2011.3.11以後、本をたくさん捨てた話

2011年の3.11のあと、原発事故が起こりました。あのとき、主に文系の社会学者や評論家を名乗る人たちは、諸手をあげて原発を叩きまくりました。
「日本には原発はまだ早いんだ」
「政府と東電に責任がある」
「関東はもう住めないから移住する」
「ガンでみんな死ぬ」

普段は調子よく弱者に寄り添うだの、マイノリティを救うだの言ってる人の現実はこんな感じで、関西や沖縄などに避難した人がたくさんいました。彼らは数年してから、シレっと関東に戻ってきています。

まあ、今でもいます。私の隣席のおばさんもそう。「えー福島に行ったのお?放射能あびちゃうよ?少しでも浴びないほうがいいのに」これが去年の話です。そんなもんだろうとも思っています。

実際の福島の事故はチョルノービリの事故と全然タイプの違う事故で、放出される放射線も放射性物質もケタ違いに少なく、ここからの被害が少ないことも、事故の初期にわかっていたのです。チョルノービリは炭(黒鉛)が入っていたので長く延焼して、ヨウ素が運ばれてしまいましたが、福島は軽水炉で水しか入っていません。建屋が水素爆発こそ起こしましたが、20キロも安全圏を設けることもないだろうと当時から私は思っていました。
(被爆地に住んでるとアホらしさはわかる。爆心地から20キロというと宮島より西までいける)

そのチョルノービリですら、実際に人体に起きた被害は初期のヨウ素によるものだけで、あとはこうした「風説の流布」による絶望からくる自殺が最も多かったのです。

低線量被曝は問題ありません。地上核実験の時代、レントゲン技師や航空士、土地そのものに含まれるカリウムなどよる被曝、そういうものから調べられたたくさんのデータがあり、福島に暮らしていても、問題は全然ないのです。そういったことも事故のあとすぐにわかっていたのに、みんな国産やドイツ産のデマにのりました。みんなガンになって死ぬのだと。子供も産まないほうがいいだとか、福島産の食べ物なんてとんでもないだとか、好き放題言って誰も本当のことを信じてくれませんでした。

今返り討ちにあってるグラフィックデザイナーのハナブサさん
当時、福島を消した日本地図でバズったことを
誰も忘れてないよ
こんなのをお作りになってた
「人がおそろしい」とのこと
私もあなたの無知が恐ろしいよ

あの時首相だった鳩山氏がどうせ何もできないのに現地入りなどしなければ、水素爆発を防ぐためにもっと対処できたと今でも思っています。あれで予後が悪くなってしまいました。

大きな反原発デモが国会前で行われ、これを主導したのが「れいわ」の山本太郎氏と、兵庫県知事選挙で再び現れた菅野完氏でした。山本氏の福島に対する狼藉は現在にいたるまでいわずもがなですが、(謝罪したそうだが全然たらないと思う。もっともっともっと謝罪しないと許されない)菅野氏はこのあとモリカケ桜案件に関わっており、この菅野氏におっさんおばさんが妙にアタリが強い、と感じるようならそれはこの反原発デモを主導したことにも原因があるでしょう。(その後アメリカに渡り、婦女暴行でアメリカにいられなくなって日本に戻ってきた)

いわゆる文系の学者たち、社会学者たち、小説家、文学から音楽から美術から、著作のある占い師まで、みんなして「もう関東はダメだ」「政府の責任だ」「原発は良くない」と反原発デモにのっかりました。彼らは専門知識など無いにも関わらずです。専門知識のある学者たちのツイートはたくさんあったのに、全く耳を傾けませんでした。一人残らずそうでした。

さすがに私は絶望しました。少年法の改正や憲法改正、猟奇的な少年犯罪などが90年代から続き、社会学を標榜する彼らの書いた本をたくさん読んでいたからです。もーほんと、心の底からがっかりしました。自分は被爆地の出身なので、ある程度はこのテの話に慣れていましたし、どのへんからがヤバいかもちょっとはカンが働くのですが、私よりずっと思考力のあるはずの彼らが、古典的な自虐史観にのっとったとも言える「反原発運動」を支持したのですから。

まー、坂本龍一とかはどうしようもないですよ、私とか80年代にリリースされたネオジオで損切りしたもん(高校生でもわかるあのなんかヤな感じ)。村上春樹?高校のとき2ページくらい読んでやめましたよ。あれから1pも読んだことはありません。

ソフトバンクの孫正義氏が太陽光パネルの補助金をとりつけて、嬉しそうにしていました。その時に本当に鳥肌がたちました。でも、みんな地熱や風力など自然エネルギーをもっと取り入れるべきだと言っていました。私はこれにも反対でした。会社で環境委員というのをやっていて、当時は自然エネルギーといっていたその技術が2010年の時点でも10年以上前から進んでおらず、日本の気象条件にも合わず、これからもあまり見込みのないものだということを知っていたからです。

アホの子の私でもそれくらいの知識はあるのに、どうしてみんな知らないのか。新聞とテレビがクソなのは承前として、非科学的な批判に対して、経済界までダンマリなのか。悔しくて仕方がありませんでした。東京都では石原都知事が災害のガレキなどを受け入れ、さすがだと思いましたが、これにも強い反対があちこちからありました。ひどい言いようでした。

私は彼らの本を全部捨てました。いろんなものに寄稿していた宮台真司から、あれだけ読んだ萩尾望都にいたるまで、みんな捨てました。もう読まないと思ったからです。あれからも、文系の本は小説も買わなくなりました。信頼を無くしたからです。それは今でもずっと続いています。LGBTの騒動もあって、彼らはさらに信頼できない人たちになりました。学術会議?ファクトチェックセンター?NHKとか朝日新聞の外郭団体に期待できることはもはや何もありません。

去年から今年にかけて、鴨下という共産党系?のアカウントが炎上しました。彼は「政府からお金などがもらえるならなんでもする」家の人で、自分でもよく記憶していない「福島で被爆して鼻血が出た」という話を繰り返し、大炎上しました。東京に大邸宅を持っている彼にとって、福島はいつまでも貶められて賠償金を受け取れる場所でなければならないようで、コミュニティノートをさんざん被弾していました。彼らにとっての弱者なんてそんなものなのです。もう彼らを誰も味方しなくなったので、少し安心しています。

事故から少しして、昼間は入れるようになってから、南相馬に土砂の除去ボランティアに行きました。主催したのが工学系の人たちだったので、たくさんの人がガイガーカウンターを持参していましたが、放射線量は東京とぶっちゃけ変わらず、迎えてくれた人たちも元気でした。私たちの団体は現地の中学生と昼食をとる交流会をしたのですが、なぜかそこの女子中学生たちに私ひとりがめちゃくちゃに好かれてしまい、さっきあったばかりなのに、お別れの時にみんなでわんわん泣きました。あんなに両腕に中学生をぶらさげて泣いたことなんて、これからも経験しないと思います・・・(不思議な体験だったです…)

ボランティアにいったら、非力なのはもうしょうがないとして、文句いわずになんでもやりましょう。「私は写真とってますから」とかいって逃げないように!(実際あった。怒鳴りちらして土砂作業やらしましたw みんなでめでたく泥だらけになりましたw)

原発事故をめぐるデマが網羅されているすごい本があるので紹介して終わりにします。おかしな風説の流布にだまっていてはいけない、そう強く思います。


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