地方の広告代理店から、SaaS企業へ。KengakuCloudで創りたい世界とこれから。
読んで頂きありがとうございます!住宅業界向け集客SaaS「KengakuCloud-ケンガククラウド-」を提供する株式会社ビズ・クリエイション代表の初谷です。
私たちは2008年に岡山県で広告代理店として創業したのですが、なぜ住宅業界に特化しているのか、クラウドツールを開発運営することになった経緯や理由、そしてどんな想いでやっていてどんな世界を実現したいのかなど、きちんと書いたことが無かったので、今回noteにまとめることにしました。やや長文になりますが是非お付き合いください。
私たちがやっていること
ビズ・クリエイションが運営しているKengakuCloudは、住宅会社の集客業務をまるっと支援するクラウドツールです。住宅会社と言うと「不動産会社」と混同されることが多いのですが、私たちが現在主に提供にしているのは「戸建住宅を建てて販売する会社」です。
詳しくはKengakuCloudサービスサイトと動画をご覧ください。
住宅業界とは?
住宅業界と一言で言ってもピンとこない人も多いと思いますので、簡単に説明します。おそらく多くの方が思い浮かべる似た業界も含めると「住宅業界」「建設業界」「不動産業界」の3つがあります。
■住宅業界(家を建てる)
戸建住宅の設計施工・販売を事業とする業界。売買商品としては「建売住宅」「注文住宅」に分けることが出来ます。
建売住宅・・・事業者が土地を買って、客が付く前に建物を建てて、土地と建物をセットで販売する
注文住宅・・・名称の通り、建てたいお客さんごとに打ち合わせをして注文通りの家を建てて引き渡す
細かく分けるとまだまだありますが、大きく分けるとそんな感じになります。土地の希少価値が高く、立地から選ばれやすい都市部ほど建売住宅が多く、土地が安く選択肢の多い地方では注文住宅が多くなる傾向があります。
■建設業界(大きな建造物を建てる)
ゼネコンに代表される、都市インフラや商業施設などの建設を手がける業界。「建築」「土木」に大別されます。
建築・・・ビル、学校、工場などの建物を建築する
土木・・・道路やトンネル、橋、ダム、水道などのインフラ整備を行う
わかりやすく言うと「非住宅」で「大きい建造物」を建てたり整備するのがこの業界という感じです。
■不動産業界(物件を取り扱う)
土地や建設された住宅の売買、仲介、管理などを行っている業界。商業施設、オフィス、個人住宅など、さまざまな建物や土地を取り扱い、開発、販売、賃貸、仲介、管理といった業務を行っています。
開発・・・マンションや商業施設の企画から土地の取得、資金の確保など
販売/賃貸/仲介・・・建物に住みたい人(または利用したい人)と売りたい人(または貸したい人)をつなぐ業務
管理・・・建物の設備管理やテナントの誘致、賃料の回収やトラブル対応といった業務
それぞれの業界の領域が完全に切り分けられているわけではなく、重なり合うことも多いので、より一般の方の理解を難しくしているところがありますね。
例えば、注文住宅を行う建築会社が顧客へ土地の紹介をする為に不動産業も行っていたり、大規模な分譲地を開発し、建売住宅を建てて、不動産仲介業者と協力して販売するなど、ただ隣接する業界ということではなく、互いに関連しあって事業を行うことも少なくありません。
前段が長くなりましたが、私たちが現在メインで対象としているのは、「住宅業界」で特に「注文住宅」の販売を主たる事業としている企業です。
なぜ住宅業界(注文住宅)に特化しているのか?
私たちが住宅業界に特化した最初のきっかけは、業界で使われる広告宣伝費にあります。
広告代理店として創業したころ、私は25歳でまだまだ経験が浅いうえ、岡山県でも超後発の会社だったので、営業に行ってもそう簡単に広告の仕事を受注できるわけではありませんでした。
そこで自社の強みを持つために業界に特化することを考え、たどり着いたのが住宅業界でした。ここでならやれると考えた理由は下記です。
1.業界に明るい専門プレーヤーが居ない
当時も今も、住宅会社が広告宣伝を行う際は地元の広告代理店や印刷会社に依頼しますが、受託する会社の多くは全業界向けの業界知識を持たない総合広告代理店だったりします。求める反響の質の担保やどうすれば営業に繋がりやすいかなど、業界特有のニーズを押さえて明確に提案できる会社でなければ、成果を出すことが難しく、多くの住宅会社は集客戦略に苦慮していました。
2.売上高の3%を広告宣伝費に投入する慣習
住宅業界は単価が大きいので売上が大きく、それに比例して広告宣伝費も大きいのが特徴です。売上の約3%を広告に投下しています。
1棟2,000万円の受注をあげる為に、約60万円のコストを広告にかけている計算になります。(もっと掛かっている会社も少なくない)粗利率が25%程度あるので、受注ができさえすればペイできるという粗目な感覚も広告宣伝費を押し上げてきた理由だと思います。このコスト活用をもっと効率的にする提案が出来れば、リプレイスすることが出来る業界だと考えました。
3.想定している集客単価がほぼ全社一律
会社の営業スタイルにより差は大きいのですが、住宅会社が集客し、成約するまでの営業歩留まりは約10%程度。受注までに60万円かける計算ですから、10%だと1組の集客に6万円程のコストをかけることになります。(前述のとおりこれが10万円、20万円などもっと高い会社も多々あります)
要するに、1組集客するのにいくらなら合格⇔不合格という採点が非常にしやすい業界ということになります。
4.住宅建築する=工務店は地域にめちゃめちゃいる
あまり知られてないことですが、住宅を建てる仕事を行う「工務店」と呼ばれる会社は、全国津々浦々に35,000社とも60,000社とも言われるほどいます。そしていわゆる大手ハウスメーカーのシェアはたったの15%程度。多くの家は各地域密着の工務店によって建てられています。それぞれの会社がそれぞれのやり方で販促をしていて、情報がバラバラにエンドユーザーに届く。そういう情報の非対称性が起こりやすい業界を変えたいという思いもその時に生まれました。
私たちはこれらの理由から、住宅業界に特化し広告宣伝費の効率化ができ、エンドユーザーと住宅会社を円滑に結ぶことが出来るサービス提供に取り組むことにしました。
ただ、私たちが工務店に着目した理由は「広告宣伝費」や「社数」だけではありません。
工務店で家を建てることはとても良い事だと感じることが多いのです。工務店は施主の家一棟一棟に対しとても熱を込めて施工してくれます。ですので、良い家が建てられるよう勉強熱心、経験値があり技術力が高い会社が多くあるんです。(下記の写真をクリックすると私が工務店さんや工務店で家を建てた人を取材したYouTube動画に飛びますのでお時間があればぜひご覧ください。バズーカみたいな機械の謎も解けますw)
古民家再生や職人の技術教育に取り組んでいたり、断熱/遮熱性能を研究し尽くしていたり、お客さんの家をより良いものにするために心血注いでる方が本当に多くて、そういう方と出会えると満足度の高い家が建てられるのだと思います。
そして、やはり家を建てたオーナーさんも工務店で建てて満足している方が多いと感じています。
単純に家を建てて提供して終わりではなく、打ち合わせの過程からライフスタイルや将来のことを親身に相談に乗ってくれて、引き渡した後もずっと通って家を守り続けてくれる、そんな工務店が全国各地に何千、何万といるんです。
衣食住の一つである「住まい」の提供はライフラインです。真剣に家を建て、いざという時に守ってくれる工務店は地域にとってなくてはならない存在です。
住宅業界のためにも日本のためにも、もっと工務店とエンドユーザーが繋がりやすくすることが大事だと思い、私たちは住宅業界に絞って事業を展開しています。
住宅業界で取り組んできたこと
業界専門広告会社として地元工務店のプロモーション支援を行いながら、自社独自の取り組みを数多く行ってきました。いろいろあって書ききれない上、過去の取り組みを見せるのは恥ずかしいのもあるので、取り組みの中から気が付いたことが多いものを出来る限り列挙しようと思います。
2008~2011年 一括資料請求サイト「イエコレ」
私たちが住宅業界に特化して最初に始めたのがこの「イエコレ」でした。掲載費用が完全無料で1件資料請求があった場合、成果報酬で1万円を住宅会社から頂くというビジネスモデルです。当時成果報酬型の広告モデルは多くなく、原則掲載に費用が掛かるものがほとんどでした。
資料請求自体はかなり上がっていて売上もそこそこ確保できていましたが、「資料請求があってもそこからランクアップできず営業が出来ない」という工務店も多く、「直接会える成果」を提供できるサービスの必要性を感じ、その後別のサービスを企画し始めました。
2012~2018年 地域住宅会社情報誌「家。買う?」
住宅会社とエンドユーザーをきちんと結び付けるには資料請求だけでは不十分だと感じた後、2012年に住宅会社紹介情報誌「家。買う?」を立ち上げました。このメディアで行った施策は2つ。
1.地域のファミリー向け賃貸へのポスティングとスーパーのラックに設置に特化し配布
2.各社の見学情報、セミナー情報を必ず掲載しメインコンテンツにする
家を買いたい人は戸建てではなく賃貸アパートに家族で住んでいることが多いので、ファミリー向け賃貸アパートを調べまくって投函、加えて日々奥様が買い物に訪れる地域のスーパーのレジ後のラックに設置するフリーペーパー型で展開しました。
どの会社がどこにあって、何が見れるのかを明示することで、直接足を運んでもらうように促すスタイルで誌面を構成。
結果的に掲載住宅会社への来場者は増え、エンドユーザーと住宅会社が直接会うことが出来る為成約数も目に見えて増加しました。紙媒体として最後発ながら岡山県内のメディアとしてはかなり認知され、大変好評でした。
紙媒体の役割が一段落する2018年まで6年間運営する事業となりました。
2014~2015年 地元工務店だけの住宅展示場「岡山工務店EXPO」
私たちの存在が業界内ながら全国に知られることになった初めての取り組みがこの「岡山工務店EXPO」でした。私たちにとってターニングポイントとなる事業だったので、ちょっと詳しく説明したいと思います。
まず最初に、岡山工務店EXPOは私たちが企画運営全てを行いましたが、ビズ・クリエイションだけで行った事業ではありません。地元の工務店16社と住宅関連企業37社の計53社で組合をつくって取り組んだ、日本で初めての住宅展示場です。
当時岡山県は大手ハウスメーカーのシェアが全国で最も高く(26%※全国平均15% 2013年)、逆に言うと地元の工務店が最も”売れてない”エリアだったのです。
なぜ工務店が売れないのか。
県民性や不動産事情など原因は多々ありますが、私たちが遠因として見ていたのは「住宅展示場」でした。
全国に約350か所ある住宅展示場には、年間で約411万組(2018年)が訪れます。国内で建つ家が年間40万棟ですから、その10倍もの人が来場するわけです。
事実、住宅建築を検討する90%の人が検討初期に住宅展示場に足を運んでいるというデータがあります。ではその何が問題なのか。理由はこれです。
90%もの人が訪れる住宅展示場で出会えるのは住宅会社のたった1%程度なのです。全国規模のハウスメーカー、地元の中でも有力な一部の会社だけが集客一等地である住宅展示場に構えています。それはなぜなのか。
・モデルハウス建築+出展維持コストが高い
・そもそも出展させてくれない
2つ目は物議を醸しそう&より長くなるので今回スルーしますが(笑)、見せる為だけのモデルハウスに初期に億、維持で月数百万投資できる会社はそういません。ですので必然的に地元工務店はその輪の中に入ることが出来ないのです。
そこで岡山工務店EXPOでは、
1.分譲地を有志地元工務店16社で分割購入、モデルハウス建築
2.6か月間を展示期間にし、その後建売住宅として売却
3.広告負担金を全53社で負担し、半年間のみプロモーション投下
このやり方であれば、初期建築コストは建売売却と同時にペイでき、期間を絞って効果的に販促活動することで、広告負担も1社あたりでは相当安価にすることができます。
これで、今ままで一般的に知ることすらできていなかった地元工務店の建てる家を、検討初期に見学することが出来ます。エンドユーザーに住宅会社の選択肢を広く持ってもらうことがこのプロジェクトの目的でした。
結果として、6か月間で5,100組の来場(ユニーク数)、24,000回の見学、参加した工務店16社合計で200棟(約40億円分)の受注が生まれました。
本当にこのプロジェクトはすごい成果が出ました。その影響かどうかは分かりませんが、翌年の大手ハウスメーカーシェアは落ち、工務店シェアは増加しました。(大手シェア26%→23%)
このプロジェクトを通じて、「工務店が表に出ていくことで、エンドユーザーの選択肢を広げることは、地域社会にとって非常に重要な取り組み」だと改めて認識することが出来ました。
なによりも工務店が十分に集客することが出来るコンテンツであることが実証された大きな出来事だと思います。
岡山工務店EXPOが残した課題
大成功に終わった岡山工務店EXPOですが、同時にいくつもの課題を突き付けられました。代表的な課題は、広い土地、モデルハウス建築を工務店だけで組織して行うことは非常に再現性に乏しく、例え毎年やろうと思ってもできないことです。
通常広大な分譲地を開発し提供できるのは、いわゆる不動産ディベロッパーです。岡山工務店EXPOは工務店だけで土地を手配し販売主体無しで取り組めた為「販売圧力」が大きくなく、半年間「全く売らない」展示場という見せ方をすることが出来たので、多くの人に来場してもらうことが出来ました。
ですが、不動産ディベロッパーが関与すると、どうしても土地を販売することが優先されやすく、分譲地としての見え方が強くなってしまい、その土地を買いたい人しか来てくれなくなってしまいます。
岡山工務店EXPOは、いろいろな好条件が偶然にも重なることで結果が出た、奇跡的なプロジェクトだったわけです。
モデルハウスでなくても、工務店が建てた家がある
岡山工務店EXPO開催中、現地で来場者を眺めながら思ったことがありました。
「モデルハウスを建てる必要ってあるんかな?」
会場は岡山駅から車で30分ほどの普通の住宅地です。16棟の出来たてほやほやモデルハウスがあるとはいえ、やはり何の変哲もない団地です。そこに毎分のように多くの車が乗り入れ、家族みんなで工務店の建てた家を見学しに来るのです。
日本には約5,000万戸の住宅があり、そのうち3,000万戸弱が一戸建てです。ざっくりした計算上では、約2,500万戸が工務店が建築していることになります。
それだけ家があるんだったら
「既に建っている家を見学させてもらうことが出来れば、モデルハウスも住宅展示場も要らないじゃん!」
それから考え始め、生まれたアイディアが「エンドユーザー同士の住宅見学」でした。CtoCで家への訪問を許可しあうプラットフォームです。
岡山工務店EXPOでも普通の住宅地に大勢の人が見学に来てくれているし、見たいモチベーションはきっとある。
airbnbやUBER、メルカリなどのCtoCプラットフォームが広がり、レガシー業界の在り方を再定義しています。住宅業界の集客領域も無駄が多くエンドユーザー向きでない部分に、変革の余地はあるはずだとその時確信しました。
それが現在のKengakuCloudに繋がります。
CtoCプラットフォーム構想のその前に
入居中の住宅オーナーと住宅検討ユーザーを繋ぐプラットフォームの実現には、解決しなければならない課題がありました。
それは「住宅オーナーが見学を受け入れるメリットを作る」ことです。
仮に住宅オーナーが受け入れた見学に対して報酬を渡す仕組みにしたとしたら、住宅検討ユーザーがお金を支払わなければなりません。しかし、住宅見学にエンドユーザーがお金を支払う慣習はありません(少なくとも一般的には)ので、ビジネスモデルの設計がネックとなっていました。
そこで、最初からCtoCではなく、住宅会社が介在する仕組みで、住宅オーナーと住宅検討ユーザーをマッチングする仕組みを考えました。
しかし、その当時の住宅見学は、住宅会社のスタッフがモデルハウスや見学会場に常駐し、見学者はフラっと訪れる(予約無し)のが一般的で、行きたいところをWEBで探して予約し訪問する、という他業界では当たり前になりつつあった流れが全く存在していなかったのです。
なので、マッチングするためにはまず「住宅見学を予約する」ことを常識にする必要があると考え、住宅見学予約クラウドツール KengakuCloud-ケンガククラウド-」を開発しました。
まず、住宅業界に「予約」の土台を創ることにしたのです。
17年、予約ツールとしてKengakuCloudリリース
KengakuCloudは住宅業界専用の予約集客クラウドツールです。
リリース以来、利用者へのフィットを求めてブラッシュアップを続けています。KengakuCloudを住宅業界に広めていく中で、より実感として見えてきたこともありました。
住宅会社が予約を受け付けることで、成約率が上がり経営が高収益化していくことです。
予約無しで来場を受け付けていると、いろいろなコストが発生します。
・モデルハウスコスト・・・いつでも来てもらえる場所を用意する為にはやはりモデルハウスが必要になります。通常の家よりも大きく豪華なものを建てる場合が多く、建物だけで5,000万~1億円もかかる場合があります。
・広告宣伝コスト・・・スタッフが常駐しているのでムダにできない。なので広告を打って集客する必要があります。
・人件費・・・モデルハウスは1日に何十組も来場するものではありません。どうしても空いた時間が発生し、効率的とは言い難い人員配置になってしまいます。
反面、予約を受け付けるスタイルに切り替えると様々なメリットがあります。
大手ほどリソースを潤沢に持っていない工務店こそ、WEB予約を通じて効率的な経営を行っていく必要があると強く感じています。
しかしKengakuCloudを広めていく道は平坦なものではありませんでした。他業界が日増しにDXしより便利になっていく中、住宅業界の変化は緩やかなものだったのです。
加えて、思うように成長できずにいたことで、成長資金が底をつき、19年4月、多くの参画メンバーがビズ・クリエイションを去らなければならない事態になりました。このあたりのことはかなりのハードシングスで辛い出来事で、多くのスタッフに辛い思いをさせてしまいましたし、二度とこうならないようしなければという反省の中で、経営者としては多くの学びがありました。これはまた機会があれば別で書くことにしたいと思います。
コロナ禍で「予約」と「オンライン」が必須の業界に
このグラフを見てもらえると分かる通り、予約のニーズが急騰しています。
19年1月からのKengakuCloud内で発生した見学予約件数の推移です。右の後半部分の落ち込みが緊急事態宣言の発令された4月ですが、その後回復を超えて通常月の2.5倍もの予約が単月で発生しています。
ニーズの高まりに比例して、ありがたいことにお問合せも増え、導入企業も増えてきています。
世界中が混乱期にある中皮肉なことではありますが、住宅業界でもようやく来場の「予約」そして商談などの対応を一部「オンライン」に切り変える流れが強くなってきたのです。
20年4月にKengakuCloudは他の予約ツールよりいち早く、Zoomによる相談会や見学会ができる「オンライン機能」を投入したことも風向きが変わった一因でもありました。
予約クラウドツールからオーナー邸見学の仕掛けへ
今現在KengakuCloudでは、予約をキーにして住宅会社の集客から顧客との契約までの業務支援が出来る機能を持っています。
この守備範囲において、住宅会社の業務を効率化し、かつ成約に対して効果的なサービスにすることが、私たちが当面行うべき最優先事項と考えていて、現在新機能の開発にも取り組んでいます。
ただ、私たちの目的は、KengakuCloudによって住宅会社の集客業務を効率化することだけではありません。
現在β版として一部の会社にリリースしている「オーナー邸見学機能」が関連してきます。
※オーナー邸見学機能はサービスサイトにも記載しています
岡山工務店EXPOで「モデルハウスって本当は無くてもいいんじゃね?」と感じ、「入居中の家を見せられるようにしよう!」と思ったその仕組みの一部は、今年KengakuCloudの機能の1つとしてリリースしました。
実は入居中の家の見学は住宅業界では以前から行われてきました。また最近では住宅展示場に出展する大手ハウスメーカーもほぼ全社がこのオーナー邸見学を営業活動の一環として行っています。
■オーナー邸見学のメリット
住宅会社・・・見学者には入居オーナーとも話してもらうことができ、信ぴょう性が担保され、自社を信頼されやすくなる→成約率向上
見学者・・・生活感のある住宅を見学でき、入居者の評価を聞くこともできるので参考になりやすい。
要は両者とも非常にメリットがあるということです。また住宅オーナーへは、見学の度に数千円~数万円の謝礼が支払われるのが一般的で、オーナーへも十分なメリットを提供できていると言えます。
しかしながら、住宅会社の現場へ目を向けると、やはりアナログならではの非効率さも目立ちます。そのため、このせっかく良い取り組みが一般的に知られておらず、実に80%もの検討ユーザーが「オーナー邸見学」を経ず家を建てている現実があります。
これらの出来ない理由を一つずつ解決するのがKengakuCloudの「オーナー邸見学機能」です。
私たちは「予約」ツールからスタートし、このように少しずつではありますが、CtoCプラットフォーム構想に近づいていっています。現在実証中なので、コロナ禍が落ち着いたころにさらにブラッシュアップしたこのサービスを全国リリースしたいと考えています。
私たちが目指すところ
私たちが目指したいのは、全国5,000万戸すべての家を見学できるようにすることです。新築戸建だけでなく、中古、マンション、リフォーム/リノベ、空き家などすべての家です。
どんな家でも簡単に見学できるようになることは、すなわちどんな状況になるのかというと、「個人同士で家を見学することが一般的になること」で、さらには「住宅を個人間でも売買できるようになること」に繋がります。
住宅業界は今まで、業者を通さなければ見ることが出来なかった部分がたくさんありました。だからこそ情報の非対称性が大きく、エンドユーザーは業界企業の誘導通りに動くしかなかったのです。
ガラス張りの業界の一歩として、私たちはどんな家でも見学ができるようにすることが使命だと思い、この事業を続けています。
まずはKengakuCloudで個社から、そしてプラットフォーマーとして業界全体へ、という流れで一つずつ階段を上っていきます。
多くの人に知ってもらう為に
一業界のニッチなところからスタートしている私たちは、業界で知られつつあっても、ホリゾンタルなサービスなどと比べると、注目を集めるのが難しいのが正直なところです。
そんな背景があるので、ピッチコンテストなどには出来る限り積極的に応募してきました。
[2018年]
■StartupGO!GO! NICT賞 Microsoft賞
[2019年]
■凸版印刷OPEN INNOVATION CO-NECTO 優秀賞
■総務省主催 起業家万博2019 Salesforce賞 ドコモベンチャーズ賞
■岡山イノベーションコンテスト ファイナリスト
■Construction-Tech Startup Conference 最優秀賞 オーディエンス賞
[2020年]
■IVS LaunchPad2020 ファイナリスト
ありがたいことに全国から強者が集まる激戦のコンテストで最終に上がり登壇させて頂いたり、賞を頂くことも多々ありました。
特に今年登壇させて頂いた「Infinity Ventures Summit 2020 LaunchPad」は私がKengakuCloudを始めたころから雲の上の大会のように仰ぎ見ていた、スタートアップにとって最高の舞台だったので、1,000名ものオーディエンスの方々にピッチさせてもらったことは非常に良い経験になりました。
支援頂いている方々
KengakuCloudをリリースした2017年には元楽天副社長、現USEN-NEXT HOLDINGS取締役副社長COOの島田亨さんに株主として参画頂きました。
またその後、私たちのビジョンに共感頂いた広島ベンチャーキャピタル、いよぎんキャピタル、中銀リースなど地方銀行系のVCさんからも資金調達を頂き、現在に至っています。
まだまだ結果はこれからという中でも、事業の相談に乗って頂ける温かい方々に参画頂いており、その優しさに甘えず絶対に事業を成功させなければという強い責任感を感じながら日々取り組んでいます。
またいつも相談に乗ってくれる起業家の先輩や仲間、無理ばかり聞いてくれるクライアントの方々に支えられて今があります。
改めてありがとうございますm(__)m
いちばん大事なこと(絶対読んでほしい)
KengakuCloudが向かうその先のイメージに共感頂ける人と一緒に事業を大きくしていきたいと考えています。
普通なら何度も諦めそうになるような出来事があっても、私は5年前から思いは一切変わることなく、「住宅業界を変えたい、良くしたい」と考え続けてきました。そして、事業が成長するにつれイメージもより具体的になってきました。
住宅業界を変えることは、私だけではできません。。。特にプロダクトの新規機能開発に伴いエンジニアが不足しています!(インターンも募集中)
・Rubyエンジニア
上記急募中です。
また、
・機械学習エンジニア
・データアナリスト
・UIデザイナー
・セールス(CS、オンボーディングも含む)
も随時募集中ですので、ちょっと話聞いてみたいなーくらいでもOKですので、メッセンジャー、TwitterDMなどまずはご連絡ください!
本社は岡山ですが、リモートも相談可です。
最後になりますが、長文にもかかわらず最後まで読んで頂いてありがとうございました。もう一つお願いです!応援してあげてもいいって思ってくれた人は「♡」「シェア」お願いします!