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手紙「ライフデザインの源より」2024.09.01 臼井清より皆さんへ
なかなか心穏やかに過ごすのが難しい「お天気」が続いていますが、皆様いかがでしょうか? アート好きの私は、気持ちが落ち着かない時など、リフレッシュも兼ねて美術館に出向くことが多いです。美しい作品に癒されたり、難解な作品の解釈に気合が入ったり、何かとエネルギーをいただいています。
『田名網敬一 記憶の冒険』
https://www.nact.jp/exhibition_special/2024/keiichitanaami/
こちらの個展、開幕して間もなく作家ご本人が88歳(1936年生まれ)で亡くなられたとの報道があり、それまで正直あまり興味がなかったのですが、足を運んでみました。
これが大正解! 年齢を重ねてからますますパワーアップする作品の力に圧倒されると同時に、キャプションに書かれている言葉にガツンと衝撃を受けました。
「人間は自らの記憶を無意識のうちに作り変えながら生きている」
自身の脳内で増幅される「記憶」を主題に創作活動を続ける田名網
お気づきですよね? これって、まんま「過去は変えられる」だなって。
作家さんは、“記憶を無意識のうちに作り変えて”いることを“意識”して創作してきたわけで、言い換えれば「過去を変え」、さらには新たな物語を「増幅」して、作品を作り続けていたということになります。この姿勢が、自分の死の間際まで創作にかけるパワーにつながっていたのかと、とても感嘆しました。
皆様も、もし機会作れたら展覧会に行って「記憶を作り変える」パワーを実感(≒鑑賞)してみてください。
…ついつい、なんでもかんでもライフデザインに結びつけてしまう私でした(笑)
臼井清(うっすいきよし)
事業開発アーティスト
/ライフデザイン・ワークショップ ファシリテーター
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