Puccini opera"Tosca" Act III

プッチーニはトスカに限らず、ボエームでもお蝶夫人でも自由な(機能的でない)三和音の平行移動を使っているが、トスカの幕切れ近くに分かりやすい部分があるので切り取ってみた。楽譜は Carlo Carignani のピアノ・リダクションを拝借した。

赤枠で囲った部分は長三和音が長二度ずつ下がっていくフレーズである。Cから始まってDまで全音音階を一周する。そのあと、青枠で囲んだ部分もE  D Am Fの繰り返しで、短三和音を含むが、通常の機能性を離れた三和音の使い方となっていて大変ドラマティックで効果的である。E Majorと D Majorの連続はリディアン♭7を感じさせる旋法的なパッセージととらえることもできる。

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