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キングオージャーの衝撃

 日曜の朝に放映中のスーパー戦隊シリーズ『王様戦隊キングオージャー』にハマっています。私は現在30代半ばですが、スーパー戦隊を好きになるのは初めてです。特撮自体には関心があり、ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブン、ガメラ2などが好きで、シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンも大変面白く鑑賞しました。幼い頃の弟の影響で昭和ウルトラマンのことはだいたいわかるものの、他の特撮ヒーローの知識はほとんどなく、ヒーローショーを見に行ってみたいと思ったこともありませんでした。

 家には8歳の娘がいます。4月から小学3年生になりました。彼女は3歳頃からプリキュアが大好きで、セーラームーン世代の私も毎週一緒になって視聴し、映画館にも何度か足を運びました。いわゆる「ニチアサ」の一連の番組を流しつつ工作やお絵描きなどをして楽しく過ごしていた娘ですが、戦隊モノにはあまりハマっていないようでした。

 そんな親子でしたが新しいスーパー戦隊番組である、『王様戦隊キングオージャー』の予告映像を見たとき妙に気になったのを覚えています。モチーフが王様と昆虫であることくらいしか頭に入って来なかったのですが、私たちは昆虫が好きなのです。それに「王様」というのも好みだと思いました。「絶対一緒に見ようね」と言い合ってワクワクしながら第1話の放映日を迎えました。もちろんリアルタイム視聴です。

 30分はあっという間に過ぎ、私は呆然としていました。あまりの面白さと映像の迫力と意外な展開の連続に完全に心が持っていかれていました。まず、舞台が現代日本ではないことに驚きました。中世イギリスっぽい街並みやスチームパンク的な重厚感のある機械仕掛けの城…。異世界が舞台のスーパー戦隊は見たことがなかったので、この雰囲気は最初だけで来週から現代日本が舞台になるのかな?などと思っていたらとんでもない。今作は最新の3DCG技術をふんだんに使った本格ファンタジー作品だったのです。ここまで大掛かりな撮影技術を使った番組は国内初らしいです。

 物語も本当によく出来ています。放送が始まってしばらく、主人公がはっきりわかりませんでした。だって『王様戦隊』なんだから主人公も王様だと思うじゃないですか。でもクローズアップされていくのは城下の一般民、それも孤児院の青年なんです。「この人が主人公なの?」と戸惑いながらも物語に引き込まれていきました。国民が危機に瀕しても動こうとせず「民は道具、私が国だ」と言い切る国王の前で主人公らしき青年は「そんなものが正義なら俺は邪悪の王になってやる」と宣言し、そこで初めてヒーローの姿に変身します。その直前の絶望と悲しみ、それが覚悟に変わる瞬間の表情が素晴らしくて、涙が出ました。第1話は主人公に対する国王の「死罪とする」宣言と不敵に笑う主人公のアップで終わります。「こんなスーパー戦隊第1話ある?!面白すぎる!!」と娘と大興奮してしまいました。

 私は虫が好きで堂々とした人が好きでベタが好きで、ベタを理解した上であえて壊すような物語が好きで二面性とかヒール(悪役)が好きでSFやファンタジーが好きで派手好きな人間なんですが、今作は本当に何もかもフィットしてきます。ひねくれ者の私をこんなにも楽しませてくれる、非常にありがたい作品だと思います。ひとつひとつのシーンに意味を感じられるのが心地良いし、子供たちはもちろん今を生きる全ての人へポジティブなメッセージを送ってくれていると感じています。現時点で第6話まで視聴済みですが、はっきり言ってめちゃくちゃ信頼しています。

 現在、娘とともに過去回や公式YouTubeを何度も見返し、考察し、パーツ屋に赴きアクセサリーを作り、それを身につけてヒーローショーを観覧し、見つけ次第ガチャガチャを回し、スーパーとコンビニをはしごして食玩を探し求める日々を送っています。とても幸せです。世界が輝いています。キングオージャーと駆け抜ける1年間、全力で楽しみたいです。

 次回は先日初めて観覧したヒーローショーについて書きたいと思います。もしよかったらフォローして下さいね〜

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