宇宙一アツい道玄坂の夜@街街街ツアー東京ファイナル
橋本絵莉子さん(えっちゃん)の2ndアルバムツアー「街よ、見街よ、良い街よツアー 2024」ファイナルの東京公演@渋谷Spotify O-EAST、いってきました!
あの時間と空間にいられたことが奇跡のようで、心にずっと残しておきたい大切な2時間でした。
自分のなかで忘れないために、ライブ中に濁流のように溢れてきた感情を思い出し中継して行きます。
※MCを正確に記憶する能力がないので、言ってたこととか順番とかはぜんぶうろ覚えベースです
<セットリスト>
1. ワンオブゼム(1st『日記を燃やして』)
2. かえれない(1st『日記を燃やして』)
3. 踊り場(2nd『街よ街よ』)
4. 宝物を探して(2nd『街よ街よ』)
5. 人一人(2nd『街よ街よ』)
6. やさしい指揮者(2nd『街よ街よ』)
7. fall of the leaf(1st『日記を燃やして』)
8. どなる、でんわ、どしゃぶり(チャットモンチー)
9. 離陸(2nd『街よ街よ』)
10. このよかぶれ(2nd『街よ街よ』)
11. オンリーミー<仮>(新曲)
12. ロゼメタリック時代(1st『日記を燃やして』)
13. ホテル太平洋(2nd『街よ街よ』)
14. 今日がインフィニティ(1st『日記を燃やして』)
15. 私はパイロット(2nd『街よ街よ』)
★アンコール
あさのうた(セルフカバー/弾き語り)
春夏秋(チャットモンチー/弾き語り)
Oh,Cinderella(2nd『街よ街よ』)
★Wアンコール
脱走(1st『日記を燃やして』)
改めて書き出すとすごいボリューム。15曲+アンコール4曲の計19曲は、そもそもめったにないライブの機会に日頃から飢えているファンにとって、まさしく致死量の橋本絵莉子です。エリコ過多。
1曲目「ワンオブゼム」からスタートは正直意外だった!(『街よ街よ』の曲から始まると思ってたので。)
と同時に、橋本バンドと2年越しに再会できた実感が押し寄せてきて、悠々とギターをかき鳴らすえっちゃん、そしてバンドメンバーのみなさんの姿にイントロから感極まる。わたしは今日まで、この瞬間をずっと待ってたんだ…!目から水がこぼれた、いやもはや、頬に滝ができた。
2曲目も1st『日記を燃やして』から「かえれない」。ソロになってからのライブで、ほぼ毎回演奏されている曲。この曲を欠かさずやることは、ソロ橋本絵莉子の自己紹介であり、決意表明なのだろうな、などと勝手に受け止めている。
踊り出さずにはいられない、うねるようなバンドサウンドに会場の空気も一体となっていく。橋本絵莉子の音楽を愛する人たちで満たされた空間、最高すぎる。
ここで、「こんばんは橋本絵莉子です」とMC。
今回のツアータイトルの由来を唐突に明かしてくれるえっちゃん。
ほんとうは回文にしたかったそう。でも回文つくるの難しくて、思いついた回文が「血まなこな街」で、マネージャーさんにダメ元で送ったらやっぱり却下されたそう。回文がダメなら早口言葉にしよう!と思って、今回のタイトルになったそう。街よ見街よ良い街よ。
「なのでみなさん出来るだけ早口で言ってみてもらっていいですか、さんはい!」みたいな唐突なフリもあって、そんなゆるいアグレッシブさがえっちゃんらしくて良かった。
『街よ街よ』のアルバムから、ということで始まった3曲目「踊り場」。
ファンファーレのように鳴り響く高揚感あるイントロと、うきうきと弾んでいくえっちゃんのコーラス。リリースからずっと音源で聴きつづけてきたサウンドがライブで鳴らされる喜びとときめきはやっぱり格別で、細胞が湧き立つような心地がする。
前回の「燃やして探してツアー」を引っ張っていた「宝物を探して」も、『街よ街よ』の文脈で演奏されるとまた違った表情に。サビのダンスも2年ぶりにできてうれしい。
「人一人」もライブで聴くとサウンドとメロディの伸びやかさを全身で感じられて心地いい曲。
『街よ街よ』というアルバムの空気感からなのか、バンド全体が前回のツアーよりもリラックスした雰囲気で伸び伸びと演奏しているように感じたのが印象的だった。
ソロ初ライブの恵比寿LIQUIDROOMで伝わってきた緊張感を思い返すと、えっちゃんご自身もソロとしてのライブを伸び伸びと楽しんでいるよう。えっちゃんが健康に楽しく音楽を続けてくれることがファンとして一番なので、そんな姿がとても嬉しかった。
ふたたびMC。たぶんここで、えっちゃんのお誕生日祝いをした気がします。
「きょう、わたし誕生日…」とえっちゃんがぽつりとつぶやくと、曽根さんがギターでハッピーバースデーを弾いてくれて、会場みんなで歌ってお祝いした。365日のなかでもっともめでたい日。そろそろ国民の祝日になるはず。
シゲさんに弄られつつ「あれ、橋本さん…15歳になったんでしたっけ?」「41歳やで」「見えない」「……まぁよく言われますけど」と認めてるえっちゃん面白かった。
そんなこんなで、メンバー紹介の流れに。ギター曽根さん、ベースシゲさん、ドラム愛子さん、と順番に紹介され、「今日はもう最後(ツアーファイナル)だから言っちゃおうかな」と言って、えっちゃんの口から「もうひとりのドラム、恒岡章!!!」と最後にツネさんの名前が呼ばれる。その瞬間、フロアからも割れんばかりの拍手が!
一曲目のワンオブゼムから、ずーっと感じていたツネさんの存在。きっとこの場にいた全員が同じ気持ちだったのだろうな。ここまで胸のなかで堪えていた思いが、一気にこみ上げてくる瞬間だった。
そうして始まった「やさしい指揮者」は、ほんとにもう、反則のような優しさだった。アルバム音源では、ツネさんが叩いたフレーズの音源が使われているこの曲。ライブの演奏ではそれを愛子さんが叩いていたけど、ステージにはツネさんの姿もたしかに見えていた。
これは余談なのだけど、わたしは「きみがその気なら」のツネさんと愛子さんのツインドラムがほんとうに好きで、チャット乙女団以来、ひさしぶりに見聴きする愛子さんのドラムに懐かしさを覚えながら、同時にその傍らのツネさんの笑顔にも再会できているような気がしていたのでした。
からの「fall of the leaf」。
「やさしい指揮者」の流れで聴くと、「棺桶にお金を入れたって 燃えて灰になるだけだから 大丈夫よ 笑いながら悲しいこと思い出しても」のフレーズが、より一層の優しさをもって沁みてくる。
えっちゃんの誕生日にこの曲が聴けたことも嬉しい。
「どなる、でんわ、どしゃぶり」のイントロのギターが鳴った瞬間は、衝撃だった。チャットの曲も何かしらやるだろうなと思ってたけど、まさかここで「どなる、」が来るのか!!
チャットモンチー3ピース時代の伝家の宝刀のような、一撃必殺ライブチューン。まさかまさか橋本バンドで聴けるとは!この曲を演奏しているときのえっちゃんの侍っぷりが大好き。曽根さんシゲさん愛子さんの演奏も、それぞれどしゃぶりのごとく荒ぶっていて超かっこいい。各楽器のフレーズは原曲に忠実な感じでも、チャットモンチーの演奏とは全然違って聴こえるのも、チャットファンとしては嬉しかった。
この曲を最後に聴いたのはチャットモンチーのラスト武道館さよならメドレー(勝手にそう呼んでる)で、あのときもツネさんがドラムを叩いてくれていたのだった、なんてことを思い出す。
一撃ずつ心臓を突き刺してくるようなアウトロの迫力に息をのんでシーンと静まり返るなか、間髪いれずに始まった「離陸」への転換もめちゃくちゃかっこよかった!!
アルバムに収録されているのは、前回ツアーのライブ音源で、やっぱり聴きながら前回のステージの光景を思い出してしまう。
「やさしい指揮者」からの一連の流れのなかで、たどり着いた「このよかぶれ」は、ただただ圧巻だった。
演奏するえっちゃん、バンドメンバーさん一人ひとりの表情、演奏、えっちゃんから発せられる歌詞のひとつひとつに思いが滲み出ているのが伝わってくる。『街よ街よ』のリリースまで、そしてツアーファイナルの今日にたどり着くまでに、えっちゃんやバンドメンバーさんに巻き起こった出来事や感情について、ツネさんについて、思わずにはいられない。ステージに立つ4人それぞれの気持ちが曲を超えて心に直接届いてくる、この日のライブでしか感じることのできない「このよかぶれ」だった。
MCに入って「2ndアルバムを完成させられて、もうしばらく、1年くらいは曲つくらなくていいかなと思った」「だけどそう思った1ヶ月後くらいには、もう曲をつくってて、思ってることと実際に行動することが違う。自分にとってこれはもう癖みたいになってるんだと思う」と語るえっちゃん。えっちゃんの新曲を聴けることが人生最大のよろこびな人間なので、それは大変ありがたい癖だな〜と心のなかで拝んでいると「今日に間に合うように新曲仕上げてきたので、聴いてください!」と、なんと新曲を披露!
キラキラとサビに向かって疾走感と開放感のある曲で、「扉のなか」「わたしはバンクシー」などの歌詞が聴き取れた。ステージを照らす明るい照明とそれに呼応するような溌剌とした曲調が印象的だった。後にえっちゃんがnoteで明かしたことによると、「オンリーミー(仮)」という曲名だそう。リリースが楽しみです。
「ロゼメタリック時代」「ホテル太平洋」「今日がインフィニティ」は、橋本絵莉子の骨太ライブチューン3連発って感じでブチ上がる。
「ロゼメタリック時代」は毎回そのかっこよさに骨抜きにされるのだけど、『街よ街よ』ツアーでもやってくれて嬉しい!無事に軟体動物になりました。
『ホテル太平洋』はやっぱり踊らずにはいられない!最高!
『今日がインフィニティ』はもはや、よっ!インフィニティ!!って感じ。
もうここまでで感情が動きすぎてだんだんおかしくなってきてる。
ラストのMCでシゲさんが語ってくれた言葉たちに、またしても心が動かされた。ここまでほんとうに色々あったこと、そのなかでアルバムをつくれてライブができたこと……などなどを、大切に丁寧に言葉にしてくれるシゲさん。えっちゃんはMCで直接的に核心にふれるよりも全てを演奏に込めていくスタンスを貫いていて、これまでの演奏からえっちゃんの思いはしっかり伝わってきたけど、こうしてシゲさんが改めて言葉で語ってくれたことも、ファンとしてはとても嬉しかった。
正直、今回のツアーはすごく楽しみにしていた一方で、ツネさんがいない橋本バンドのステージを見ることが少しこわい気持ちもあったのだった。ただの観客でしかない自分でさえそんなふうに思うのに、実際にこれまで一緒に曲をつくってバンドとしてライブで演奏してきたえっちゃん曽根さんシゲさんのお三方、ツネさんがこれまでいたポジションに新しく入っていった愛子さんの気持ちは、はかりしれないものだと思う。
一方的に応援することしかできないファンとしては、そんな4人にただただ着いていくしかないという気持ちでいただけに、あの場できちんと言葉を交わしている4人の様子を私たちの前で見せてくれたことは、とても嬉しく感じた。
本編ラストは「私はパイロット」。
SF感のあるイントロは、えっちゃんが長めのシンセアレンジでステージに背を向けて奏でていて、そこに照明が差しこんでいる光景は神々しすぎて見惚れてしまう。
ワクワクと広がっていくサビのメロディが、ライブハウスの空間全体に充満して、このうえないハッピーさで満たされる。客席後方から見ていたので、ここに集まる全員がほんとうに幸せそうに演奏に身を委ねている様子が目に入って泣けてきた。もともと大好きな曲だったけど、ライブで聴いてさらに好きになった。
インド映画より壮大で濃厚なドラマと感情が詰まった本編が、大盛況のなか終了。素晴らしすぎて拍手する手があと10セットは欲しい。
ほどなくして始まったアンコールでは、えっちゃんおひとりで登場。アコギを抱えて、前回ツアーと同様に弾き語りでスタート。
今回、弾き語りを6曲用意してきてそのなかから2曲やります!とのこと。
①短めの新曲、②長めの新曲、③アルバムでやってない曲、④セルフカバー、⑤カバー、⑥チャットの曲、の6択。
そんなんぜんぶ聴きたいに決まってるじゃないですか!!
「あ、でも今日わたし誕生日やから一個自分で決めていいかな?!」と唐突にお誕生日パワーを行使する橋本さん。1曲は「あさのうた」のセルフカバーになりました。(異国日記の関係者の方が観に来てたのかな?とか勝手に推測)
「あさのうた」映画で聴いてとても素敵な曲で、朝役の早瀬憩ちゃんの歌声に重ねて想像していたのとえっちゃんの声がぴったりで、聴けてすごく嬉しかった〜。やっぱり誰が歌ってもえっちゃんの曲はえっちゃんなの才能すぎる。
もう1曲は、入り乱れるオタクたちの魂の叫び(えっちゃんに「競りなん?」と突っ込まれる)からチャット曲が落札され、「春夏秋」の弾き語り!
初期カップリングのレア曲「春夏秋」をえっちゃんの声で聴けたの初めてで嬉しすぎた…
アルペジオでしっとりと聴かせる感じで、印象として秋の比重がつよめな切ないアレンジ。とてもよかった。
バンドメンバーさんもステージにあがって、アンコールラストは「Oh,Cinderella」。それぞれの楽器の音とえっちゃんの歌声が絡み合ってグングンと進んでいく曲調は、まさに大団円にふさわしい、楽しくハッピーなフィナーレ!『街よ街よ』ほんとうにいいアルバム。こんな素敵なアルバムをつくってくれてありがとうございます!という気持ちで全力で拍手した。
最後には4人がステージ前方にならんで肩を組んでお辞儀されていて、曽根さんの手にはツネさんの似顔絵が描かれたポストカードが。そんな光景を目にしてしまったら、一生拍手をとめられない。
たぶん客席全員が同じ気持ちで、鳴り止まない拍手がつづく。するとなんと、ふたたび4人がステージに登場!まさかのダブルアンコール!!
チャット時代も含め、ダブルアンコールなんて滅多にないから驚き&最高に嬉しかった!!!
「脱走をやります!」とタンバリンを手にするえっちゃん。
「でも、電車の時間とかあるだろうから、脱走聴きながら脱走してもらってもいいですよ!」と治安の悪い渋谷からのファンの帰路を気遣ってくれた。
愛犬たぬきちの脱走劇から生まれたこの曲、ライブで聴くと「一年のうちのたった一日さ 人生のなかのたった一瞬さ」という歌詞に、ライブという一瞬の時間と空間を共有できる尊さを感じてグッとくる。
えっちゃんのライブに来るたびに、毎回忘れられたくない時間だなと思わされるけど、今回のこの街街街ツアーファイナルは、ずっと心に刻みつづけたい大切な時間だった。
ツネさんとのお別れという悲しすぎる出来事に、いちファンながらきちんと向き合って改めてツネさんに対してありがとうと大好きの気持ちを抱くことができたし、きっとそれ以上の思いがあるに違いないえっちゃんやメンバーさんが、この先も前に進んでいく決意を抱いていることがライブのなかでしっかり伝わってきた。
2024年10月17日の渋谷の夜は、宇宙一アツく感動的な時間で、そこに立ち会えたことが嬉しすぎる。
ダブルアンコールも終えて、最後の最後にふたたびステージ前方に整列する4人。ツネさんの似顔絵がえっちゃんの手に渡って、ツネさんとともに最後のお辞儀をして舞台袖に去っていった。
そのときの橋本バンドの晴々とした笑顔は、心のシャッターでしっかりと焼き付けました。
ここまで振り返って、ほんの2時間のなかに濃厚すぎるドラマが詰まっていたし、この2年間の自分のなかで最大限に感情ゲージが振り切れまくっていた。日頃から感情省エネモードで常時運転しているいい歳した大人の心を、直接わしづかみにして揺り動かしてくる橋本絵莉子さんの音楽の力はやっぱり凄まじすぎる。
えっちゃんはまたきっと曲をつくってライブを見せてくれるという確信を持てたステージでもあったので、次の機会を楽しみに、これからも全力で着いていきます!!!ありがとう大好き!!!!
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