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メンヘラアート ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ

森美術館です。
ここ、久しぶりにきました。53階、耳が変になります。

お客さんは女性がかなり多いです。30代くらいからの女性が中心でした。

こえぇ

そして臭い!なんか会場が汗くさいのです。動員の多い展示が多いので、エアコンに匂いがついちゃったのかなんかしらんですが、夏コミの匂いがする・・・
この「人の汗の匂い」と、女性の体、男性の体、悪夢のような作品群ですが、特に性的な部分にこの作家の興味は大集中しているのでなかなか生々しいです。草間のファルスのシリーズが平気なら大丈夫でしょうか。ヒルズだけあってオシャレしてる人も多く、香水の匂いとあいまって隣の人との距離にギョっとするような雰囲気があります。

クモちゃんママン
足先、本当に細い 太めのボールペンくらいしかない

何体かクモきてました。いー形なんですよねえ。。フニっと揺らぎそうな弾力を感じるのに、近寄るとすごく雑で冷たい感じがするのです。ディテールがあるようでさらっと素材に任せる独特な作風はこの作家に特有なものだと思っています。大きなフォルムの造作に特徴があるので、素材感はいろいろでも個展として成り立っちゃうの面白いです。

重さをどうやって支えてるのか見てもよくわかんないです。ゆるく曲がったパイプのようなのを細かく溶接してるのですが、どうやって作ってるんだろう・・・職人さんが頑張ってくれてるのでしょうが・・・

溶接してある 
大好きな良い形 ちゃんと蟲っぽい
床に傷があった これ置くの大変そう

ブルジョア氏は、個人的な体験をもとに「傷ついた」とか「拒絶された」とか「愛されなかった」「愛した」とか「セックスして産んで授乳して女の体しんどい」「抑圧」「希死念慮」とかの普遍的かつメンヘラっぽいことをテーマに作品を作っています。しかし夫との間には三人の子供もあり、それなりに幸せな時もあったのかなと思いました(超小並感)。

お父さんは息子を望んでいたそうです。労働が身体的に過酷だった昔だったらあったことですが、それを直接聞かされます。ベルばらやないかい。そしてお父さんは不貞も働き、彼女は「見捨てないで」の分離不安に陥ったのだとか。

父親との関係が良くなかったことの代償として、恋愛には入れ込んだのでしょう。一族そろってのだめんずウォーカー(古っ)ぶりを自ら告白していたり、運命と称して苦痛に滅していくドM 的な人生をどうしても、女に生まれたせいなのかが歩んでしまう自分を呪いつつ祝福しているような、そんなやつです。子育ても血をわけること、命懸けです。怒らせたら蝋人形にされそうな、芸の肥やしにする的な逞しさが全体にあります。

自分の怒りと攻撃性に自分で苛まれている様子が伝わってくるのですが、表現の多彩さと量がきわだっている作家です。形にするアイディアが非常に豊富なのですが、それぞれの完成度がちゃんと高いのがすごい。場所ごとにメインの展示を決めて、サブで埋めていく式のキュレーションがとても良かったです。素材がいろいろ、サイズもいろいろなせいで、雑然とガラクタっぽくなりがちな作品群をインスタレーション的にまとめあげた展示は圧巻でした。

初期の草間、フリーダ・カーロなどと並んで女性メンヘラ系といってもいいのかもしれません。激しい。この人の面白いのは、女性作家のわりにきれいな顔にあまりこだわりがないところでしょうか。けっこうトルソだらけ。理想ではなく、自分の感じたものを表現する。今日本の作家では美人画がちょっと流行ってるのでなかなか面白いです。

抱き合う人間ぬいぐるみ

そしてこの人のすごいのはその感情の量です。歌というか、パフォーマンスの音声がまあすごくて、ひたすら大声で自分のいろんな気持ちをがなりたて続けるやつで、80年代の前衛音楽っぽいのにもあったし、90年代にアメリカでちょっと流行ったメンヘラ系のポスト・ロックのパフォーマンスにもあったなあとも思ったので、特にびっくりはしないんですが、抱えきれない量を抱えていたのが表現されていました。元がフランス人なので、なんとなくシャンソンぽさもあります。。

身体的な感覚を表現しているものがとても多く、なんでもかんでもエロに帰結するのもなんとなくフランスを感じます(偏見)。

会場のどこにいてもずっとあちこちの映像から本人のようするにいろいろなんか納得いかない感じの、「私は克服したのよ!」「猫がくり抜いた目を食べて、、」といった、テンションたけえ音声が聞こえてくるのでダメな人はダメージ喰らうと思います。写真撮らなかったですが、かなりガチの性器モチーフがいっぱいあるので、18歳以下のお友達と行くのは微妙な展示かもしれません。

ご実家はタペストリー屋さんだったとかで、布のものがかなり多いですが布だけでもニット、タオル、刺繍したハンカチに編み物など素材は多岐に渡っており、大理石まで使っていますが素材に振り回されていないのがすごいです。これ撫で回しながら作ったんかい、というような、ぎりぎり気持ち悪くない、いや、気持ち悪い? なんかそんなところで踏みとどまっています。どうかしたらぬいぐるみ系の作家になっていたのではと思うくらい、布ボディの作品はたくさん。タイツをそのまま使ったようなものから、細かい布をはぎあわせたものなど整形がとってもうまい。

あと出色だったのがZOZOの前澤氏のホログラムのコレクションです。写真にうつらないやつです。

自画像だそう
顔はどうでもいい
古い欧州の宗教にあるおっぱい女神像を思い出す
躍動感ある
後ろは曲面の鏡になっています 酔いそう
これもおっぱいです。草間のかぼちゃもおっぱいに似てるよね
これ超おもろいです。浮気したお父さんを食べる妄想だそう
テーブルの上、大きいモモ肉の食品サンプルみたいなやつを
真っ赤に塗ったものがたくさんおいてあります。美大の芸祭感ある・・・

執拗に作ってるのがこのおっさんぽい顔です。たぶんお父さんなんだろうけど(解説をあまりしっかり読まなかった・後悔)。頭と体を明確にわけて捉えてる感じする。

この人を嫌いなのが伝わるww
みんな同じような顔
ケバケバ気持ち悪い・・・
こんな小さな頭を大きな檻に閉じ込めても
まだ煽ってくるような気がする
閉じ込めてるのはお父さんなのか自分のヤバい部分なのか
呪物や
顔の皮を剥ぎ、目をくりぬいてもまだ煽ってくるのかもしれない
これが自分の手から作り出される感覚はどんなものだろう

嫌いなものを絵に書いたり、形にしてみるのは
わりとメンタルに良いと個人的に思います
なんでかというと、忠実に再現しようとすると
怒りへの集中が自分の手元へ逸せるからです
みんなもワラ人形を作ろう(違
目 ドローイングは秀逸、
ダイレクトに血っぽいものが多く手法は単純だけど雰囲気ありすぎ
ポエムもすごい量ある メンヘラすげえ
夕暮れが訪れる前 霞んで良い雰囲気でした
頭がなくて、腕が逆についてるけど違和感なく美しい
足のようにも、腕のようにも見える
モデルは男性のお弟子さんだそう
やっぱアゴで使える、顔のない若い男を宙吊りにするのが
最高だということなのでしょうか(業が深い)
金ピカでした
作品もすごく多くて大変楽しかったです
年賀状にするハガキをショップで買おうかと思ってたのですが
別のにしましたww

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