「地区担当になりましたのでご挨拶を」訪問の多さよ
インターフォンが鳴ったとき、一瞬息を潜める。
「居留守」という可能性を残すために。
宅配は基本置き配だし、そもそも把握していない荷物が届くことなんてないから、心当たりのないインターフォンは警戒対象でしかない。
だってさ、馬鹿正直に出るとさ、
「この度地区担当になりましたのでご挨拶を」
って言われるんだよ。
高確率で。
「玄関先までお願いします」じゃないんだよ。
どこに所属していてなんの管理をしている誰なのか、情報が一切入ってないんだよ。
あれって、名乗ってる詐欺じゃない?
結局なんにも情報くれてないんだもん。
こっちの住所は知れてるってのにさ。
全然フェアじゃないわけよ。
「今忙しいんで」って言っても「すぐ済みますから」とか「じゃあ夕方改めます」とか、もう来なくていいんだよ。
「結構です」って言ってももう一回インターフォン鳴らす猛者いるからね。
「怪しいものではないので」って、怪しまれる心当たりがあるんでしょうが本人にも。
なので、インターフォンのカメラ映像で判断して、恐らく出なくて良さそうなら、出ない。
こっちも好きで断ってるんじゃないのよ。
拒絶するのは気力が要るんだから。
だからそもそもやりとりをしないという選択肢。
自衛の手段を取らせてもらう。
でもさあ、家に泥棒が入ったってニュース見るとさあ「家人の留守中に」っていうのが多いじゃない。
この、インターフォン鳴らして回ってる方々が、家人の在宅時間を調査している可能性も否定できないご時世なのよ。
だから、全く出ないという手段も取りたくない。
なんなら出来る限り「家にいつもいる人」を演出したい。
「この家は無理だ」って泥棒さんリストから除外して欲しい。
そういう観点からすると、インターフォンに応答しないのはどうなのよ、って話にもなる。
でも、インターフォン出たら出たで、「この家、チョロそうな女が住んでる」って思われる可能性があると思うと、ね。
もう出たらいいのか出ない方がいいのか分からないよ。
どうしたらいいんだ私はって最近ちょっとうんざりしてる。
もう応答するだけのAIが機能してくれればいいのにね。
「ご用件を、どうぞ」の留守電みたく、留守録してくれればいい。
必要ならかけ直しますから。
泥棒さんなら泥棒さんだって言ってくれれば通報しますから。
本当に全員地区担当さんだとするなら、変わりすぎなのよ。
パチンコ屋の新装開店くらい変わってるからね。
まあきっと訪問する口実に過ぎないんだろうけど。
物騒な世の中がいけないのか、被害妄想強めな私の警戒心がいけないのか。
インターフォンが鳴るたびドキッとするよという日常のお話。
本気で留守録AIの実装を望む今日この頃の私である。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回以降もお付き合いいただけると嬉しいです。
それではー。