチームで知っている選手もいて、そういう意味では色々あるぞというのはわかっている。基本的に大会に臨むときも、関西リーグも最後まで大変でしたけども、準備としては正直な気持ちの準備とか、コンディションの準備というところで。逆に言えば、フレッシュな状態。その勢いをそのまま(出して欲しい)というところで。そういうところは、1点取られるまでは出せたと思います。その後の逆転というところでは、1点取られると正直落ち込んじゃいましたね。何かあるぞというのを彼らが感じてくれるように修正していかなければと思います」
Q.入りから動きは良かったように見えましたが?
「うちはこういう(自分たちのスタイル)戦い方しかできないので。こういうスタイルをずっと子供たち(の年代)から繋がって(やってる)。本当は勝ってほしかったですけど、(敗北も)1つの経験かなと思います。フレッシュだからこそチーム含めてノリとか、結束力は上がるんじゃないかな、と期待してます。難しいですね。サッカーは難しい。これで勝てれば万々歳なんですけど。相手が(緊張で)固かったところで点を取れなかった。積極的なゴールよりも、自分たちのスタイルの方に偏ってしまったのが反省です。積極的にシュートを狙って失敗でも良いから(トライしよう)というところが、関西リーグだとトライするんですけど、うちも飲まれたところがあったと思います。ボールを失いたくないとか。最後に思い切りいかなかったり、フィフティーフィフティーのところでシュートにチャレンジするよりも(ボールを)失う怖さが出てたのかもしれません」

北海道十勝スカイアース・高勝竜監督
「プラン通りの試合でした。怪我人が多い中でシフトチェンジしていく、段階的に上げていく。そういう感じです。ラランジャさんは、非常にボールを大切にするチームです。関西で2位でしたし、コロナもありましたけど、何かがあるから結果を残せてると思うんです。やってみてポジションチェンジの仕方とか、スペースの使い方とか、ボールの運び方に上手さがありました。そこのマークをしっかり剥がされないようにしていかないといけないというところでは、細心の注意を払ってやりました」
Q.戦術について
「相手によって変えて臨みます。うちのチームの現状では、色んなアクシデントが起きて、今いる現状のメンバーで考えたときに、まずリスクを犯さない(戦い方をしよう)。相手がどう出てくるかによって(戦い方を)使い分けていかなければならない、というところでやっていきました」
Q.新型コロナウイルスの影響でしょうか?
「それもありますし、そもそも北海道は中々練習試合ができない。帯広は高校生とやるしかない。対戦相手がいないので。本州に行くのは100%無理で、行くとしたら札幌。札幌に行くのだって年間に1〜2回行ければ良いくらい。紅白戦でシミュレーションしながらやっていくしかない。その中で、怪我人も多く出てしまったということがありまして。チーム編成を変えていかなければいけなかった。自ずと戦い方は、こうしろああしろとできることがない。(試合に)入っていくメンバーを見て、リスクのないような形を取りながらストレスなくやろうとしています」
Q.明日以降に向けて
「全然真っ白です。栃木シティさんに勝てるとは思ってないので。もちろん北海道代表として来てるので勝負しに行かなければいけないんですけど、現実的なことを言うとあれだけのチームって中々こうやったら勝てるというのが無いと思うんです。どれくらいみんなで耐えながら1回のチャンスをどう使うのか、というところです。耐え忍ぶことが現実的じゃないですかね」

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