ベルクの音楽の独自性、美しさ、は十分認めるものであるが、時々、「これはいくらなんでも間が抜けてないか」と思うときがある。
上の譜例はバイオリン協奏曲の第一楽章で、リズミカルな主題が提示されるところだが、これはまぬけである。音はこちら。
下の例は、弦楽四重奏のための叙情組曲の第一楽章冒頭部分だが、このタタタンタンタンタンも相当なものだと思うが、どうだろうか。この音形はこの楽章を通じて繰り返される。バッハに出てくればそれほど間抜けな感じはしないと思うのだが、無調性という背景におくと、ぐっと間抜け感が強まるように思う。音はこちら。